■アミバ様の求める北斗神拳■ |
「おれの求める北斗神拳はまだ遠い!!」
名台詞である。
だが、アミバ様の求める北斗神拳とはいったいなんなのだろうか。鍵となる台詞が幾つかある。
「おれには強い男が必要だ!あらゆる実験にたえうる木人形がな」
「おれの手で北斗神拳は生まれかわるのだ!!」
「どうやらおれが求める究極の北斗神拳が完成の時を迎えたようだな!!」
「時代が医学より暴力を必要としているだけのことだ!!」
「北斗神拳の本来の道はまさに殺人道であることを!!」
「人体にはまだまだ神秘が隠されている。それには犠牲が必要なのだ!!」
「おれの手で北斗神拳はより強靭になり、恐怖の拳となる!!」
「これがアミバ流北斗神拳!」
つまり、北斗神拳の歴代伝承者は進化させようとしていない。進化の可能性があるのに…だ。そんな保守的な拳法を自分の手でより完璧なものにしようとしたのである。
「北斗神拳の本来の道はまさに殺人道である」と説いたアミバ様。
その証拠に正統伝承者であるケンシロウは殺さなくてもいい人を大量に殺している。
まさに殺人道である。
▲ケンにもっとも理不尽な殺され方をしたアル氏。【特集はこちら】
どう偽善的に取り繕っても殺人道であるのは真実だ。事実治療活動に専念していたトキはともかく、ラオウ、ジャギ、また亜流ではあるがバランも殺人道を歩んでいる。野盗が平気で蔓延っている時代、身を守る術として北斗神拳、つまり暴力が必要なのは言うまでもない。生き残った男達のほとんどが一般人でも筋肉隆々なのはその為である。まことにもって理にかなった解釈である。
人体の神秘は永遠のテーマである。医学の進歩にも犠牲を必要としてきた。暗示だけでも人体のパワーは飛躍的に伸び、緊急時にのみ発揮する火事場のバカ力はまさに北斗神拳の真髄である。敏捷力や腕力を強化する秘孔が見つかれば、労働にも大きな役割を果たすことができる。つまりアミバ様の野望は人間の真の力を伸ばし、社会全体のレベルを上げていこうという壮大なものだったのだ。その上で治療活動など地道な努力も怠らなかった。
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