| 「終わった……。俺の長かった約半月が……」 「うむ、ご苦労。後はつかもと印刷が大量に印刷してくれることだろう」 「これで数日間は美味しいシャバの空気が吸えるってもんだ」 「でも、すぐにこみパが来るやろ。んで、また来月には次のこみパが来るんやから」
わかっちゃいるけど、毎月毎月ハードスケジュールだよな。
「描いても描いてもこみパが来て、売っても売ってもこみパが来る。……うむ、これは正に」 「石を延々と積み続けるアレと同じやな」 「あぁ……ある意味無間地獄だよなぁ」 「しかし、そんな地獄に嬉々として飛び込む我が同志であった」 「ウチらは合掌するしかないのであった」 「ヘンな解説もどきを入れるな。ってえか、由宇も地獄に片足……どころか全身ドップリ浸かってるだろうが」 「アホやなぁ。ウチほどの実力になったら地獄なんて生ぬるいわ」 「ほぅ、まい兄弟にその秘訣を教えて欲しいものだが」
由宇だって、先月も今月も徹夜続きで原稿上げてただろ。 秘訣も何もないと思うんだけど。
「同人作家に締め切りを守らせるなんて不可能! 必要なのは厳しい現実を栄養ドリンクと共に何度も何度も笑いながら突き進む根性のみや!」 「そうか。限界を迎えれば迎えるほど、次の限界までの体力が増えてゆくのか! さすがは同志由宇!」 「……役にたたねえ秘訣だな。ってえか、慣れって怖いな」
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