オンリー・ブルー  ――遠い日の少女に―― 

                                         (2003)
  白い麦わら帽子  顔を隠して
  いつもの通り道  走り抜けたの
  人にぶつかりかけて  元気な子だと
  笑われたあの朝  何かが変わったの
  あの女(ひと)は優しい大人で  憎むなんてできない
  夏の恋は淡く消えて  オンリー・ブルー
  誰も知らない
  にがいくらいきついミント  オンリー・ブルー
  涙ぐんだの
  いつも大好きだった  水玉リボンの
  青いワンピースも今年でさよなら
  とてもお似合いだった二人が私に
  向けた同じ笑顔  きれいすぎて切ない 
  カモメたちの群れにまぎれ  ひとり空を行きたい
  夏の夢を追いかけても  オンリー・ブルー  
  白いヴァニラの
  ちぎれ曇は空にとけて  オンリー・ブルー
  どこへ行ったの
  夏のひとはまぶしすぎて  オンリー・ブルー
  忘れられない
  閉じたノート  書き残したオンリー・ブルー
  最後のページに


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