未来の翼 10話
 数日の連続公演も終えてひと段落した大帝国劇場、花組は午前のゆったりとした時間をすごしていた
 「ん〜〜、暇だな〜」
 と大きく伸びをして言ったカンナに食いかかったものがいた、もちろんすみれである
 「ならばそのこれ以上つけたら意味のない筋肉でもきたえたらどうですの?毎回あれほど食べたら太りますわよ」
 「あんだとぉ〜てめえこそ紅茶ばっか飲んでたら水っぱらになるぞ」
 「あ〜ら貴方様と違いこの黄金のプロポーションは崩しませんわ、お〜ほっほっほっほ」
 黄金かはさておき、この2人の口げんかはいつでもレベルが高い
 「2人とも、やめなさい!」
 マリアそれを止める、最近はこの展開が多いらしい
 「そういえば中尉はどこに?」
 サロンに集結している花組の中に唯一いない隆起の姿に気付いたすみれ
 「ああ、支配人に客席の掃除頼まれてたからそれをやってると思うよ」
 と、大神が答えた
 「な・・・あのクソジジィ・・・中尉にやらすのならば少尉にやらすべきですわ!」
 そのツッコミは脱線してるぞと思う花組であった
 「とにかく、今日は何もないから、ゆったりしようよ」
 ピリピリムードのサロンを必死になだめようとする大神
 「ゆったりゆうたら温泉でもいきたいなぁ・・・」
 紅蘭がポロっと言った一言で話題が一気に膨らむ
 「いいわねぇ・・・最近戦いや舞台でいっぱいだったから」
 マリアも今回は乗り気である
 「わーい温泉だー」
 アイリスもおおはしゃぎである
 「おい・・・まだ決まったわけじゃ・・・」
 ひとまず落ち着かせようとする大神の後ろから1人の人物が現れた
 「おう、ちょうどいいじゃねえか、温泉宿ならとっといたぜ」
 今回に限って妙に手配がいい米田である
 「まあ敵さんが現れたとしてもだ帝撃には風組がいるから大丈夫だろ」
 つまり・・・風組3人留守番決定である
 「じゃあ決まりですわね、早速準備をいたしましょう」
 とそそくさとサロンから立ち去るすみれが向かったのは部屋・・・ではなくホールのほうであった
 
 2階客席
 「あれ?簪だ、誰かが落としたのかな?」
 客席で箒片手に熱心に掃除をしている隆起がいた
 「チケットの半券に・・・手ぬぐい・・・誰だよ・・・さくらさんのブロマイド落とした奴・・・」
 ありとあらゆる落し物にあきれてしまう隆起であった
 「さてと・・・こんなもんかな・・・」
 とそこに・・・
 「あ、中尉、ここにおられましたか」
 ドアを開けて入ってきたのはすみれである
 「あ、すみれさん、掃除ならしっかりやったつもりですよ」
 「違いますわよ、今日、これから皆で温泉に行こうって言う事になっりましたのでお呼びにきたのですわ」
 「いいですね〜温泉・・・ってそれだけのために?」
 面倒くさがりなすみれが呼びにきたということに驚いた隆起
 「さ、いきますわよ、準備もありますから」
 隆起のてを取りかけだすすみれ
 「(作戦成功ですわ・・・このまま中尉と・・・)」
 お前は大神派だろ!という突っ込みがとんできそうだが気にせずに
 部屋の前まで引きずられる形でつれてこられた隆起
 「それでは、後ほど、玄関集合ですので」
 そういい残し部屋に入っていくすみれ
 「俺も準備しよ・・・」
 いく前から疲れてしまった隆起も部屋にはいる
 「着替え持ってくていどいいよな・・・あと洗面道具」

 しばらくして玄関・・・
 「あ、大神隊長・・・」
 隆起も早めに準備したつもりだったが先に大神がきていた
 「あ、隆起くん、はやいね」
 「隊長こそ、さすがですね」
 「階級は君の方が上だろう・・・とそういえばさ」
 階級の話がでて思い出したかのように大神がきいた
 「隆起君って軍服って着ないよね」
 そう、陸軍の緑色の軍服である
 「あ〜はいはい、単純に言えば・・・似合わないからですよ」
 予想外の言葉が出た、サイズがあわないとか破けたとかというならわかるが
 「でも・・・着なきゃいけないときは?」
 「普通に着ますよ」
 なんの面白みもない返答に大神は困惑している
 「温泉かぁ・・・もう何ヶ月もいってないなぁ」
 と、嫌な空気を知ってか隆起がつぶやいた
 「俺も何年もいってないなぁ・・・」
 とそんな会話をしていると・・・
 「2人とも早いですね」
 とまずさくらが来た
 「あ、さくらさん」
 「いいなぁ・・・温泉」
 さくらもすでに上の空だが果たしてそれは温泉のためなのだろうか・・・・
 以下アイリス、すみれ、カンナ、紅蘭、マリア、米田と来て花組の温泉旅行の始まりである


 とある山間の温泉宿

 「ついた〜おんせんだ〜おんせんだ〜」
 乗ってきたバスを勢いよく飛び出したのはアイリスである
 「アイリス〜あんまりはしゃぐと・・・」
 べちゃ
 さくらが言う前にアイリスが豪快に転倒していた(しかも土の上に)
 「えへへ・・・」
 舌を出して笑っているアイリス
 「もう・・・」
 さくらも呆れ顔だ
 ロビーで手続きをとって9人分の部屋(つまり一人1部屋)の場所を米田は教えて解散した
 「夕食は6時だぞ、遅れんなよ」
 最後にそう言い残して部屋へと消えた米田だった
 「今日くらいは戦いのコトとか忘れてゆったりしよう」
 大神もそういい残し部屋に入った
 「小さいながらも静かでよろしいところですわね」
 上機嫌のすみれも部屋に入った
 「さーてあたいはあとで山にでもいってくっかな」
 何をする気かしらないがひとまず部屋に入ったカンナ
 「アイリスお風呂いってこよーっと」
 と走っていこうとするアイリスをさくらがとめた
 「アイリス、まず荷物おいてからよ」
 「はーい」
 それぞれ2人も部屋に入った
 「ウチもゆったりしよっと」
 続いて紅蘭も部屋にはいった
 「それじゃあ私たちも」
 「ええ、今日は疲れを取るのだけに集中しますかぁ」
 マリアと隆起もそれぞれの部屋に入った
 
 露天風呂
 「誰も・・・いないかな・・・」
 荷物の整理をして洗面道具を持って来た隆起が最初に露天風呂に来た・・・はすが・・・」
 「おう〜隆起〜来たかぁ」
 酒を持ち込んだ米田に捕まった
 「(しまったあぁぁぁ帝国陸軍中尉木立隆起最大の失敗だあぁぁぁ)」
 米田に捕まる=酒を飲まされるの方程式が頭をよぎる隆起だった
 「いいもんだなぁ〜」
 が酒を勧めるわけでもなく空を見上げてボーっとしている米田
 とそこに・・・
 「あ、支配人に隆起くん」
 大神も来た
 「こういうのっていいですねぇ〜」
 隆起も今回はリラックスしていると・・・
 「わーいろてんぶろ〜〜」
 「アイリス〜また転ぶわよ〜」
 「元気やなぁ」
 「小さいお風呂ですわねぇ」
 「静かな所ね」
 「見た感じいいとこじゃねえか」
 隣の女子風呂から声が聞こえてくる
 「・・・・・」
 よからぬ事を考える2人(大神&米田)
 「2人とも・・・やめたほうがいいですよ」
 あくまで硬派の隆起である
 「まあまあそう固い事いうな」
 「ばれなきゃいいはず・・・」
 大神・・・あんたそれでも隊長か?
 と思う隆起だがすでに大神が肩車をして米田が除こうとした瞬間・・・
 「パールクヴィチノーィ!!」
 マリアの必殺技が米田の頭をかすめはるか遠くへと消えていった
 「うわあぁぁ大神おとすなよぉ」
 「それなら暴れないでくださいいぃぃ・・・」
 マリアの1撃に驚いてバランスを崩す2人
 バシャーン
 「いわんこっちゃない・・・」
 見事にお湯に落下した2人を見てあきれる隆起
 そのころ女子風呂では・・・
 「ふう・・・こんなもんね」
 「さすがマリアだね〜」
 「まったく・・・支配人と少尉と来たら・・・」
 「隆起はんはえらいなぁ・・・止めたみたいやし」
 「いやいや、マリアの腕はいつもの事ながらたいしたもんだぜ」
 「大神さん・・・不潔です」
 「こういう事態も想定しておかないとね」
 覗きは覚悟の上だったのだろう、マリアの右手にはおなじみのエンフィールドが握られている
 男子風呂
 「覗かなくてよかった・・・」
 やはり多少は見たいと思った隆起だったがこんな事なっては見る勇気はない
 「疲れたからあがろ・・・」
 お湯に浮かんでいる2人を見捨ててあがる隆起
 脱衣所を出たとこ
 「あ・・・紅蘭」
 「あ、隆起はん、いやぁ〜マリアはんもたいしたもんやねぇ」
 「ああ・・・」
 「あの2人は?」
 「浮かんでる、それじゃ・・・」
 そそくさと逃げるように去っていく隆起だった
 「最近ウチにこと避けてるやろ」
 紅蘭が呼び止めた
 「だとしたら?」
 あえて否定はせずに正面から当たっていく隆起
 「どうして避けるんや?」
 「さあな、相手してほしいなら夕食食った後でも俺の部屋来い」
 「ウチはそないなこと言うとるんやない!!ちゃんと話・・・」
 「聞きたきゃ俺の部屋こいって言ってんだろ」
 この状況ではどんなに言っても聞きだせないと判断した紅蘭
 「じゃあ・・・夕食のあと・・・」
 「ああ」
 
 しばらくして夕食の時間・・・
 「いよっしゃーメシだー!!」
 1番気合が入っているのはカンナである
 「まったく・・・いやですわねぇ食い意地が張ってるお方は」
 すぐさますみれがが毒づく
 「よーし、皆でなんかかくし芸でもやろかぁ」
 紅蘭の提案に花組は納得した
 「それじゃあ1番アイリスいっきまーす!」
 アイリスが疲労したのはジャンポールとのダンスだがアイリスの超能力で動かされているジャンポールはまるで生きているかのようだった
 「よーし、次はウチが新発明を・・・」
 ザザッ!!
 一斉に非難する花組の面々
 「コラー!!いつも爆発やと思うなぁー!!」
 紅蘭と花組の距離は約3M、爆発圏内だがそれが限界である
 「いくでぇー、スイッチオーン!!」
 ・・・・・・ボン!
 数秒後に見事に爆発した
 「んじゃあ次は俺が・・・っても何しようかな・・・」
 隆起が立ち上がるも考えてなかったらしくネタにつまる
 「じゃああまりにもないので・・・」
 ゴク・・・
 花組の全員が息を呑む
 「居合いで・・・いいでしょうか?」
 とどこからか愛刀を出す隆起
 「お、おもしろそうだなぁ、みせてくれよ」
 大神の乗り気であるが・・・その中で一人不満そうな顔が一人
 「(私もそのつもりだったのにぃ・・・)」
 持ちネタにこまっていたさくらである
 「ほんじゃいっきまーす」
 「いよっしゃ、まずこの瓦でもいってもらおうか!」
 言うとの同時にカンナが瓦を投げた
 「せい!」
 キン!
 瓦は見事に真っ二つ
 「次!」
 「隆にいちゃん、りんご食べやすくして〜」
 「(包丁じゃないっつの・・・)」
 そう疑問に思いつつも反射的に斬ってしまう、しかも華麗に6等分
 「わーい、すごーい」
 当のアイリスが喜んでるのでまあいいだろうと納得した隆起だった
 「それじゃあ刀も傷みますのでこのくらいで・・・」
 
 それからカンナ、すみれ、大神、マリア、も芸を披露した
 「よし、それじゃあ大体食べ終わったよね、じゃああとは自由に行動するように」
 「はーい」

 隆起は一人部屋へと戻った、あとで紅蘭が来る、その事で頭が一杯だった
 「一発殴られんのは覚悟しとこ・・・」
 そして隆起はふと思い出したかのように鞄から数枚の紙を取り出す
 「これ・・・これができれば十分に・・・」
 それは書き掛けの設計図のようなものだった
 「霊力の個人差はそれぞれ調整するしかないとして・・・」
 1人でブツブツいってる隆起はいつもとの雰囲気がまるで違い1人の科学者のようだった
 コンコン
 そんな中扉がノックされた
 「どーぞー」
 「お、なにしとるん?隆起はん」
 「!!!???」
 すっかり設計図に夢中になっていた隆起は紅蘭がくるということを忘れていた
 「な・・・なんでもないって・・・」
 「さぁ〜て、きかせてもらおかぁ〜」
 隆起の前に座った紅蘭は上目遣いで近づいてきた
 「なんでウチを避けとったか?きかせてもらおか」
 妙にテンションが高い紅蘭
 「ああ・・・それな、簡単にいえば」
 「うんうん」
 「お前が隊長の事好きって言ったのでなんか気に入らなくてな、そんだけだ」
 部屋に静寂が流れた
 「隆起はんでもそんな事おもうんやなぁ・・・」
 「俺人間だぞ・・・」
 「あははは、そやねー、ははは」
 「おまえ・・・」
 思いっきり笑う紅蘭、ここ数日隆起と話して笑う紅蘭はなかった
 「あーははは、おもしろーあははは〜」
 「笑いすぎだ!」
 「だって〜隆起はんが〜大神はんに嫉妬やなんて〜あははは〜」
 「はは・・・もうどうにでも言え・・・」
 もうあきれて苦笑いしかできない隆起
 「でも安心した、ウチが好きなのは隆起はんやから」
 「はは・・・えぇ!?」
 「さーて、フロではいってこよかな〜」
 「な・・・おい紅蘭!」
 「ほな〜」
 隆起の静止を振り切り部屋を出て行ってしまった紅蘭、追ってみるが部屋をでたとこで見失ってしまった
 「・・・・」
 そのまま自分の部屋へ戻る隆起・・・だったがしばらくしてまた出てきた、今度は洗面道具片手にである
 結局風呂場へと行った隆起
 「あーあ・・・どうなんだかなぁ・・・」
 露天風呂で夜空を見上げる隆起
 「帝都じゃこんな星空みえないもんなぁ・・・この時間だけは・・・大切にしなきゃ」
 とボーっとしていると女子風呂から声がきこえた
 「面白い事いうなぁ、隆起はん」
 「あ・・・紅蘭」
 隆起の内心では「やっぱり来たか」である
 「なぁ・・・紅蘭」
 「んー?」
 「この戦い、2人とも生きてたら、もっかい来ような温泉」
 隆起からの予想外の言葉
 「・・・うん」
 「壁越しだけどさ・・・お前と同じ空を見たい、今度は2人だけでな」
 「うん・・・」
 その言葉は紅蘭にとってとても嬉しかった、自分にここまで行ってくれる人がいるなんて思いもしなかったからである
 「それじゃあ俺もう上がるから・・・」
 「うん」
 
 そのあと隆起は部屋にもどっていた
 「もう・・・迷わないからな・・・」
 「わかってんだぜ、でてこいよ」
 そう言って窓のほうに刀を向ける
 「ちぇ〜不意打ちしようと思ったのに〜」
 そこには隆起のかつての恋人の新寺秋がいた
 「微妙に妖気が出てたからな」
 部屋中に隆起の殺気が立ちこめる
 「まいったなぁ・・・ここで戦ったら私丸腰だから負けるから今日はさっさと引くね」
 そういって秋は窓から飛び立とうとするが
 「まてよ・・・俺は逃がすなんて一言もいってないぜ!!」
 白刃一線!迷いのかけらもない一撃が炸裂した
 「っつ・・・」
 かわしたつもりだったが秋はわき腹を押さえ方膝を付く、抑えてるところから血が流れ出てる
 「悪いがこの場で死んでもらうからな・・・」
 隆起がとどめと言わんばかりに刀を振り下ろしたその時
 「させるかぁ!夢幻震動波(むげんしんどうは)!!」
 「な・・・」
 その瞬間隆起は焦点が合わなくなり立てなくなってしまった
 「どう?新寺秋改め、夢魔、空蝉(うつせみ)の力は?」
 形勢逆転、仁王立ちで隆起を見下ろす空蝉
 「てめ・・・」
 目が回るような感覚に襲われて立ち上がる事も出来ない隆起
 「私特有の妖力で相手の動きを封じて、しとめる、これが夢幻振動波よ・・・」
 「くそ・・・うごけねぇ・・・」
 「じゃあね、さよなら・・・」
 空蝉が隆起の刀を拾い振り上げた瞬間
 「ちょいまちー!!」
 ドアから勢いよく紅蘭が入ってきた
 「あら、いいの?近づいたらあんたの思い人死んじゃうよ」
 隆起と無理やり立たせ首もとに刀を突きつける空蝉、その行動に紅蘭は何も出来なくなる
 「わかってるじゃない・・・でもね、悪いけど2人とも死んでもらうよ」
 「へ・・・」
 まだ術が解け切ってない隆起が小さく笑う
 「なにがおかしい!」
 「わかってねえな・・・せい!!」
 すると、隆起は空蝉のみぞおちの肘打ちを食らわせ、倒れかけた空蝉に追い討ちと言わんばかりに頭を脇の下抱えて、
 自分もそのまま仰向けに倒れた(プロレスで言うDDT)
 「ったぁ・・・あんた・・・もう・・・」
 偶然にも刀の鞘の上に落ちてかなり痛がっている空蝉
 「さぁて、またまた形勢逆転だな」
 「かくなる上は・・・でぇい!!」
 どこからか空蝉が取り出し、投げた球は爆発と共に煙が部屋に立ち込めた
 「あ・・・のやろ・・・げほ!!」
 「げほ・・!!見え・・・な・・・ゴホ!!」
 二人して咳き込む隆起と紅蘭、煙が晴れた時には部屋には2人しかいなかった
  「隆起はん、大丈夫でっか?」
 「なんとか・・・助かったぜ・・・」
 会心の一発を叩き込んだものの術が抜け切っておらずまだふらついてる隆起
 「隆起はん・・・無理しすぎや・・・」
 少し見えた隆起の手をみて言った、その手は血マメやら皮のむけた後など多数でとても痛々しかった
 「無理でもしないと、勝てないからな・・・」
 そんな中でも隆起は笑っていた
 「りゅ・・・」
 ふと隆起は紅蘭を抱き起こして優しく抱きしめた
 「隆起はん・・・」
 「心配かけてごめんな・・・」
 「好きやで・・・ウチ」
 隆起の腕の中でポツリといった一言
 「俺も・・・」
 そのまま2人は布団に埋もれた・・・


 翌朝

 「おっはよーさーん!」
 「おはよーございまーす」
 妙にテンションが高い紅蘭と後ろでいたって普通に隆起
 「おはよう、いつも元気だね、紅蘭」
 と大神が言った瞬間隆起の殺気が少し漏れた
 宿のロビーでの待ち合わせで1番遅くに来た2人
 「それじゃあ帰るかぁ」
 米田に続いて花組の面々が歩いていく

 帝劇では

 「おっかえりなさーい」
 まっさきに由里が飛びついて来た
 「由里くん、ただいま、これおみやげだよ」
 大神が手渡したのはいわゆる温泉饅頭とかいうやつである
 「わーい、かすみさんと椿でわけますねー」
 そんなのもお構いなしに由里はお礼を言った後後ろのほうで紅蘭にくっつかれて困っている隆起にかけよった
 「紅蘭と隆起さん、なんか前にもまして仲よくなってません?」
 すこし茶化すような感じで由里は言った
 「そうやろ〜もうウチ隆起はんにメロメロや〜」
 本気なのか冗談なのか分からない紅蘭に対して隆起は・・・
 「前と変わりませんよ・・・」
 とあくまで平然としてる
 「隆起はーん、これからウチの部屋で花札でもどやろ?」
 絶妙な上目遣いで隆起を誘う紅蘭
 「ああ、じゃあ後で行くよ・・・(断ったらなにされるかわかったもんじゃねぇ)」

 その後隆起が紅蘭の部屋で本当にただの花札をしたかは定かではない・・・・
次回予告!
 どもー紅蘭ですー、いやー隆起はんも元気になってくれてよかったわ〜
 隆起はんの照れた顔とかめっちゃかわいいねん!って何んの話やねん!予告やな、えーっと・・・
 帝撃の蒸気演算機がついに敵の本拠地を発見や、そんで翔鯨丸で出撃や!
 しかーし、敵は降魔を中心とした大部隊で来るんや、あかん!神武じゃ空中戦なんかできひん!どないしよー!!


  次回! 大空に舞う九の翼!
 
  太正桜に浪漫の嵐!!

 ええ!神武と飛ばすやてぇ!