未来の翼 4話
 
 キャンプ以降急に仲がよくなった紅蘭と隆起、神武の整備も2人でやるようになっていた
 話はかわって楽屋・・・
 
 「それじゃあがんばりましょう」
 楽屋でマリアの声が響いた、今日は西遊記の公演、客にアンケートをとったらもう1回見たいとの事で決まった
 「よーし、やったるぜぇ」
 カンナも気合が入っている
 「相変わらずうるさいお方ですことで」
 すみれがボソっといった
 「なんだとぉ、お前こそまた裾ふまれて顔面から着地なんてすんなよ!」
 「それはあなたがふむからでしょう!」 
 こうなってしまったらそう簡単にはとまらない
 とそこに・・・
 「マリアさん、舞台もセット完了しましたよ」
 隆起が連絡にきた
 「なんだとこのイヤミ女!」
 「なんですのゴリラ女!」
 もう子供の口喧嘩だった
 「2人とも!いい加減にしなさい!」
 マリアが切れた
 「さ、もうすぐ開演よ、しっかりね!」
 「がんばってくださ〜い」

 こうして舞台が始まった
 舞台裏
 「始まったら暇なんだよなぁ・・・」
 椅子に座ってボーっとしてる隆起
 「隆起さんはまだ舞台デビューは先ですかね」
 そこにさくらが来た
 「舞台に上がろう何て考えてませんよ」
 「そうですか」
 とそこに
 「隆起さん!」
 椿が来たが服装が風組のものだ
 「どうしました?」
 「敵襲です!芝公園に魔躁兵器が」
 「わかりました」
 公演中の花組は出撃できない以上自分がやるしかない
 「大神さんと2人になりますががんばってください」
 「了解です!」

 芝公園

 「大神隊長・・・・これは」
 隆起も絶句した、魔躁兵器だけではなくて降魔も何体かまぎれていたからである
 「ああ・・・どうみても誰かがやった・・・としか見えないな」
 大神は冷静にしているがさすがに2機では骨が折れる数である
 とそこに
 「大神さん!左舷上空!74度から攻撃!」
 「!」
 間一髪で攻撃をかわしたがどこから来たのかがわからない
 「フフフ・・・さすが帝国華撃団」
 どこからか怪しい声が聞こえてくる
 「どこだ!?」
 「あそこです!帝都タワーの上!」
 タワーの頂上に5人の人間が立っていた
 「何者だ!?」
 隆起が聞く
 「フフフ・・・我らは暗黒会・・・帝都を滅ぼすもの達」
 1人の男が口を開く
 「帝都を滅ぼすだと、できるもんならやってみろ!」
 隆起が怒鳴る
 「神王様、ここは私がこの者たちを」
 5人の中から右から2番目の男が名乗りを上げた
 「フフ、火劉(ひりゅう)、任せたぞ」
 中心にいた男、神王はそういって消えた
 「おまかせを!」
 のこりの3人も何も言わずに消えた
 「大神隊長・・・敵は楽に30体を越えています、さらにあの男、相当できます」
 さっきから敵の分析をしていた隆起
 「詳細な数は?」
 「足軽5体火縄5体大筒2体近衛8体、脇侍でも20匹です」
 「降魔は?」
 「酸弾3体液射4体鉤爪3体計10体」
 「く・・・」
 さすがに数の差がありすぎる
 「多勢に無勢ってな・・・・」
 ボソっと隆起が言った
 「花組の公演が終われば・・・」
 時間帯的にはもう直ぐというところだ
 「花組の皆は体力つかってますからここは俺たちで数を減らしましょう」
 そういって隆起が多連装噴進誘導弾発射器の照準を定める
 「俺がぶっぱなしますから突っ込んでくる奴は頼みます!」
 「わかった!」
 隆起の機体の多連装噴進誘導弾発射器一気に火を噴く
 それを免れた数体が突っ込んでくる
 「うおぉぉぉぉ!!」
 それを大神が叩ききっていく
 それから数十分
 「これで最後だ!」
 ズガ!!ドゴォォン!
 最後の脇侍も撃破
 「はぁ・・・はぁ・・・」
 「隊長、大丈夫ですか?」
 大神の息が相当上がっている
 「なんのこれしき」
 

 そのころ帝劇では・・・
 「敵襲!?」
 「なんでおしえてくれなかったんですの!?」
 舞台の暗転と共に裏に戻った花組の面々がさくらから状況を聞く
 「みなさんは舞台があるからそれで・・・」
 さくらも動揺をかくせなかった
 「みんな落ち着いて、あとはクライマックスだけ、そんなに時間はかからないわ」
 大神と隆起が不在の状況ではマリアが指揮を執ると言う事になっている
 「いい、とにかく今は舞台に集中するのよ!」
 「了解!」
 「(なんかやな胸騒ぎがするなぁ・・・)」

 芝公園では・・・
 「さぁて・・・そこのお山の大将、いい加減あんたもかかってきたらどうだ?」
 帝都タワーの上で見物していた男、火劉のことである
 「ふふ・・・威勢だけはたいしたものだな、いいだろう!我の力、出でよ!火燕神!」
 次の瞬間帝都タワーの影から1体の魔躁兵器が現れた
 「・・・空中型か・・・」
 まだ体力を回復しきっていない大神
 「・・・本気を出す必要がありそうだな」
 そういって隆起は自分の機体の1つのボタンを押した
 ガラン・・・
 背中の多連装噴進誘導弾発射器の砲門が外された
 「俺の本職は白兵戦でなぁ」
 腰の大太刀を抜き臨戦態勢の隆起
 「フフ・・・ではいくぞ!!」
 次の瞬間、火劉の機体は消えた
 「な!・・・」
 「隊長!右です!」
 ズガ!
 「ぐあぁ!」
 かろうじて急所は避けたがもともとのダメージがあった大神はほとんど動けなくなっていた
 「このやろ・・・」
 隆起が切りかかるがあっさりかわされしまう
 「どうした!その程度か帝国華撃団!」
 火劉の挑発に隆起もいい加減にイラついてきていた
 「正々堂々正面からきやがれ!!」
 隆起も言い返す
 「いいだろう、ならば正面からいってやる!」
 もの凄い勢いで剣を構えて突っ込んでくる火劉の機体、それを隆起ははっきりと見た、次の瞬間!
 ズガアァァァン!!
 火劉の機体の剣が隆起の機体に突き刺さった
 「所詮こんなものだな」
 火劉が剣を抜こうとしたとき
 「つかまえたぜ・・・・大神隊長!いまです!!」
 隆起の機体の陰から大神の神武がものすごい勢いで突っ込んできた
 「狼虎滅却・・・無双天威!!」
 ドガアァァァァン!!
 必殺技が完璧に直撃した
 「おのれぇ・・・この場は退却だ、だが次ぎあう時は貴様らの最後だ!」
 そう言い残し火劉は消えた、それとほぼ時を同じくして・・・
 「大神さん!!」
 「隊長!」
 花組の面々が到着
 「あ、みんな、なんとか敵は追い返したよ」
 大神が笑って答えるが相当疲労している
 「隆起はん?どないしたんや?隆起はん?」
 紅蘭が異変に気がつく、隆起のからの通信がいつまでも無い
 「隆起くん!どうしたんだ!?」
 「・・・・・・」
 機体からは応答が全く無い
 「なんかあったんか!?」
 慌てて神武から飛び出す紅蘭、急いで隆起の機体に駆け寄る
 「えっと・・・たしかこれをこうして・・・」
 ガシャ・・・
 機体のハッチが開いたとたん隆起が倒れてきた
 「隆起はん!?・・・・うわあぁぁぁぁぁ!!!!」
 隆起のわき腹の付近からおびただしい量の出血、それは隆起と紅蘭の戦闘服を血に染め上げるほどだった
 「まさか!?さっき攻撃を受けたときに」
 大神が思い返してみた、たしかに隆起は敵に動きを封じるために自分を犠牲にした
 「このままやったら隆起はんが死んでまう!」
 紅蘭はパニック状態だった
 「し・・・ぬかよ・・・こんな・・・こと・・・で・・・」
 隆起が小さな声で返事をしたがその声はほとんど出ていないに近かった
 「隆起はん!喋ったらあかん!」
 「紅蘭・・・もう・・・心配・・・・すん・・・」
 それだけを言い残し隆起は気を失った
  「隆起はん!死んだらあかん!!隆起はん!!」
 「中尉!!」
 「隆起さん!!」
 「隆兄ちゃん!!」
 「隆起中尉!!」
 花組全員が駆け寄るが隆起は目を覚まさなかった・・・
次回予告
 大神です、隆起くんが大怪我で医療ポット行き、俺の神武も損傷が酷い
 あの敵はいままで以上に強い、おそらく神武じゃ太刀打ちできない・・・くそ!どうすればいいんだ!
   

 次回!君への想い

 太正桜に浪漫の嵐!
 
 俺たちは・・・どうすればいいんだ・・・