SL登山鉄道


ブリエンツ湖畔にある木彫りで有名なブリエンツの町から
ロートホルンの頂上近くの頂上駅まで
SLで運行しているブリエンツ・ロートホルン鉄道に乗ってきました。




頂上駅近くの眺め


−ブリエンツ・ロートホルン鉄道(BRB)−

ブリエンツ・ロートホルン鉄道は
ブリエンツの町の始発駅(標高566m)から
ロートホルン(標高2350m)の頂上近く(頂上駅は2245m)まで
7.6kmを約50分かけて登っていきます。
終点の展望台からはユングフラウ山群とブリエンツ湖が見渡せます。
ここはスイスで唯一、SL(蒸気機関車)が定期運行されています。
(6月1日から10月の最終日曜日までで冬期は運休です)
一般に、スイスでは100%電化されていると言われますが、
実は、このロートホルン・ブリエンツ鉄道だけは唯一電化されていません。
第一次世界大戦(第二次ではなく第一次)の影響で客足が止まって
休業しているうちに近代化に乗り遅れてしまったそうですが
そのうち逆に希少価値で脚光を浴びるようになったそうです。
(SL運転が縁だからでしょうか)
静岡県の大井川鉄道とは姉妹鉄道だそうです。




スイス国鉄のブリエンツ駅に
飾ってあったSL

さて、ここのSLは横から見ると、
かなり前のめりに傾いています。
急勾配区間でボイラーが
水平になるようになっているのですが、
平坦なところでは何とも妙です。
(左の写真から前のめりになっているのが
 わかるでしょうか。坂道になるとボディが
 水平になります)

最大勾配は250パーミル
(1000メートル進むと250メートル、
すなわち4メートル進むと1メートル登る)と、
かなりの急勾配です。
もちろんアプト式です。



ブリエンツ駅で
出発を待つ12号機

急勾配の登山鉄道では、
万が一連結器がはずれた場合を考慮して、
客車を引っ張るのではなく、
押し上げる形で運行します。

SLの燃料は、ベルギー炭を粉状にしてから
固めた高純度のもので、そのために煙が少ない
ということです。
ただ、すべてが石炭というわけではなく、
左の写真の12号機は新鋭機で、
軽油専燃式ということです。
また、ここにはディーゼル機関車も何両かあります。
(SLに乗りたくても運が悪いとディーゼルになって
 しまうかも。幸い、乗ったのは往復とも左の写真の
 12号機の列車でした)

SLというと、シュッ、シュッ、ポッポ、シュッ、シュッ、ポッポ、
というイメージがありますが、
乗った感じでは、かなり大きな音で
バタバタバタバタという感じでした。
動輪を駆動している方式やアプト式だったりという違いからでしょうか。

時速は約8kmだそうです。
スピードとしては駆け足程度でも、どんどん登っていくという感じです。







しばらく行くとブリエンツ湖を見下ろすようになってきます。
(湖に船が見えます。ブリエンツ号でしょうか)





最初は森の中を行くという感じですが
高度を増すと、草原になって見晴らしも良くなります。
カウ・ベルを付けた牛も放牧されています。







途中、信号所で給水作業やすれ違いがあります。

降りてくる列車を待っている間に、牛が線路の中に入ってきてしまい、
車掌さんが追い出すという一幕もありました。



上の方から列車が2つ
下りてくるのが見えます。




登山鉄道では、短い編成で
続行運転されます。








こちらの列車も、
後ろに続行列車が続いています。
ディーゼル機関車が押し上げているようです。





下の写真は、終点に近いあたりでの車窓からの眺めです。



写真ではわかりづらいですが、
アイガー、メンヒ、ユングフラウといった、有名な山々も
(少々遠目で上の方だけですが)見えます。


終点の駅には標高2245mと書いてありました。
駅周辺は見晴らしがよく、下の写真のように
ユングフラウ山群とブリエンツ湖が見渡せます。






駅のあたりにライブカメラがあるようです。
冬期は別の方向を向いていますが、
春から秋にかけては、上の写真のように
ブリエンツ湖が見える方向を映しています。
ライブカメラの場所は
http://www.topin.ch/ch/rothorn/default.asp
です。
ブリエンツ・ロートホルン鉄道の時刻表や、
この地方の観光案内へもリンクしています。



頂上駅に止まっているいくつもの列車達













7号蒸気機関車の置物です。
本物のように前傾はしていません。



偶然にも本物の7号機と
すれ違いました。



ロートホルン・ブリエンツ鉄道は冬期は運休ですが、
この間、関係者は何をしているのでしょうか?
情報をご存じの方は教えていただけないでしょうか。
mailto:to4shima@mb.infoweb.ne.jp


**********2000年2月6日追加情報**********
上の問いかけに、
夏の期間、ブリエンツ・ロートホルン鉄道のオフィスに駐在している
という方よりメールをいただきました。
SLがクローズしている期間、鉄道スタッフたちは現地および
ヨーロッパ内でのプロモーション活動をしているそうです。
SBB(スイス国鉄)や別の町のホテルなどで働いているスタッフも
いるそうです。また、大井川鉄道とブリエンツ・ロートホルン鉄道の姉妹鉄道
関係は20年以上におよび、その発展から大井川鉄道のスタート地点の
静岡県榛原郡金谷町とブリエンツが姉妹都市になったそうです。
***
下りの最終SLが下りてから夕焼けが始まるそうで、
アイガー、ブリエンツ湖に映える夕日は最高だそうです。
朝は遠くルツェルンのピラトス山方面から日が昇るそうです。
山頂のロートホルン・クルムホテルは
白木作りの清潔な山小屋ホテルといことです。
(情報、ありがとうございます。 是非、宿泊してみたいです。)
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ブリエンツの情報はこちらです。
Website der Region Brienz
http://www.brienz.ch/


(1999年6月11日追加)
ブリエンツ・ロートホルン鉄道のホームページがあります。
BRIENZ ROTHORN BAHN - Wo das Berner Oberland Dampf macht.
http://www.brienz-rothorn-bahn.ch/




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