得意な魔法は…

得意な魔法は…
著・とち

「けんたろっ、今日こそ、あたしが一人で晩ごはんつくるよっ」
昨日、冷しゃぶで失敗した割には自身満々で話すスフィー……すこし不安だが……
「なに? その不安そうな顔は、だいじょうぶ、だいじょうぶっ」
鼻歌を歌いながら冷蔵庫を覗き込むスフィー、
何を作る気なのかは知らないが、やたらと楽しそうな触覚を見ながら待つことにした……
まぁ、昨晩、あれだけ教えてやったんだ……なんとかなるだろう……
  ・
  ・
  ・
という考えが、はちみつシロップより甘いことが、よ〜く、よ〜くっわかったのは数分後……。
 「スフィー、これ、なんだ?」
 「えぇっと…、わからない……(汗)」
なんか、昨日より……まぁ、食べ物かなっ?? っていう形にはなってきただけ成長してるが、
………しかし、今日は、こいつ、……冷蔵庫の中身、全部使いやがったな……
 「スフィー、晩飯抜きっ!!」
 「えぇぇぇぇっ!! ……でも、けんたろも食べるものないよっ(邪笑)」
たしかに……、
しょうがない、また「HONEYBEE」にでも行くか……
ま、リアンに会えるという楽しみもあるし……
おっと、その前に、これから行くって電話しとくか……
  ・
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  ・
 「結花っ、あたし、ホットケーキっ」
 「わかってるよ、スフィーちゃんっ♪」(どどどんっ)
…と、ホットケーキの山をテーブルに置く結花、
 「おいしぃぃぃぃぃっ♪」
もちろん、ここに来るときは、事前に電話予約が必要になる…(苦笑)
さて、目の前のスフィーが大人しくなったところで…オレもゆっくり飯が食えるワケだ…

 「ごめ〜ん、ちょっと手伝って〜っ」
 「わかりました、結花さんっ」
厨房の方で結花とリアンの声がした、まぁ、晩飯時なだけあって、忙しい時間なのだろう、
と、その瞬間、厨房の中からまばゆい光が……どっかで見たことのある光……
そうだ、スフィーが店の手伝いをするとき、魔法を使うと、確かこんな感じだったような……
ということは、リアンが魔法を使ったということか……
 「はい、おまたせっ」
少しすると結花とリアンがトレイ一杯の料理を持って出てくる……
 「これ、リアンが作ったの?」
 「はい…、な、なにか…?」
 「結花、お前、リアンに魔法使わせて……」
 「忙しいときは、ちょっと手伝ってもらってるのよ…お父さんには内緒だけど…」
リアンが魔法で作ってくれた料理を食べてみる……
うまいっ、
 「健太郎さん…どうですか……?」
おずおずと聞いてくるリアン、
 「うまいよ、リアンっ」
 「あ、ありがとうございます。」
顔を赤く染めたリアンが照れながら言う、うん、めちゃくちゃかわいいっ
……ん、待てよ……。
 「なぁ、スフィーっ」
 「おいしぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ」
ダメだ、目の前のホットケーキの山の向こうでは、その山に夢中のスフィーがいる…。
そっと皿ごとホットケーキの山を横に寄せると…、
膨れっ面でこっちをにらめつけてるスフィーの顔がオレの正面に現れる、
まぁ、テーブルをはさんで座ってるから、あたりまえなのだが……
 「なにすんのよ、けんたろっ!!」
 「まぁ、いいから聞いてくれ……」
真剣な顔でスフィーを見つめる…。
 「な、なに? どうしたの?」
 「どうしたんですか? 健太郎さん…」
 「スフィーも魔法使って料理したら、上手く行くんじゃないか?」
しばしの沈黙……。
 「魔法で料理? あたしが? あ、だめだめ、苦手だもん♪」
 「はぁ?」
 「健太郎さん、魔法にもいろいろ系統があるんですよ」
 「そ、あたしは、料理系の魔法は苦手というか、習ってないっ♪」
料理系の魔法?
魔法使い系といえば攻撃魔法とか攻撃補助魔法、
僧侶系といえば回復魔法とか間接魔法とか、そんな感じなのだろうか?
 「あたしは、いろんな魔法、覚えてるけど、料理系とかは苦手なのっ」
 「じゃあ、リアンは料理系の魔法、得意なの?」
 「いえ、魔法としては、人並み程度しか習わなかったので……すみません……」
なんか、本当にすまなさそうな顔をして謝るリアン、
いや、そういうつもりで言ったワケじゃなくて……、
 「あ、でも、リアン、得意な魔法あったよねっ」
 「おっ、得意な魔法って?」
 「え、はい……でも、知らないうちに覚えた魔法で、自己流なんですけど…」
 「どんな魔法なの?」
 「そ、それは、あの〜、秘密です。」
リアンは恥ずかしそうに答えると、小走りで厨房に駆けていった、
けっきょく、どんな魔法なのかは教えてくれないのか……残念だなぁ、
あぁ、でも、目の前に実の姉がいるんだった、知ってるみたいだし、
 「スフィー、あのさ、リアンの得意な魔法って?」
 「そのうちわかると思うけどっ♪」
再びホットケーキの山と格闘しているスフィー……
う〜ん、リアンが得意な魔法……
恥ずかしい魔法なのか……?
もし恥ずかしい魔法なら、無理して聞くのも悪いしなぁ……。
  ・
  ・
  ・
〜 数ヶ月後 〜
  ・
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  ・
 「いいのか? リアン……。」
 「……わたしの初めての人は、健太郎さんしかいません。……」
ホテル街を歩くオレとリアン、それは自然な行為だと思う、
二人はホテルに入ってい……

立ちキャラがありません!!
変換前:c0320240 変換後:c032044:c0320440:c0300440:
「はぁ?」
「す、すみませんっ」
急にリアンの姿が消えた……しかし、リアンの声は聞こえる……どういうことなんだ……(汗)

立ちキャラがありません!!
変換前:c0320240 変換後:c032044:c0320440:c0300440:
「お、おい、リアン……。」
「あ、あぁ、健太郎さん、ちょっとまってください……」

立ちキャラがありません!!
変換前:c0320240 変換後:c032044:c0320440:c0300440:
「すみません、かってに魔法が働いちゃって……(汗)」
「魔法?」
「す、すみません、勝手に発動してしまうんですぅ……」

ま、まさか、こ、これがリアンの得意な魔法なのか……っ??

(ぴ〜んぽ〜んっ♪)
※ご注意 修正ファイルを必ず使用しましょう。

−おわり−


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