平成１１年７月号(Vol.16)

　今日は７月７日、七夕、私の誕生日です。今年も残念ながら東京では曇り、でもきっとどこかで織り姫と牽牛は出会えたのでしょうね。誕生日は占星術的にいえば、ネイタルの太陽とトランジットの太陽がコンジャンクトする日です。要注意日の一つで、本当は派手にお祝いをするよりは一人で来し方を振り返り、今後の方針を建て、静かに過ごすべき日なのです。

　私も誕生日につらつらと、この半年を振り返ってみました。今年の私の目標はコンポステラ一月号に書きましたように「明るく・楽しく・じっくりと」、「めげない・負けない・くたばらない」で「優雅に暮らしたい」でしたが、目標通りにできているのでしょうかねえ。

　まず「明るく・楽しく」はいいでしょう。「じっくりと」については少々問題があるようです。今年は事が多く、どうしてもバタバタしている感は否めません。でも放置すればいつまでもじっくりと楽しく一つのことにかまけている私の事、少しくらいバタバタしていたほうが普通という話もありますが。

　次に「めげない・負けない・くたばらない」については、「めげる」習性は三十坂越えてから持っていませんから、立派におばさん化現象を辿っているのかもしれませんね。さて、「負けない」といっても私の場合、自分に負けない、毎日に負けないということになってしましますが、前半は時々「負けそう」とか「うっ、負けたい〜」とか思ったものですが、なんとか踏ん張って半年過ぎました。でも、四月・五月は半ば「くたばり」そうで「人生に活気がな〜い」が口癖になっていましたが。近頃は気温も上がって来て、少しづつ活気を取り戻しています結局、「くたばらな」かったわけです。

　最後に「優雅に暮らしたい」、これはいけません。全然、優雅じゃな〜い。優雅じゃない原因はなんなのでしょうかねえ、とつらつらと考えた私です。優雅であるためには気負わないことが第一です。踊りでも楽器でも武道でも他の何でも、気負って不必要な部分に力の入った動きというものは、とてつもなく見苦しいものです。大切なのは丹田に気が充分に満ちており、そして全身の力が抜けていることです。人間、欲心が出てくると、「やるぞ〜！」という活気が全身に溢れ、これが物事を進捗させてゆくものです。が、残念ながらちょっと上手く行き始めるとさらに欲心があふれ出てきて、頑張り屋の人ほどついつい全身に不必要に力が入るものなのです。

　勿論、全然欲心がないというのも人として十全とは言い難く、程良い欲心つまり健全な願いと・人生の活気・丹田の力があり、程良く全身の力が抜けているというのが基本でしょうかね。その状態が尤も美しい姿勢、動きのもとだと思います。力が入りすぎると体も頭もガチゴチになって柔軟性を失い、自分に対しても他人に対しても批判的になり、あせりやこがれに取り憑かれ、頑張り屋の人などついつい自分を壊すほど頑張ってしまうものです。
　集中力は大切です。よりよい緊張感も必要です。しかし丹田に力があり、全身の力が抜けている状態でなければその集中力も緊張もよい方向へとは人を導かないのです。「優雅に暮らす」ためには肝を据えて、力を抜くということが必要になります。
　しかし、私が優雅でない理由は、やりすぎではなく、その元の程良い欲心・健全な願いの不足にありそうです。つまり丹田の気が充満していない状態にあるわけですね。それが先ほどの「人生に活気がな〜い」発言に繋がり、生活に緊張感を欠き、美しく優雅な生活から遠のいていたのでしょうね。反省！と、思わぬ結論に到達してしまいました。チャンチャン！

　しかし、年に一回の誕生日、反省会にあてたとしても決して無駄にはならないと思いますよ。未来は過去の集積の上にあります。たまにはきちんと時間をとって、姿勢を質すことは必要なのではないのでしょうか？何かとっても、今は多くの人達を愛せるような気がして、世に存在するものすべてに感謝したいような、優雅な気分一杯の和貴水でした。

和貴水の好きなデートリッヒとヘプバーンのＤＶＤです。