台北旅行 その2

平成14年12月5日〜8日

九イ分にて

12月7日

午前8時半からやっている飲茶の店に行く。
兄弟大飯店の2階にある梅花聴と言う店。



豚肉の豆鼓蒸、海苔巻蒲鉾?、イカ団子とグリーンピース、小龍包、鱶鰭団子、海老団子、蒸カステラ、揚げ餃子(と言うか、揚げ餅の中に肉の餡が入っている)、大根糯、芋糯、胡麻団子、米粥、亀ゼリー。

客が少ない為か、怠慢な為か、ワゴンが一回しか来なかった上に、注文した亀ゼリーが中々来なくて、更に1時間も待たされる。美味い事は美味いのだが、こういう所はどうかと思う。

ホテルの前で流しのタクシーを拾い、故宮博物館へと向う。
タクシーの運転席の脇に、百合の花が活けてあったのには驚いたが、それよりも液晶テレビで日本のドラマ(木村拓也のヒーロー)を見ていたのには驚いた。しかも吹き替え無しの中国語字幕 。頼むから前を見て運転してくれ。

ボラレる事も無く、無事に到着。時間を決めて別れて各自で見ることに。



甲骨文字と青銅器、それに書は見てもあまりわからなかったので、陶器と宝物(細工品)がメインになる。といって、知識があるわけも無いので、細工の細かさを見て楽しむくらいだった。
日本人観光客も多いのだが、展示してある陶器を見ながら「見て見て、これってほとんどラーメンの丼」と言っていた2人連れの姉ちゃんや、書の説明書きを読みながら「へぇー、元の時代ねぇ。ところで元って何年くらい前だったっけ?」と言っていたおっちゃんには参ってしまう。一体何をしに故宮博物館まで来ているのやら。

細工物は凄いものが多かった。特に象牙細工は、WTMがかすんで見えるくらいに細かい彫刻が行われていた。直径5mmの竹の弁当箱を模した細工や、絹糸の様に細い網で作られた鳥篭とかは、ずっと見続けていても飽きない物であった。出来ればその細工物を細工した道具が残っていれば、それも展示して欲しいものである。

一度集合して、4階の喫茶店でお茶を飲む。ここの棗餡の月餅とブルーベリー饅頭は美味しかった。日本と違って、中国の月餅の餡には、脂が多く入っていて美味しい。

再び個々に別れて見学。
特別展示で日本の漆器をやっていた。先ほどの象牙細工ほどまで行かなかったが、細かい細工が見られて、日本の技術も捨てたものではないと自信を回復する。
また、故宮博物館にも関わらず清時代の軍制に関する展示もあり、台湾の微妙な政治情勢を垣間見る。

午後2時半に集合して、街に戻る。
美味しんぼで有名な「仏跳墻」を食おうという事で、坦々麺で有名な店に行く。
店はくだけた感じの店で、そんな豪華料理を食べさせる様な店ではない。坦々麺人数分と1壷300NTの仏跳墻を1つ頼んだのだが、何やら他に注文を聞いてくる。余りにしつこくて言葉も通じなかったので、成り行きで日式山芋と葱の和え物を注文。

坦々麺は、麺が日本の蒸麺そのものでがっくりと来る。
山芋には日本ののり玉フリカケがかかっている。奇怪だったがそれなりに美味しかった。葱もニンニクの味がしっかりとしていて美味い。しかし肝心の仏跳墻がいけなかった。



美味しんぼに出てきたイメージからすると、「澄んだ」スープなのだが、ここで出てきたのはドロドロのごった煮。一応鱶鰭も入っているのだが、他に里芋、百合根、豚肉、鶏肉、ニンニク、棗、クコの実等が入っており、味もごちゃごちゃして良くわからない。これでは坊さんも飛んでこない。それに自分の椀には入っていなかったが、豚肉が臭くてやたらと気になったとの事。矢張り高価なものはそれなりの店で食べなければならない。

腹ごなしも済んだので、タクシーを拾って工芸博物館に向う。
上海でも北京でも、原価に近い値段で工芸品を売る店があり、それなりに安くて良いものが手に入ったのでわざわざ寄ってみたのだが、台北のそれは余りよろしくなかった。値段等は底そこ安いのだが、品物が北京や上海に並んでいるものと余り変わらないのである。これでは台湾に来た意味が無い。もう少し質の高い物を並べて欲しいものである。

30分ほどで店を出て、本屋街へと向う。途中の伍中行でカラスミを物色。一腹500NT(2000円)の物を自分用に購入する。

本屋街で大きな本屋を3軒ほど回ったが、初日に立ち寄った漫画専門店や、二日目の和製エロDVDを置いていた店のようなマニアックな店は見つからず。電気街に行った方が良かったのかもしれないと後悔する。
またホテル付近の登山用品店にも寄る。何か安いものが無いかと物色したが、輸入品は日本と差ほど変らない。韓国直輸入の、登山用のコンロにカセットコンロ用ボンベを繋げるキット(もちろん自己責任)を見つけたが、以前に名古屋の支部長が、こいつで火達磨になりかけたのを見ていたので購入は諦める。代わりに可愛らしい灯油ランタンがあったので、これを1000円ほどで購入する。


午後7時にホテルに集合。昨日と同じ地下道を北に歩いて、昨日の晩に北京ダックを食べにいった店に近い場所にある、樺慶川菜餐聴(聴には广が付く。「廳」一応あるじゃん、でも変換が面倒なので聴で書く)と言う四川料理の店に行く。







千切り硬豆腐の和え物、胡瓜の漬物、棒々鶏、麻婆豆腐、麻婆茄子、豚バラ千切り炒め、豚腸葱詰め揚、揚げパン、チンゲン菜と袋茸の炒め物(というか煮物)、ほうれん草と貝柱のスープ、そしてデザートに杏仁豆腐と蜜柑。
5人で2200NTくらいだった。

とにかく辛い。麻婆茄子はそれほどでもなかったが、麻婆豆腐は辛かった。

そしてこの辛さで止めを刺されたのか、社長が体調を崩してダウンする。一度ホテルに戻って病身の社長を部屋に残し、残った時間で駅前の百貨店を見に行く。が、ここでも本屋にはまって、閉 店の10時まで本を見ていた。それから百貨店前の広場でやっていた夜店で、M谷さんとO矢さんがまたお茶の購入交渉を始めてしまったので、20分ほど辺りを見て回る。その後、近くのパソコンのパーツ屋に行き、一通り値段をチェック。しかし日本と余り変らなかったので何も買わず。


お茶を味見する2人

パーツ屋も午後10時半には閉まってしまったので、ホテルへ撤退。部屋に戻ると、社長が風呂場で倒れこんでいた。かなり酷いらしい。仕方が無いのでこちら側の部屋に集合して作戦会議。帰りの飛行機まで時間も余り無いと言うことで、朝飯を食った後で適時買物と言う事で落ち着く。

12時前に就寝。今夜も下着。



12月8日

飯どころで無い社長を一人ホテルに残して朝飯を食いに出かけたのだが、自分も体調を崩していたらしく、食べても吐きそうだったので、地下鉄の駅で一人引き帰して部屋で寝る。

午前10時頃、何とか起き上がり、執念で念願の電気街へと向う。
格安違法コピーアニメDVDを手に入れるまでは日本に帰れないと、病に冒された体を奮い立たせて向かったのだが、電気街の入り口辺りで骨董市をやっており、こちらに捕まってしまう。


左:電気街の入り口辺り、右:骨董市

日本の骨董市とあまり変らない品揃えだが、よくよく見ると旧日本軍の軍刀があったりと面白い。ぐい飲みを集めているので、そこら辺を中心に物色。一つ100NT(400円)ほどのものを7つと、1100NT(4400円)のものを1つ購入。今思うと、もう一つ1000NT(4000円)くらいの猪口を買っておけば良かったと後悔するが、もう遅い。前の北京でのモーゼル銃床の二の舞である。

集合時間も迫って来たので、後ろ髪を引かれながらもホテルへと帰り、荷物の整理をしてチェックアウト。
時間通りに迎えの人が来て、バスでお決まりの免税品店へ向かう。社長まで酷くは無いが、こちらもこてんぱんにやられていたので、バスの中では嘔吐を考慮してビニール袋を用意しておく。

馬鹿高の免税店では何も買わず、近くの公園でやっていた青空市場で時間を潰し、またバスに乗って空港へ。
この頃にはどうにか嘔吐感は収まったものの腹は減らず、両替等を済ませた後に余った小銭でジュースを飲んだのが、結局、台湾最後の食事になってしまった。勿体無い話である。矢張り健康は何よりだ。

帰りの便も定刻通りに離陸し、すぐに夕食。チキンを頼むと中華料理が出てきて、少し満足する。

成田空港にほぼ定刻に到着。こちらはここから大阪まで帰らなければならないので、先にお暇して東京駅へ向う。
午後9時16分の快速に間に合い、そのまま午後11時発の寝台急行銀河に乗って大阪へ。 久しぶりの寝台車で嬉しかったが、時間も遅いので、はしゃいでもいられない。カーテンを閉めて浴衣に着替えて横になる。翌朝からは、またあのくだらない仕事が待っているかと思うと嫌になったが、疲れが溜まっていたのか、程なく寝付いてしまう。
こうして慌しい台湾旅行は幕を閉じたのであった。





総括
台湾と言うと屋台料理。台湾に行ったら屋台で食いまくるぞと気合を入れていたのだが、3泊4日だと8回しか無い食事に、屋台料理の入る隙間は無かった。九粉の商店街で食った、臭豆腐と芋饅頭と、出来立てのパイナップルケーキ、そして龍山寺の夜市で食った怪しい腸詰だけで終わってしまった。もう2、3泊していれば、一回くらい「夜市の屋台で夕飯」という事も出来たのかもしれない。台湾にはもう2回くらいは行ってみたいものである。

それからお茶。最近流行っている茶芸というのをやってみたが、何とも良いものである。木柵や猫空にも行って見たいものだ。


とにかく、3泊4日だけでは、台北だけでも物足りない。せめて1週間くらいはのんびりしたいものである。今はそういう金も時間もないだろうが、まあ、何とかなる日も来るだろう。


土産の顛末
・パイナップルケーキ
10個80NT(320円)の安物を買ったのだが、それ相応に不味かった。ケチるものではない。

・カラスミ
一腹500NT(2000円)と奮発したつもりだったのだが、これもあまり美味いとは思えなかった。もう少し奮発しないと駄目なのか。


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