お昼に「万物理論」を買いに神保町まででかけたら、なぜか8冊も抱えて戻ることになってしまった……。いや、そろそろスニーカー文庫の発売日だってことをすっかり忘れていたせいなんですが。今月は第9回スニーカー大賞受賞作が出ていたのですが……トップが優秀賞2作でそっちはさっぱり惹かれるものがなかったので、奨励賞の「憐 Ren」だけ買っておきました。……奨励賞が一番面白げってのはどうかと思うが。「万物理論」は603ページ、1200円の大部です。いやはや読むの楽しみですね。ちゅーか、いつのまに文庫本が平然と1000円オーバーする時代になってしまったのだ。
昭和40年代の初め。わたし一ノ瀬真理子は17歳、千葉の海近くの女子校二年。それは九月、大雨で運動会の後半が中止になった夕方、わたしは家の八畳間で一人、レコードをかけて目を閉じた>>目覚めたのは桜木真理子42歳。夫と17歳の娘がいる高校の国語教師。わたしは一体どうなってしまったのか。独りぼっちだ――でも、わたしは進む。心が体を歩ませる。顔をあげ、《わたし》を生きていく。
[スキップ/北村薫/新潮文庫 裏表紙より]
ものすごく久しぶりに一般小説を読んだわけですが、42歳の体に入り込んでしまった17歳の女の子の日常描写が素晴らしかった。そして、高校生活に何ともいえない懐かしさを覚えてしまいましたヨ。最後は、目が覚めたら25年前に戻ってるって展開を期待していたんだけど、これはこれで綺麗に終わっていてよかったな。というか、これは例の告白ショックで起こった特殊な記憶喪失ってことになるんでしょうかね? まあ、そのへんの理屈はどうでもいいことなんだけど。しかし、25年を一眠りで飛び越えたらそりゃーびびるだろうな。んー、今から25年前か……テレビの前にラジカセ置いて放送を録音とかしてたなぁ。自分らの声が一緒に録音されて、臨場感ばりばりでした(w。それが今やHDD/DVD-RAM機で録画になってるんだからそりゃーびっくりだわな。それと、作中で真理子がガリ版印刷からワープロへの移行に大層感心してましたけど、そういえば僕もガリ版印刷やったことありますな。あれはあれでなかなか楽しかったです。
引き続き「ターン」に取りかかりたいところですが、楽しみにしていた「万物理論」を買ってしまったので「ターン」はその次ですな。こっちは感想聞いた二人で評価が割れてるんだが、さてどうでしょう?