美濃・尾張攻略記 その1

平成10年 3月19日〜23日


最後の春休みということで、最近名字が変わって
めでたく、十六代目山城屋=チルソニア=文佐衛門を襲名した
相棒(本人はそう思ってなんかいないけど)といっしょに、
美濃・尾張を攻略してきました。


○3月19日
23時54分の大垣夜行に乗るために、8時前に家をでて新宿へ。
何とか間に合ってさくらやでフィルムを購入。
そこらの店を回って集合の10時半まで時間をつぶそうとするも、
次々に閉まってゆく店々。
おもちゃ館は20時40分、パソコン館は9時、
大人の本屋、ブックスローランも午後9時半で閉まってしまう。
仕方なく山の手線を池袋経由で品川へ。
それでも22時10分には品川についてしまったので、
駅のホームで、さっき買ったかるま龍狼の単行本を
ノーカバーで読みつつ相棒の到着を待つ。

22時30分、時間に違わず、相棒登場。
今回は2人だけの旅になる。
さぞかし、また喧嘩することになるだろうと、この時思う。

相棒がジュースを買いに行っているうちに、
たまたま隣にいた一人旅の大学生と話をする。
旅行経験豊富で、インドや中東にもよく行くらしい。
あまつさえイスラエルに行ったときには、
取材に来ていた、世界不思議発見の竹内海奈江(字、合ってたっけ)ちゃんを
見たことがあるらしい。
うらやましいというほかない。

23時20分、入線。
この後も相棒と大学生と3人して、1時半ごろまで駄弁っていた。

日付が変わる頃、雨になる。
今回の遠征の行く先を暗示しているかのようだった。


○3月20日

大垣から乗り換えて関ヶ原。
雨。大雨。
これだから行いの悪い人間を相棒に持つのはいやである。(笑)

今日の予定は、関ヶ原を半日かけてぐるっと周り、
午後は大垣と墨俣を落とす予定だった。

ちょっときついかな、とも思ったけど、駅前のレンタルサイクル屋で
荷物を預かってくれることがわかったので、
荷物を預けて地図をもらって、
傘一本で関ヶ原へと向かう。

史跡遊歩道ぞいに、駅の北側に向かうと、円山という東軍の陣地跡に出る。
竹中重門だか誰だかが居たらしいか、よく覚えていない。
霧で視界が悪く、何もみえなかったが、晴れていればさぞかし
奇麗に関ヶ原が一望できたに違いない。
5分ばかり休んで、笹尾山へ向かう。

途中、一面の田圃の中に、「関ヶ原古戦場 決戦の地]
という碑が建っていたので記念撮影。
東海道本線の走っているあたりから、笹尾山にかけて、
なだらかな傾斜になっている。
これなら緒戦で東軍側が苦戦したのもわかるような気がする。
しばらくすると、笹尾山に到着。



馬防柵と旗と、それらしくこさえてある。
ちょっとした小山になっており、
晴れていればさぞかし奇麗に関ヶ原が一望できていたに違いない。
誰かの行いの所為で、このような結果になってしまったことは
実に残念でならない。

笹尾山から南西に下って天満山へ。
2つある天満山の周辺には、島津や小西、宇喜田といった
有名所の陣地跡が固まっている。
時間がなかったので、天満山は通り過ぎるだけにする。

そこから北西にダムを渡って、大谷吉継の陣地跡&墓を見に行く。
陣地跡の表示はかなりいいかげんぽいのでご注意を。

墓の場所から折り返して国道を渡り、不破関資料館で休憩と雨宿り。
親切な資料館のおばさんがストーブをつけてくれたので、
ずぶぬれになった衣類や靴を乾かす。
ここまでですでに7キロ近く歩いていたので、しばらくたたずむ。
20分ぐらい休憩した後、暇つぶしに見ていた資料に、
不破関の土塁跡が残っていると書いてあったので、
急遽、土塁跡を見に行く。

不破関



やたらトラックの多い国道21号線と、東海道本線を渡ると、
なるほど、土塁らしいものが残っていた。
ということで一城攻略(笑)。

松尾山(松尾山城)



次に、ある意味関ヶ原のメインディッシュと言えなくもない松尾山を
どうするか考えたが、
雨も小降りになってきたので、とりあえず行けるところまで行こう、
ということで松尾山に突入。
遊歩道としてかなり整備された道がついていたので、
麓から25分ほどであっさり攻略。
松尾山は、信長と浅井長政との戦いのとき、
浅井側の防衛拠点として利用され、
落城後は不破光治がしばらくの間在城し、近江平定後は廃城となっていた。
それが関ヶ原の戦いの時、小早川秀秋がここを陣所としたのであり、
本来は城である。
そのため山頂には、郭、土塁、堀がかなり残っている。
特に土塁は、最近になって修復されたのかもしれないが
奇麗に残っている。
眺めは(晴れていれば)かなり良い。(霧でほとんど見えなかったけど)
井戸も残っていたが、もっとも大きな郭には、道が悪くて行けなかった。
縄張りは、小じんまりとしたもので、
小早川1万5千の部隊は、一部だけが松尾山に登り、
残りのほとんどが山麓の斜面に布陣していたのではないだろうかと
勝手に推測してみたりする。

昼も過ぎ、腹も減ってきたので山を下りて駅へ。
途中、福島正則や藤堂高虎などの東軍陣地を見ながら行く。
駅の近くに肉屋を見つける。
昼飯は大垣についてからということになったので、
腹ごなしに飛騨牛コロッケというのを買う。120円なり。
腹が減っていたせいか、まことに美味。
この肉屋、変な肉を売っており、猪・鴨肉はもちろん、
ダチョウ肉にワニ肉といったものまで売っていた。

駅に着いたのが1300時。
730時から延々5時間近く歩いていた。
晴れていたなら自転車で快適に行けただろうに。悔やまれる。
レンタルサイクル屋で荷物を受け取り、JRで大垣へ。

大垣駅から大垣城に行く途中、喫茶店に入って遅い昼食。
ミニ味噌カツ丼定食550円を食べる。
茶碗ほどの味噌カツ丼にうどんがついている。
うどんの汁は関西風だったように思う。(記憶あいまい)

大垣城



大垣駅から徒歩10分ほど。
天守閣と本丸の一部の石垣が、街並みに浮かぶ浮島のようにそびえている。
天守閣は空襲で焼け落ちてしまい、現在はコンクリート製。
石垣も、そのほとんどは大垣市街地と化してしまう。
二の丸跡付近に、旧家を利用した(門だけだけど)資料館があるので
行ってみる。
それほどでもなかった。

大垣城から5分ほどのバス停でバスを待ち、
岐阜流通センター行きのバスに乗って墨俣へ。

墨俣城



バス停を降り、長良川沿いに北へ徒歩15分ほど。
日本三大偽城の一つ、墨俣城につく。
場所は合っているらしいが、金ぴかの8階建てコンクリート製天守閣は
土建屋さん中心の地方行政の特性を良く表している。
天守閣からの眺めは良く、広大な濃尾平野が良く見渡せ、
北の方には金華山が見渡せた。

バスで岐阜駅まで出て名古屋へ。
あまりに疲れていたので、たまたま来た特急に乗ってみたら、
改札は来なかった。

ホテルに荷物を置き、近くの昭和食堂という居酒屋で飲んで食う。
と、名古屋在住のAさんがおごってくれるという。
ので、Aさんについていく。
マドンナという店に行く。
6500円ほどで酒とゲームに参加できて、
ゲーム中に気に入った娘が見つかれば、プラス1万円で別室へ。
6500円の入場料分おごってもらう。
A本さん、ありがとうございます。
乳が奇麗で経験豊富そうなマキちゃんとバリュームのある
カンナちゃんとで悩み、カンナちゃんを指名。
…マキちゃんにしとけばよかった。

相棒は、…(自主検閲)…
…という鬼畜なことをしていたらしい。
どうも他人の趣味はわからない。


○3月21日
6時に起床。昨日買っておいたパンを食べ、6時半出発。
7時名古屋発。犬山、明智で乗り換えて兼山駅下車。

金山城



兼山駅から徒歩2分ほどで、城山児童公園(跡?)。
その公園の裏から出ている登山道を登って20分ほど。
可成、長可、蘭丸と立て続けに不運な森氏の居城。
郭、石垣が程々残っている。
この兼山駅からの登り口は実は搦め手で、
大手は一つ手前の兼山口駅を下車して東に、そして南に出ると
大手からの登り口に出る。
南には城主斎藤正義を謀殺した土岐氏の久々利城が
遠くに見える(見えたと思う)。



兼山口駅に向かう途中、可成餅とかいう餅を売っている店があった。
普通の大福だった。

兼山口駅から犬山へ。
犬山城に向かう途中、駄菓子屋を発見。
こち亀に出てきそうな駄菓子屋だった。
店の奥の方には、結構貴重なガンダムのポスターがあったり、
店の前には現役の空手道があったりした。
とりあえずカレー煎餅とラスク、チョコ棒を買って食う。
(昔駄菓子をあまり食わなかったけど)懐かしい味がした。

犬山城



近鉄犬山駅から徒歩15分ほど。最寄り駅は別にある。
最近まで個人所有だった有名な城。
確かに敷地内に元所有者の家が入っていたりする。
建物よし、眺めよしで文句無し。
360度開けた景色の中では、
木曽川の向かい側には伊木城、そのはるか向こうには岐阜城が望まれる。
近世城郭はあまり好かんけど、ここは結構気に入った。

犬山駅まで戻って、近鉄で岐阜へ。
駅前でバスを待つ間、バス停の側に味噌煮込みうどん屋があったので
昼食に。
麺はもちろん手打ちのきし麺。海老天入りで750円なり。
相変わらずの濃い味付けだったけど、ほどほど食えて良かった。

腹ごなしも済み、バスに乗って一路金華山へ。
さすがに麓から歩いて登るような真似はせずに
素直にロープウェーで山頂へ。

岐阜城



4年ぶりくらいの岐阜城。
外装一新。しばらく見ない間に金ぴかになっていた。
しかし、名物「しゃちほこ」は健在。なんとも嬉しい。
さらには爆笑忍者スペースが拡張されていた。
眺めは最高で、濃尾平野が一望に見渡せる。
備え付けの双眼鏡で墨俣城を探すと、かろうじて確認できた。

せっかく岐阜城に登ったので、下山するついでに
付属の七砦のうちの6つを攻略する。
15時半に岐阜城を出発して、一砦30分のペースで、
上加納砦、相場山砦、瑞竜寺砦、権現山砦、稲葉山砦、稲荷山砦の順に回った。



左上から上加納砦、稲葉山砦、瑞竜寺砦が2つの順。



左上から相場山砦が2つ、稲荷山砦、権現山砦の順。

最後の稲荷山砦を回った頃には、足元がかなり暗くなっていたので
結構危なかった。
一通り回って、大体4、5キロ歩いた。

岐阜から名古屋に帰って、焼き肉を食う。
程々安かったけど、店員の数が少なくて、サービスは最低だった。


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