Date: Mon, 11 Nov 1996 14:19:05 +0900
From: "Yasuo Y. SUZUKI"
Subject: [climbing 4229] [free] Fontainebleau

鈴木です.  昨日の夜に「世界の遺産」という番組でフォンテーヌブロー
の景色を見ることが出来ました.  それに触発されて, 我々の旅行の記
録を書いてみました.  これから行く方の参考になればと思います.  

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フォンテンブローのボルダリング(1996年10月)

まず日本にいる間にCOSIROCのホームページでFontainebleauのことを調べまし
たが, ボルダリングできる場所について, いまひとつイメージが湧いてきませ
んでした.  アクセスもよくわからず、わからないことだらけで, 出発するこ
とになりました.  一応むかしフォンテンブローのお城やバルビゾンの村には
観光で行ったことはあったのですが, 岩はぜんぜん見ませんでした.  パリの
人は, 車でアクセスするらしい.  電車の駅から徒歩で簡単にアクセスできる
サイトは限られているみたいです.  そこで我々は電車+レンタサイクルを移動
手段に選びました.  幸いフランス国鉄にはTrain et Veloというプログラムが
あり, 駅でレンタサイクルをやっているらしい.

とりあえずパリのAu vieux campeurでガイドブック[2](104F)とIGNの1:25,000
地図[3]を入手.  いくつか本がありましたが, トポと言えるようなのものは青
い本[2]だけでした.  地図[3]にはボルダリングサイトが赤い山でマークされ
ています.  これらの情報でみるとCosirocのホームページ以上にサイトがある
ことがわかります.  せっかく自転車を使うのだからあまり駅
(Fontainebleau-Avon)に近くないところで, 自転車で1時間以内で行けそうな
ところ, サーキットの選択が豊富なところ, あまり難しくないルートがあると
ころ, を考えることにします.  ApremontとFranchardで迷いましたが, 最終的
にパーキングのまわりにたくさんのサーキットが広がるApremontに決めました.
ここだとガイドブックにいくつかのサーキットの詳しいトポが載っています.

Fontainbleau-Avonへ行く郊外電車(Banlieu)は, パリのGare de Lyonから出て
います.  Chamonixへ行く時Grenobleから帰ってきた時に使ったおなじみの駅
です.  9時か9時半のに乗ろうと思いましたが, チケット売り場の場所でまご
つき9時27分の電車をタッチの差で乗り逃がしてしまいました.  TGVをはじめ
とする長距離列車の切符は, 日本の緑の窓口に対応する, 地下鉄のレベルにあ
る窓口にならんで買いましたが, 郊外電車(Banlieu)専用のチケット売り場は
地上のみにあります.  9時半までは30分おきにあった電車もそれ移行は約1時
間おきになってしまうことが判明.  駅のカフェで朝食を取りつつ待つことに
なりました.

無事10時33分の電車に乗り, 1時間弱でFontainbleau-Avonの駅に到着.  駅で
VTT(マウンテンバイク)を借ります.  パリで調べたところによると駅からちょっ
と歩いたところにある自転車屋でもレンタサイクルをやっているらしい.  こ
こでトラブル発生.  VISAカードがない! リヨン駅で焦っていたので切符を買っ
たときに, 受けとらなかったらしい. Fontainebleau-Avon駅のinfomationで
Gare de Lyon駅に連絡を取ってもらう.  待つこと10分.  めでたく切符売場で
保管されていることが判明し, 帰りに受けとれば良いとのこと.  ふー, また
一段とフランス語が上達してしまった(^^; ここで帰りの電車の時刻をチェッ
クして, トイレをすませておく.  この駅ではトイレを使用するのに, 2フラ
ン硬貨が必要です.  (グルノーブルの駅のトイレも同様です)

というわけでFontainebleau-Avonの駅を自転車で出発したのは, お昼過ぎになっ
てしまいました.  駅からメインの道に出て宮殿の方向に向かいます.  しばら
くしてメイン道路から外れて, 森の中の静かな道をバルビゾン方面へと快適な
サイクリング.  途中で国道幹線道路を渡るところでちょっと緊張しますが, い
よいよフォンテンブローの森の中に入ると, うっそうとした森の中を走って行
くと所々に駐車場があり, その奥に岩が見え隠れする.  そうかあ, こういう
ところにボルダリングエリアがあるんだ, とここに来てやっと納得.  ここは
昔海の底だったそうで, 砂地に大岩がごろごろしています.  

さあやっとトポに出ている駐車場に到着.  ゆっくり地図を確認しながらサイ
クリングして駅から1時間弱でした.  自転車を木に括りつけてロックして, 見
渡すともうそこに最初のサーキットの出発地点の印, Dの文字が.  ちょっと
登ってみる.  これは黄色のPD(peu difficile)なので, 簡単だ.  ここで日
本から持参したカロリーメイトとウィダーエネルギーインで昼食.

あちこちの岩の上に人がいるのが見える.  ときどき大きな叫び声が聞こえる.
墜落しているらしい.

食後にハイキングコース(平地)を300mほどあるいて, おめあてのオレンジ
(Aseez Difficile)の出発地点を捜しあてる.  うーん, こっちは出だしから結
構難しい.  最初の幾つかをやってみたが, なかなか一発では登れない.  落ち
ても砂地なので, 着地は大丈夫なところが多いが, 後ろに岩があったりするの
で, 補助がいないと危険なところも多い.  結構高いところもでてきたので, 
これが我々に丁度良いレベルであることは間違いないが, そろそろ旅の疲れも
出てきているし, いろいろあって時間もあまりないので, もとの黄色のサーキッ
トに戻ることにする.  こっちはほとんど一発で決まる.  岩が小さくてちょっ
とつまらないが, 中にはカッコいいムーブがある.  スラブあり, ちょっとし
た前傾や, レイバックもあって楽しい.  最後はたいていマントリングになる
ので, 家内にはちょっとつらかったかもしれない.

最初は勝手がわからず, いちいち荷物を動かしながら登っていましたが, 岩の
回りをぐるぐる回る羽目になるので, 荷物は一か処にまとめておいて, 10回に
一回ぐらいのわりで動かせば良いようです.  一番いいのは車で来て食糧など
は駐車場に置いておいて身軽でサーキットをして必要があれば戻るというパター
ンではないでしょうか.  サイクリングも捨て難いですが.  また下が砂なので, 
出発のときに下に敷くものがあると良いでしょう.  また, それ以外に靴を拭
くぞうきんがあると良いと思います.

サーキットは半分ほどしか終えることはできなかったけれど, 駅のレンタサイ
クル屋が6時までしか開いていないので, 帰路につくことにする.  フォンテン
ブローの森の中のサイクリングは最高だ.  とくにこの紅葉の時期は美しい.
自転車だと車の通行禁止の道をたどることができます.  しかし帰路は通勤時
間にさしかかったので国道(自動車が100km/hぐらいで走っている)を横切るの
にずいぶん待つ羽目になりました.  最後は駅の周辺も交通量が多くなって, 
自動車に気を使ってのサイクリングでした.

日本に帰ってから, もうひとつ別のフォンテンブローについてのホームページ
[4]を発見しました.

[1] http://www.cosiroc.org/
[2] M. Schulman, et al, le COSIROC, "Fontainebleau -escalades et 
randonnees", Arthaud, Paris 1986. (ISBN 2-7003-0550-7) 
[3] Institute Geographique National, Foret de Fontainebleau, 2417OT.
[4] http://www.oslonett.no/sp/fjell/climbing/areas/france/bleau.html
(This URL is not found now)
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		鈴木 康夫

写真は 鈴木さんのフォンテンブローのページ をご覧下さい(ちょっと重いかもしれません)。
[Copyright (c) 1996 by Yasuo Suzuki]