再び羽ばたく日のために  

                                         (2002)
  静かな午後の青空  テーブルの上にひとつ
  置き忘れたままの古い花瓶  斜めに影をひいて
  心はいつも時を旅し  見果てぬ夢の中をさまよう
  かすかなため息よ  いつか歌になれ
  この今を時に刻むため
  故郷の風よ今日も  雑踏の中に吹くか
  人の喜び人の悲しみ  ひとしく分かつように
  なつかしき街今は遠く  東の風に便りを求める
  はるかな思い出よ  我と共にあれ
  この街に生きて行くために
  暮れゆく空の彼方  それより明日は遠く
  朝の青空はまぶしすぎて  心を浮かべるすべもなく
  旅を続ける鳥のように  羽を休める場所を夢みる
  ひそかな憧れよ  憂いをぬぐい去れ
  再び羽ばたく日のために


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