From: kawai
Newsgroups: fj.rec.outdoor
Subject: Deer in Tanzawa
Date: 27 Dec 1995 02:20:07 GMT

河合と申します。
古い話しなのですが、1月ほど前に動物関係のボランティアに参加しました。
以下の記事を climbingML に流したところ、MLのメンバーから
皆さんに広く知ってもらったらという話しが出ましたので、
こちらにも投稿させていただきます。
丹沢にて鹿の密猟の罠を外すという催しです。

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参加者は約70人。大半は動物好きな学生さんでした。
土曜日の夕方からユーシンロッジに入って、夕食後には
獣医の学校の先生から鹿の分布や生態、歴史的ないきさつなんかに
ついてレクチャーがあったりして、物知りになりました。その後は宴会。

ちなみにくくり罠というのは、針金やワイヤーを輪にして
鹿の通り道にぶら下げておくと、鹿が首を突っ込んで抜けられなくなる
というもので、20年ほど前に堰堤の工事の人たちが仕掛けたものが
今でも残っているのだそうです。

翌日は8時過ぎにユーシンを出発。全体を5班に分けて出動。
我々は丹沢山〜蛭ヶ岳稜線南側の沢周辺を捜索しました。
途中川原で落葉を食べる六頭くらいの群を観察したりしながら、
ガレや植林の中を獣道を中心に、昼食をはさんで4〜5時間の
作業をしました。気分は宝探し。
この催しは今年で10回めだそうで、もう残っていないのでは
ないかという主催者の話しもあったのですが、実際には今年も
23個の罠が発見、外されました。通算では700個以上が
外されたそうです。白骨死体も10体ほど発見されました。

私は別に動物好きな方ではないのですが、普段なかなかできない
経験ができて面白かったなと思いました。いろいろ動物や
植物について教えてもらったりもできました。
ただ個人的には鹿の問題よりも、植生が破壊していることの方が
深刻なんじゃないかなって気もしますけど。
鹿と植物の共存だけをとっても問題は複雑なんだそうです。

今後は鹿の生息数をカウントしたりする調査があるらしいです。
山慣れした人が必要らしいので、皆さんも良かったら参加してみませんか。
ではまた。

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主催者その他肝心なことを失念してしまいました。
日本野鳥の会や西丹沢自然教室が関わっていたはずです。
関係の方からのフォローをお待ちしています。

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          河合直樹
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