フロリダ放浪編


Date; Jan/15-17/1997
Place; Orlando
# of Fish; ***
Max size; *** cm


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 釣りの話を期待してきた人、帰って下さい。かわいそうな男の話を聞きたい人だけ読み進んでね。

Jan 15th 1997
 アディオス、コスタリッカ!とコスタリカの首都サンホセ国際空港(といっても横浜駅の方がよっぽど立派・・)を飛び立ち2時間半もするとそこはビキニのおねーちゃんがわんさかのマイアミ。ありゃ、雨降ってら。まあいいやと思いつつオーランド行きの国内線に乗り換えようと荷物をとりにいくもロッドケースが出てこない。あれ?
こわごわ荷物係のおにーさんに「Do you know my rod case?」と尋ねたら
「Are you Chinese?」ときかれたので
「Non, I'm Japanese.」と答えたら
「That.」と指さす方向をみたらすみの方に置いてありました。
しかし、この会話はなんだったのでしょうか?ナニジンかってなんの意味があるのでしょうか??気を取り直してオーランド行きの乗り場に行こうとしたら、ゲート変更の知らせが。新しいゲートに移って待つこと30分、もう離陸予定時刻15分前なのに乗り込みが開始されない。ついに予定時刻が来ても・・、と思っていたらゲートが次の飛行機の名前に、「やばい!」と思ってカウンターに聞きにいくとなにかトラブッていてまたゲートが変わるそうな。待つこと1時間、本来のオーランド到着予定時刻(5時)になってようやく離陸、オーランドに着いたらもう6時じゃないですか。しかし、40分しかかからないところの待ち時間が1時間以上とは・・、飛行機もむちゃくちゃ揺れるし(ジェットコースター並に楽しめました)。飛行機の窓から見えてきたのは、Basserのあこがれの地、ディズニーの国「オーランド」。さすがオーランドです、そこらじゅう湖や池だらけ、しかし降りしきる雨。ゲートを出ると「xx旅行」の旗を持った日本人が、もしやあれは雑誌の広告でみる「フロリダバスツアー」をやってる会社では?すると機内にいた数人の日本人はもしや・・。いろいろ説明受けてていいなー、こちとら独りでまだガイドも決まってねーんだぞ(ガイド探しは、アメリカのネット友達とかに頼っていろいろやったのですが結局決まりませんでした。協力して下さった方々には心から感謝します)。荷物を受け取り(また、ロッドケースは横のドアから出てきました。どうもそういうものらしいです)シャトルバス乗り場に向かっていたら、「Oh! Tom look! He is a fisherman. Hey you! I have good warms. Look this.」といきなりハンバーガーとコークが似合いそうなアメリカ人がバックの中から紙コップを取り出しおがくずの中から「りんたろう」の2倍はありそうなみみずを見せびらかす。さすがアメリカ、さすがオーランドである。シャトルバスでホテルに着いたときにはもう8時を回っていました。いそいで、部屋に荷物を置いてロビーに舞い戻って、フィッシングガイドの広告をさがす。ありました、二つだけ。片方はKissimmeeが中心のガイドでちょっと遠い、もう一個はLake Tohopekaligaもいってくれるそうな。こっちに決定!と思い覚悟を決めて電話するも(英語で電話で話すのって勇気がいりますよね?)「現在おかけになった電話は・・」といった感じのアナウンスが・・。フロントのおねーちゃんに「かかんないんだけど?」といって(もちろん英語で)確かめてもらったらあっさりかかった。「16日はもう予約が入ってて17日は空いている。」とのことだったので17日の朝6時にホテルの駐車場で待ち合わせ、料金は1日$175+お迎え料が$20+ベイト代が$80(ベイト代は英語が通じなくて断り切れませんでした)に決定。取りあえずこれで安心して眠れます。明日はショッピングにしよっと。

Jan 16th 1997
 今朝まで降っていた雨もやっと上がって、「うーん今日が釣りだったらびしょぬれだったな、ラッキーラッキー」と思いつつ、雨上がりの午後のフロリダを買い物がてらの散歩です。さすがフロリダ、雨が上がって晴れ間が出てきたらTシャツ(アメリカではT'sとかく)でもへーきなぐらいのぽかぽか陽気。釣り具屋を探しながらおみやげやをはしごしつつディズニーワールドへと向かう。おみやげ屋のほとんどはT's屋、どうもおみやげのメインはこれらしい。ミッキー、ミニー、ドナルド、グフィー・・・、スペースシャトル、ビキニのねーちゃん、にーちゃん、わに、かえる、さめ、イルカ、マリーン・・・、バスはどこじゃーバスは。ここは聖地ではないのか?と思うぐらいおみやげにバスはいない、ついでに釣り具屋もない。似たような品揃えのおみやげ屋を10件以上はしごしてやっといくつかバスまたは釣り関係の気に入ったT'sや小物を手に入れた。しかし、釣り具屋は見つからず。そして、ディズニーマニアのかたへ(某すだっちです)のおみやげを探しにディズニービレッジに到着。すごいですねーさすがアメリカ、見渡す限りディズニーですよ。子どもやディズニーマニアにはたまらない場所でしょうな、わたしはマニアではないので「バッシングをしている、ミッキーのT's」でもないかな?とか思いつつ歩いていると。 なんと釣り関係の看板を発見!と思ったら斜線で消してスケートリンクと書いてありました。いくらT'sで歩き回っていても1月なのね、冬なのねって感じです。とりあえず、おみやげはゲットしました。
しかし、ディズニーワールドでみた釣り関係のものはショウウインドーに飾ってあったバンブーロッドとヘドンのオールドルアーだけ。はたしてここは「バスマンの聖地」なのか?ホテルに戻ってテレビで天気予報を見て(アメリカって便利ですよね。24時間、天気予報だけやってるチャンネルがあるんだから)明日が晴れのことを確認して眠りにつく。


Jan 17th 1997
 タックルの調整を終え、「バスボートで激走するから」と思いマウンテンジャケットを着込んで約束の6時にホテルの玄関を出ると、駐車場のバスボートをつないであるオフ車から歩み寄ってくる人影が。ガイドのJamieである。
「Hi! My name is Kiyotaka Nagaki. Just call me Kiyo.」
「Hi, I'm Jamie.」
一通りの挨拶をかわしたあとにJamieが「Sorry.」
Sorryとはなんじゃい?
「Sorry, a cold storm coming to FL today.」
そういえばむちゃくちゃ寒いな、日本を出てきたときのかっこでも寒いぞ(天気予報では気温はFで表示されるから、全然わかんなかった)。
「Today is not FL. Too cold, too windy. Fishing is bad in this condition......」
どうもオーランド一帯は平地で(ほーんと山なんてどこにもない、まっ平ら)風が吹くと湖上のバスボートは一溜まりもないそうな、印旛沼みたいなもんである(Jamieは印旛沼とは言ってなかったけど)。
「Kiyo, do you usually enjoy bassing with bass boat?」
「No, I usually enjoy bassing on a float tube. Du you know float tube?」
「Yes.」
釣り人のたわいもない会話を交わした後、かれは「天候ばかりはどうにもならない。俺もせっかくベイトを用意したのに残念だ。もしまたフロリダに来ることがあったら声をかけてくれ。」といって車に向かった。さすがプロである、危険にはむやみに立ち向かわない。そんな彼が判断したんだ、今回はあきらめるしかない。
「Hey, Jamie! Do you know Fishing tackle shop around here?」
こうなったらバスグッズだけでも買わなくてはと思い 尋ねてみると。
「Wall mart.」
「How long?」
「Ten minutes by car.」
「Thanks! See you again!」
「Good luck!」そう言って彼は去っていった(あまりのショックで彼の写真をとり忘れてしまった)。
 ホテルで2時間ほど寝なおしたあと、バーガーキングで朝食を済ませ($3で済むからね)一路「Wall mart」へと向かった。車で10分なら歩いてもすぐでしょ。またおみやげ屋をはしごしながら(このへんのおみやげ屋の品揃えは俺が一番知ってるな)、Jamieに教わった道を歩いていく。 さすがフロリダだね至る所に池や湖がある。しかし、これが誰かの持ち池かもしれないのでこわくて手が出せない。少なくともフィッシングライセンスが必要なのだ、フロリダで釣りをするには。そのライセンスも「Wall mart」に売ってるらしいので、急がねば。
一時間ぐらい歩いただろうか?「まだかよ?10分だろ10分?コスタリカ時間じゃあるまいし・・」コンビニでお客が買い物をしているのを待っているタクシーがいたので
「Do you know Fishing tackle shop around here?」と聞いてみると
「....」
「I heard 'Wall mart' is the closest shop.」
「Wall mart? May be.. The shop is six miles ahead.」
「Six miles?」
「Yes.」
「Thank you.」
おいおい、6マイルってあーた、10 km近くあるじゃないの。もう一時間も歩いたんだよ、10分でしょ10分。寒くて耳がちぎれそうだよ。タクシーを拾おうにもタクシーが通らない。おみやげ屋も見あたらなくなってきた。歩いてるヤツなんて他にだれもいない、ただ映画やテレビで見たアメリカのカントリーロードを車が走りすぎて行くだけである。「Country road take me home..」「One hundred miles, one hundred mines...」いくつもの歌が頭の中を通り過ぎてゆく。そして最後に頭の中を回りだした曲は「旅人よ、アコースティックバージョン」もう気分は猿岩石である。もうだめだ、タクシーに乗ろうと思ってガソリンスタンド兼雑貨屋みたいな店のおやじに
「I want to take a TAXI. How can I do it?」
「May I take a taxi?」
「By the way, do you know 'Wall mart'?」
「Two miles ahead.」
「Two miles? Okay, I will go walk.」
本当に2マイルなんだろうな?と思ってしばらく歩いたところにあったみやげ物屋兼雑貨屋で「パワーバー」(どうもわたしはこれ好きになれません、ねちょねちょして)をかって
「Do you know 'Wall mart'?」
「One mile ahead.」
どうやら本当らしい。しかし、これだけ誰もが知ってるとはでかい釣り具屋なのか?みんなが釣り好きなのか?まあ、釣り具の他にT'sやバスの小物もあるってJamieが言ってたから、でっかい店なんでしょう、きっと。 おや?200mも歩かないうちに「Bass & Co」ってのがあるじゃん!と思ったらただのブティックでした。どうもこの辺一帯の町の名前が「Bass」と言うらしい・・。この禁断症状が出てるときに何てまぎらわしい、JAROに訴えてやる!そして、1マイル歩いて見えてきた「Wall mart」はただのホームセンター、神奈川県流に言えば「ダイクマ」です。「おいおい、Jamie話が違うよー、僕が想像してたのはプロショップだよ。こりゃたしかになんでもあるわ・・・。」と思いつつなかに入ってみると、ミンコタやロッドが並んで想像以上の品揃え。とはいっても日本の釣り具屋より全然少ないです。Jamieはいつもこんなところで買ってるの?がっかりしながらも日本で売ってなさそうなものをさがしてみると「Quantium MICRO」4.8フィートのぺにょんぺにょんのスピニングロッド、こいつはギル釣りに最高!買いですね($9)。ポケットロッド&リールなんてのもあったけど、日本で見たことあるような気もするし、きっと使わないような気もしたので、買うのやめ($28.99)。こんなもんかよと思いながら店内をうろついていると、店の片隅のエアブラシで描かれたナンバープレートコーナーにバスものを発見!(こっちの車って後ろにしかナンバーが無くて、日本車に乗ってる人は前の部分に好きなデザインのナンバープレートをつけているのです)。そして、そのそばの壁にはエアブラシで書かれた絵とともに値段が書いてある。どうもT'sにエアブラシで絵が書いてもらえるらしい。「これだ!」と思って、絵柄を見渡すとありましたよバスもの。その中から気に入ったものを選んでさっそく注文(T's $4.95 x 4 + $13 x 2 + $14 + $15, 絵柄によって値段が違います)。
職人のおじさんが一枚一枚エアブラシで描いてくれます。オーダーメードだから名前まで入れられます。「バス好きなのかい?4枚も頼んでくれたから、サービスでフロントに名前入れてやるよ。」くぅー、何ていいおっさんなんだろう。待つこと40分、できました世界に1枚しかない(似たヤツはいっぱいだけど)名前入りのスペシャルバスT's。どうも、オリジナル絵柄も交渉すればできるそうな。こんど日本からオーダーして「Kiyo's world returns!」のオリジナルエアブラシT'sでも作ろうかな?でも、1枚$50ぐらいになったりして・・・。


 そんなこんなで、2週間にわたる僕のコスタリッカ&フロリダ遠征は終わりです。「釣りは偶然の落とし子」「釣り師の言葉に現在進行形はない」開高健さんの言葉をそのまま現実にしたような旅でした。最後にむちゃくちゃかっこいいT'sが手に入れられたのがせめてものすくいです。いつかまた機会があったら、コスタリッカのターポン&マリーン、フロリダのバスに挑戦してみたいっす。どちらも、もっとゆとりを持った日程を組んだ方がいいようですね。なにせ「釣りは偶然の落とし子」ですから。

Good luck!

P.S. 最後まで読んでくれたみなさんに、感謝感謝!


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