第4章 トラム、地下鉄で街歩き |
ブダペストの街は、トラム、地下鉄、バスなどの交通網が充実しています。トラム、地下鉄、バスは市営交通局によって運営されていて、共通に使える1日券、3日券、7日券など便利なキップがあります。更に、キップと比べると倍以上の価格になってしまいますが、多くの美術館や博物館が無料になるブダペストカードもあります。このブダペストカードを持って、さあ、街歩きです。 |
*ブダペストの地下鉄 世界で一番最初の地下鉄が開通したのはロンドンです。これは割と知られているようですが、では2番目はどこか? ほとんど知られていないのではないでしょうか。ニューヨークでもパリでもありません。ここブダペストです。その世界で2番目に歴史ある地下鉄を、予期せぬことから全線乗車してきました。 |
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MOBO101 All rights reserved |
ブダペストの地下鉄は3路線あります。そのうちの1号線(M1)が1896年、世界で2番目に開通した地下鉄です。ハンガリー建国1000年を記念して作られました。1995年に開通100年を記念し、開通当時の姿に復元されています。開通当時のハンガリー王であるハプスブルク帝国の皇帝・フランツ・ヨーゼフの名前をとって、フランツ・ヨーゼフ線とも呼ばれます。路線の大部分は、町の中心と英雄広場を一直線で結ぶ大通り、アンドラーシ通りの下を走っています。通りの地下鉄入口から階段を下りていくと、あれ? すぐに乗り場です。極めて浅いところ、道路のすぐ下を地下鉄が走っています。地下鉄にふたをしただけで道路があるという感じです。トンネルの天井が随分低いです。走っている電車が、これまたコンパクト。短い車両です。確か3両編成。車両は通り抜けは出来ません。車両の端は壁になっていてそこが座席になっています。車両の端の席に座ると、もう一方の端が近いです。1号線(M1)は、こんなふうに、とても特異な感じでしたが、2号線(M2)、3号線(M3)は、普通のサイズで、日本の地下鉄と変わるものではありませんでした。 1号線(M1)の写真を撮りたかったのですが、暗すぎて私には写せませんでした。左の写真は、撮影者のモボ101さんの許可をえて転載しているものです。こちらをクリックすると更に大きな写真で見ることが出来ます。 |
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英雄広場 この時、訪れた英雄広場は工事中でした。 観光客もいませんでした。 写真は1999年に撮影したものです。 |
地下鉄1号線を英雄広場でおりて、 さあ、これから市民公園にある交通博物館へ向かいます。 |
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市民公園 |
*花嫁さんから突然「こんにちは」 |
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市民公園では、2組も結婚式直後というカップルにあってしまいました。その2組目、花嫁さんとすれ違うとき突然、「こんにちは」と声をかけられました。こちらがビックリ! どう見てもこちらの人です。そういえば、さっき、ハッピーな車(左の写真)がありました。スズキの車です。スズキはハンガリーに進出しています(工場があるのかな)。花嫁さんは、その関係で日本語のあいさつが出来たのでしょうか。思いもよらぬことで、驚きました。思わず写真も撮ってしまいました。(でも、あげたくてもあげられない。極々わずかでも、どなたかから連絡が来る可能性を期待しつつ、連絡先はこちらです) |
*てくてく、てくてく、交通博物館はまだかいな。 |
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交通博物館 |
交通博物館は、英雄広場から見ると、一番遠いところにあります。それなりの広さのある市民公園ですが、ヴァイダフニヤド城などを見ながら、公園内を歩いて行けばいいやと思いました。地図ではそんな距離ではないと思っていたのですが、それが、なかなか着きません。普段なら疲れない距離なんだけど・・・・・・ 連日歩き過ぎたのか、つまらないし、途中で歩くのがいやになってきてしまいました。帰りは絶対にバスだ。と言っても行き着かないことには・・・・・・ とにかく、ガンバレ、ガンバレ。 |
*これはビデオじゃない! |
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やっと着いた交通博物館。 料金を払えばカメラでもビデオでも撮影することが出来るようです。そこで、カメラでの撮影料を払おうとすると、係のおばちゃんは、ビデオでの値段はこっちだ、と言います。これは、カメラです。ビデオの値段はこっちだ。う・・・・・ん。なんとしてもカメラだとわかってくれません。一眼レフで、それなりのレンズを付けたものなので、ちょっと立派な感じ。おばちゃんにはカメラだとは思えなかったようです。(でも、どう見てもカメラなんですけどね) 割高のビデオの料金を払うのも釈然としません。どうしたものか・・・・・・ フィルムが入っているので、裏ぶたを開けて見せるわけにはいきません。思案のあげく、レンズを外して見せました。おぉ、これで納得。カメラでの撮影許可書を胸につけて入館です。 |
*このバスはどこへ行くの? |
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交通博物館も一通り回りました。町の中心に戻りましょう。少し歩き疲れましたので、帰りはバスに乗ることに。まず、バスでセーチェニ温泉へ、そこから地下鉄1号線で町の中心へ。この路線のバスは、トロリーバスです。ブダペストではトラム、地下鉄、城バス、ケーブルカーなど色々な乗り物に乗りましたが、トロリーバスは初めてです。 乗り場で待っていると、バスがやって来ました。逆方向です。あれれ、そう、道路は右側通行でした。反対側で待っていなければならなかったのです。少し疲れ気味。車も通らなかったので、すっかり勘違いしていました。反対側のバス停で待っていると、ほどなくバスが来ました。目的の方向です。降りるところを間違えないように。バスは予定通り、目的地へ向かっています。と、あれれ、立体交差のようなところを右手に大きくそれていきます。迂回していくのかな?? そうこうしているうちに、目的の方向からはどんどんずれて、閑静な住宅街に入っていきました。これはやばい。間違えて乗ってしまったようです。このまま行くと遭難してしまう(??) 某ガイドブックでは、乗った停留所から、セーチェニ温泉へは、線がひとつあるだけで、分岐がないのです。だから来たバスに乗れば方向さえ逆でなければOKと乗ったのですが・・・・・・ 終点まで行って戻ってくるか・・・・ いやいやどこまで行くかわからない。適当に降りて反対向きのバスに乗ろう。バスを降りると、間もなく、反対向きのバスが走ってきました。行く先は、メキシコなんとか、と読めます。メキシコ・・・・・ メキシコ何某は地下鉄の駅だ! 少なくとも駅の近くには行く。これだ!これに乗ろう。ガイドブックを見ると、このメキシコ何某は地下鉄1号線の一方の端(終点/始点)のようです。さほど乗車している間もなく、みんなが降りるところに。ここだよな? という感じで降りたところが、メキシコ何某駅でした。しかも地下鉄の入口近くです。やれやれ、ここで地下鉄に乗れば町の中心に戻れます。始発駅なので、好きなところに座れます。車両は通り抜けが出来ず壁になっていますが、そこの座席に座って、ふぅ・・・・・・。 あとで調べたところ、このメキシコ何某は、メキシコイ・ウートといいます。メキシコイ・ウートを出た地下鉄は、セーチェニ温泉、英雄広場、コダーイ記念博物館、リスト記念博物館、オペラ座、聖イシュトバーン大聖堂といった有名どころの近くを通り終点のヴァロシュマルティ・テールに至ります。ヴァロシュマルティ・テール駅を出ると、そこは有名なカフェ、ジェルボーのところでした。結果的に歴史ある地下鉄1号線に全線乗車となりました。 |
*世界一美しいと言われるマクドナルド |
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エッフェル塔を設計した会社が造った美しいブダペスト西駅に隣接して、世界一美しいと言われているマクドナルドがあります。ここはかつて西駅の食堂だったそうです。どんなに美しいのかと思っていきましたが、由緒ある建物に、内部の照明に特徴があるようです。夜はこの照明が、かなり豪華に感じるのではないでしょうか。 |
*とっても違ったアイスコーヒー |
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毎日とても良い天気で、といよりも、あまりにも暑く、街歩きはとにかくのどが渇きます。上のマクドナルドでも飲み物だけでしたが、くさり橋とエルジェーベト橋の間のドナウ川沿いの遊歩道、ドナウコルゾーでも、メニューを見るなり迷わず、アイスコーヒー! これで、のどがいやされるぞ。 しばらくすると、アイスクリームのコーン型の容器に入ったアイスコーヒーが運ばれてきました。生クリームにチョコレートを刻んだものがのっています。ストローで吸うと少しコーヒーが味わえますが、少し変です。生クリームを食べると、きっとその下はコーヒーでしょう。が、生クリームの下はアイスクリームでした。これも食べると、砕いた氷があらわれて、一番下にコーヒーです。まとめると、下から順に、コーヒー、砕いた氷、アイスクリーム、生クリーム、刻みチョコレートと、とっても違ったアイスコーヒーでした。結局これではのどの渇きはいやせませんでした。 |
*不思議な王冠 |
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自由橋を渡るトラム (ゲッレールト温泉側、1999年撮影) |
ハンガリーの国章、国旗とならぶ国家的象徴に、王冠があります。王冠は運命の気まぐれのままに、色々な国に渡ったり、色々な場所に隠されたりしたそうです。今は、国会議事堂内に展示されているとのことですが、1978年、当時のアメリカの大統領、カーター大統領の決定で、アメリカから戻ってきたそうです。この王冠のことは、在日ハンガリー大使館のホームページに詳しく書かれていますが、一番上にのっている十字架が何故か左に傾いています。意味があってのことなのでしょうか? 非常に気になってしまいました。在日ハンガリー大使館のホームページも書かれていません。どなたか知っている人がいたら、教えていただけるとうれしいのですが。。。(連絡先はこちらです) この王冠を表したものが自由橋に飾られています。もちろん十字架は傾いています。(だから意味があってなのでしょうね) この自由橋、立派なのも当然で、建国1000年を記念して造られたもので、フランツ・ヨーゼフ皇帝がリベットを打つハンマーのボタンを押したそうで、当初はフランツ・ヨーゼフ橋と呼ばれていたそうです。そして、この自由橋のひとつ上流にかかるのが、彼の妃の名を冠したエルジェーベト橋です。その更に上流の橋がくさり橋です。 |
見どころが多いブダペスト、まだまだ歩き回りたいところですが、そろそろ次の目的地ウィーンへ。ブダペストからウィーンへは、鉄道で向かいます。 えっ! 列車は、この駅から出るのじゃないの? またまた、予期しない事態が発生です。 その前に、少しだけトカイワインの話におつきあい下さい。 |
第4章 トラム、地下鉄で街歩き