平成１０年１月号（Vol９）

１、　明けましておめでとうございます。

　　さて皆様方はどのような新年をお迎えになりましたか。私は暮れから預かった子犬の世話に明け暮れていました。元旦に着物を着ることもなく、慌ただしく布田天神社に参拝しただけでしたが、一月中には伊豆山神社に参拝し、箱根神社と布田天神社にも正式参拝をしたいと思っています。

２、　私は年頭にその年の抱負を五つ作ることにしています。

　　別に目標という訳ではないのですが、方針といいましょうか。毎日様々な仕事が飛び込んできますし、つい自分のペースがかき乱されがちです。勿論それが迷惑なわけでも、嫌なわけでもないのですが、有る程度方針がなければ、一体この一年何をしたのだろうとつい思ってしまいます。方針を決めて、それだけはどのような事があっても実行すると決めれば、一年が終わって「まあ、これだけは出来たからいいや」と思うことが出来ますからねえ。良い意味で自分にプレッシャーをかけるというか、元々があまり頑張リズムになれない性格ですし、ついつい他人のことに首を突っ込むお節介野郎ですので、方針を決めていないとずるずるになりがちなのです。目標ではないので、最優先とはいきませんが。

３、私の今年の抱負の一つは、「開運」をテーマとしたセミナーを行うというものです。

　過去のセミナー参加者の感想と昨今の世間の流れを考慮して、生活に直接役立つセミナーにしようと考えています。というのは、昨今ますます世間の流れが急になってきて、何かと世知辛いニュースも増え、仕事、生活についての不安を聞くことが多くなったからです。せっかく様々な智恵を仕入れているのですから、皆様にもこれを生かして欲しいと考えたからでもあります。

４、「変わり行く時代」

　ノストラダムスの予言した１９９９年は来年ですし、Ｅ.ケイシーの予言の１９９８年は今年です。１昨年の最後のコンポステラにも取り上げましたように世紀末に関する本もいっぱい出版されています。何にしても「変わらなきゃも変わらなきゃ」という時代なのです。常識は音を立てて崩壊していきます。しかし、人類の歴史上このような変革ははじめてではありません。少しずつ、そして時には凄まじい怒濤のように人の世は変わってきたのです。どうせなら、このような大変革期に生を受けたことを大いに楽しみたいものです。

５、日本における崩壊は、まず「演ずべき舞台」の消滅による　「演ずべき役」の喪失から始まりました。

　つまり会社の倒産や家庭の崩壊による「舞台」の消滅と、それに伴う会社員や社長、夫や妻という「役」の喪失です。昨年末、四大証券の一つ山一証券の廃業が決まりました。会社倒産の件数はますます増えているようです。会社という架空の存在に「法人格」を付与しあたかも自然人と同じく存在するかのごとく扱い、その架空の存在に対しまるで主君に仕えるが如く仕え忠誠を誓ったのに、会社というものが架空の存在であることが倒産、破産による消滅という事実によって明らかになってきたのです。
　さらにいえば厚生省の統計によると離婚は昨年も増加したようです。家長制の廃止に伴い崩壊に瀕した家族に「暖かいマイホーム」というイメージを与え、かろうじて保たれていた結婚契約の神聖さも、離婚の増加により法律上の関係でしかないことが明らかになっています。結婚は法律に基づき男女が契約を交わし、しかもこれを役所に登録することによって成立する架空の関係に過ぎないのです。
　これらの「会社」や「家庭」という舞台において、人々は会社員や妻や夫という役割を演じてきたのです。しかしこれは一種の「役」であり、決してあなたの全てではないことは明らかでしょう。だのに恰もそれがあなたで有るかの如く誤解していただけのことです。役割は決してあなた自身ではないのです。役割は失うことがあります。そしてそれらが失われたとしてもあなたが消失してしまうわけでは無いのです。というよりも、残ったものがあなた自身なのです。これからの時代は今までの国家、会社、家庭は崩壊していくでしょう。動産も不動産も現金も価値を変えて行くでしょう。崩壊したり価値を変えていくものを仲介にして存在していた人間関係も消滅していくでしょう。最終的にはあなただけで存在するしかないし、あなた自身に属する人間関係のみが残るのです。架空の存在は消滅し、実在するもののみが残るのです。

６、実在するものと、約束に基づいて存在することを仮定したものとを明確に区別しておかなければなりません。

　存在を仮定したものには消滅もありうるのです。これからも約束事に基づく仮定的関係、立場、というものは新たな装いを纏い続々と登場してくることでしょう。崩壊し、再生するのはこれらのものです。そしてそれらの崩壊によってあなたが消滅するわけではないのです。それでも私達は生きていかなければならないのです。ですからこの破壊と再生のときにあたり徒に明日を思い悩むことなく、自分自身を充実させ、実在の人間関係を築かなければなりません。自分自身が充実しており、確かな人間関係を築いている人には世の中がどれ程混乱し、あやふやになっても今日一日を楽しく生きることができるでしょう。

　日本では古来より鏡をご神体として祀っていました。カガミからガ（我）をとればカミになります。カミにガが入った状態が鏡に映る私達の姿なのです。取りあえずの約束事に基づく仮定的関係は、私達の我が作り出したものです。自分たちに（つまり作る人達に）便利な様に。これらを全く無視してはこの世の中には存在できません。ただ、この事実を直視し、その上で行動してほしいのです。私達は実在し、仮定的関係は作り替え可能なのです。仮定的関係に縛られていると考えや行動が不必要に抑制され、発展的になれません。
　さて、先ほどいいましたように、今年は三、五、六、九、十二月と五回に渡って「開運」セミナーを行う予定です。この開運というのは、今まで述べた考えに基づき、考え方や行動の自由を取り戻し、生き生きと本来自分に備わった能力を発揮していくことを目指しています。仮定的関係を見極め、その制度システムを理解した上で、自分自身どのようにその制度やシステムを利用して本来の自分を損なうことなく本領発揮ができるか。ま、といっても実際に御自分で実行できる簡単で身近なものにしたいと考えていますけれどもね。有る程度の成果を挙げたいと考えています。

　この訳の分からない楽しい時代を思いっきり楽しんで生きていきましょうね。