ためいき数え唄    

                                         (1989)
    赤い髪留めはずしては  ためいきひとつ
    乱れてかかる長い髪  ためいきふたつ
    後ろ姿を見ていたら  ふと振り向いて
    笑顔に白い歯こぼれた  みっつ  よっつ
    ゆううつ雲を飛ばすには  あまりに淡い
    会えないあした思っては  ためいき  いつつ
    手紙書く手をふと止めて  ためいきむっつ
    窓を鏡に見つめては  ためいきななつ
    かすれた声のさようなら  そっとうつむいて
    初めてふれた長い指  やっつ  ここのつ
    ほんの小さなできごとに心はゆれて
    かすかなしあわせ感じたら  ためいき  とお


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