風雪  ――Stray System Engineer―― 

                                         (2004)
  まぶしい朝日の中 互いの道へ消えた
  わずかにうなずき合い 言葉は途切れ
  季節がめぐるたびに出会いと別れを経て
  かすかに胸をよぎる想いは何
  すべては時の流れの中に それでもここに留まっていた
  いくつもの問いといくつかの答え
 てのひらに握りしめ
  放浪の行く末も 朦朧の顛末も
  紫煙の中にまぎれ 誰が知るのか
  独り言は快調 夜になれば快速
  もの忘れの多さがひとつ気がかり 
  いつしか風の向きが変われば 崩れ去ると百も承知で
  溜息は風に泣き顔は闇に  
  まぎらわしどこへ行く
  帰り道をいつでも夜空の星が守り
  ときには朝の風が額を冷ます
  ひとつ山を越えれば新たな山が見える
 つわものに安らぎを しばしの間
  やがては星のめぐりの如く ひとりふたり消えて行くけど
 遠からずきっとどこかで出会う
 狭すぎる空の下


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