時の流れと東山(シンリンオオカミ)

2008/1/18に亡くなった東山動物園シンリンオオカミの「ハイル」の一周忌ということで、懐かしい「昔のオオカミ舎」の動画を編集してたのですが・・・、30分近い映像からシーンをピックアップするのってかなり大変で :Dm
やっと完成しました(完成してから記事にするまでも遅いわけですが :xm )

記憶がはっきりしないけど、色々調べておそらく2000年から2001年にかけての冬頃だったはず・・・の東山動物園です。

東山動物園 シンリンオオカミの懐かし映像

昔を知ってるオオカミ好きには、かなりたまらない映像だと思います。
ちょっと変な音楽が入ってるのは愛嬌ってことで。

ガブはちょっと自信がなかったのだけど(当時は動物の愛称なんてほとんど公開されてなかったから)、立ち方(首の傾きとか)、毛並み(ハイルはツルリ、ハイランはボサボサ)、そしてハイランのポッコリお腹とスリスリを見て確信。間違いなく右の斜面に居るのは、ハイル&ハイランです。
うーん、右は三頭のように思ってたけど、どう見ても二頭だなぁ。左のケージと合わせて、計四頭です。(去年の記事で5頭とか書いてた・・・)
クロが甘えん坊な性格だった(年長さんなのに)のも記憶違いでした。晩年、別ケージにされていたのは、黒い姉妹 :Dm と争うと負けちゃうことが予想されたからなんでしょう。

さて、ハイルのことですが、去年はイヌ科コーナーでまとめると言いつつ、そのままズルズルと放ったらかしになってしまっていました。
ここに、自分の知っている範囲での事の顛末を書いてみます。

2006/(時期不明)
 … ジャック♂、ハイル♀&ハイラン♀と同居。クロ♀は左のケージで別居。

2006/10
 … 飼育員さんが「この二頭が夫婦です」と言ってたペアの写真をよく見ると、♀の方はハイル。ハイランは少し引いた立ち位置で、犬用ソーセージも貰えず。

2006/11/17
 … クロ死亡(老衰?) 11/5には何故か一番左の小さなケージに隔離されていた。こんなときに限って、写真を撮ってない :(m あ、鼻の先だけ写ってる・・・

2007/1/下旬
 … ジャックがハイランに恋のアタックをかけたとの情報あり。ただし、交尾まで至らなかった模様(当時ジャックは2歳未満だったし)。警備員さんの交尾目撃情報もあったけど、今思えば、マウンティングだけだったのでは?

2007/2/3~
 … ハイランを追いかけてたはずのジャック、ハイルとのペア行動を見せる(というか、元に戻る?)。この頃から、ジャックが執拗にハイランを追い払うようになる。ハイランの後足に噛み傷。ハイランが発情期の争いに負けたことは明らかなのに、恋敵であるはずのハイルとハイランは普段通り。
この時のジャックは表情が読めなくて怖かった。
ジャックは、自分とハイルがアルファであることを誇示したかったのか。ハイランは、若いジャックのことを認めたくなくて意地になっていたような感じ。
この攻撃は二週間以上続いたんじゃないかと思う。3月に入って、ハイランがジャックに対して服従の挨拶(口舐め)をするようになってようやく収まった。

2007/9
 … 三頭とも落ち着いた感じ。ジャックとハイルはペアを維持(一緒にマーキングとか)

2007/12/23
 … 恋のシーズン到来。ハイルとハイランは互いには争わず(仲良く寝そべったりもしている)、それぞれにジャックに激しく求愛。ジャック大困惑。ハイル&ジャック
幸せそうなハイル (2007/12/23)
ジャックの優柔不断さが招いた事態かと思ってたけれど、思い返せば、上下関係がはっきりしない姉妹に挟まれて大変だったろう、ジャック。
実は、上の動画の最後のシーン、姉妹に同時に求愛されてジャックが困り果ててるところです。

2008/1/13
 … そして、事態が急変。
ハイル
(2008/1/13) 鼻声でジャックを呼ぶハイル
動画でも様子が窺えるように、ハイルとハイランは(一応、ハイルがジャックとペアになっていたけれど)自分たちの気持ちの上ではほぼ同格。互いに譲らなかったのか、激しく争ったようです。
普段快活だった分、ハイルの方が老化が進んでたのか・・・?
ハイルが一方的にやられたようで、あちこち肉が見えるほどの怪我を負っていました。
こんな状態になっても激しくジャックに求愛を続けるハイル。
傷口は塞がっていたので大丈夫だろうと安心してW○Fのキャンペーン映画なんぞを見に行ってしまった自分、アホすぎる。
大丈夫そうに見えたのは、命を削ってまでの求愛だったわけです。

ジャック&ハイラン
ジャックの愛を勝ち取ったはずのハイランの方もかなり消耗したのか、ジャックの誘いにも反応を見せず。
皮肉なことに、この年も繁殖は成功しなかったのです。

この数日後、2008/1/18に、ハイルは亡くなりました。

動物たちの行動を人間の価値観に照らし合わせて評価するのは意味の無いことだと思います。
ハイルもハイランも、そしてジャックも、オオカミらしい生き方を見せてくれたわけです。
残念なのは、これだけのオオカミたちの生き様に、ほとんど誰も関心を持っていないことです。
(特に、カメラ持ってフラついてる人たちは何を見てんだー :xm )
目玉動物と赤ちゃんだけが動物園の魅力・・・のままであり続けるようではダメだと思います。
動物園も、入園者も意識を変えていかないとね。

さて、ソニアとアオイの記事で四頭の同居に期待するような書き方をしましたが、現実的には・・・、ハイルの例や旭山のハチの件を出さずとも、難しいかもしれないと予想されます。
今、ジャックとハイランはけっこう、意気投合してます。
あまり悪い方向には考えたくないですが、オオカミ舎改築の絡みで無粋な介入が無ければいいのにな、と思います。

ハチの件で、どうにも不思議なのは、「何故、発情期の♀二頭(+♂)を飼育員が管理できない時間帯にケージで一緒にしていたのか」ということ。
オオカミ舎の寝室の構造って、日本平、とくしまでは一頭ずつになっていることは確認済。王子、天王寺も扉で分けられる仕組みのようだし、東山も少なくとも2グループには分けられるはず。多摩は古い建物で、寝室一つっぽいけれど、♂♀一頭ずつのペアからスタートした家族だから、トラブルはなさそう・・・。
で、最新設備である旭山が個体を分けて管理できないようではまずいですよね。

ともかく、あれから一年。天国のハイルに、ハイランの元気な姿を報告。
ハイラン
(2009/1/25) これが「ハイラン立ち」
8年前の全盛時代と変わらないしっかりした立ちっぷりにひと安心。

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