この駅舎は大阪方面からの伊勢神宮への参詣者のために建設されました。外壁はテラコッタで繊細に飾られ、内部のコンコースは広々として二階までの吹き抜けがあり、伊勢神宮へのアプローチにふさわしい荘重でゆったりとした駅舎ですが、団体待合室や食堂など、多数の参詣客に対応できる機能的な設計もされています。美しさと機能性が両立した好例といえるでしょう。

宇治山田駅の前年に、一畑電鉄の出雲大社前駅が建てられています。こちらも凝った設計で、もしかすると、多少の対抗意識も手伝って、優れた駅舎が建てられたのかも知れません。