未来の翼 1話
  聖魔城での死闘から4ヶ月・・・大帝国劇場にて・・・・

 「まあなんだ、明日新隊員が来るんだな、男だけどよ、馬鹿みてえな霊力あるんだ、そういうことだからよろしくな」
 サロンで米田が花組を全員あつめての新隊員の発表、最初は全員驚いた
 「へぇ〜どんな人なんですか?支配人?」
 興味津々のさくらが米田に聞いた。
 「っとなぁ・・・陸軍の中尉さんだ、人柄とかはわかんねぇけど、まあ大丈夫だろ」
 米田が記憶の中から思い出たのは陸軍中尉ということだけだった。
 「んでよ、悪いけど大神」
 「はい」
 「上野公園までその中尉さんを迎えにいってくれ、おまえなら相手も落ち着くだろうしな」
 米田がその隊員に気を使ってかである。女が苦手な場合にそなえてだろう
 「了解しました。それで時間は?」
 「明日の昼、神社の社のとこだ、おくれんじゃねえぞ、相手はお前より階級は上だぞ」
 半分脅しのような米田の一言
 「それじゃあ解散!」

 隊員はそれぞれ部屋に戻っていった。

 翌日・・・

 「ぎゃああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
 いきなり大神の部屋からの絶叫、その理由はというと・・・・
 「ねすごしたあぁぁぁぁぁ!!」
 と言う訳である。それも軍人か
 慌てて着替えて出かけるが現在11時40分、間に合うわけがない
 「あ〜あ・・・なんていったらいいんだろう・・・」
 と半分諦めていたら
 「どないしたんや、大神はん」
 ハマイチで道路を走ってた紅蘭に会った。まさに奇跡
 「頼む!!紅蘭、上野公園までのせてってくれ!!」
 必死でせがむ大神、そこには帝国華撃団花組隊長の面影は全くなかった
 「なんや、寝坊かいな、ええで」
 紅蘭のおかげで間に合った(?)大神は神社に向かう
 「って・・・紅蘭もくるの?」
 どさくさにまぎれて紅蘭がついてきた
 「ハマイチ乗せなかったら大神はん遅刻やったんやからええやろ」
 これをいわれると何も言い返せない大神だった・・・
 神社・・・社の付近
 「えっと・・・どこだ?」
 「それらしい人おらへんなぁ・・・」
 二人が辺りを見回すと
 「きゃーーー!!!」
 と悲鳴が聞こえた、振り返って見てみるとそこには魔躁機兵が破壊活動をしていた
 「な・・・なんで脇侍がおるんや!?」
 紅蘭も驚きの様子

 そのころ銀座、帝劇では

 ヴィーーー!!ヴィーー!!
 「上野公園に魔躁機兵出現!!花組は出撃してください」
 「魔躁機兵!?」
 舞台のセリフ合わせをしていた花組
 「とにかく出撃よ!!」
 マリアがその場を落ち着かせ司令室へと急ぐ
 警報がなった時点で歌劇団は華撃団へと変わる。


 上野公園では・・・・
 「大神は〜んどないしましょ・・・」
 さすがに武器無しで魔躁機兵は相手に出来ない2人は見てるだけだった
 「神武があれば・・・」
 大神が握りこぶしを作っている・・・
 「うわぁ!!」
 子供が一人転んで動けなくなっている。脇侍はその子供に襲い掛かる
 「大神はん!!子供が!!」
 「くっ・・・」
  ・助けに行く
  ・見てる
  ・祈る
  →(時間切れ)
 「だめだ!!何も出来ない!!」
 まさに脇侍の剣が子供に振り降ろされたその時
 「木立風師流!!火遁竜撃斬!!」
 ガキイィィン!!
 鈍い音と共に脇侍が燃えながら崩れ落ちていった
 「え?」
 2人は何が起こったかもわからなかった
 脇侍の残骸の陰から1人の青年が子供を抱いて出てきた
 「大丈夫か?」
 「うん、ありがと」
 「それじゃあな、気をつけてな」
 「うん、じゃあね」
 その青年は何事もなかったかのようにして子供を見送った
 そしてその青年は大神と紅蘭の方に歩み寄っていった
 「えっと・・帝撃の方ですよね?」
 青年は問うように言った
 「え、あ、はい、帝国華撃団、隊長の大神一郎です」
 「うち、李紅蘭です」
 2人は自分の名前を名乗った
 「申し送れました、本日帝国華撃団に配属になります、木立隆起です。よろしくおねがいします」
 一礼をする隆起、身長は大神くらいで服装はモギリの時の大神のような格好だがラフに着こなしている
 「申訳ありません、寝過ごしてしまって・・・」
 どうやら寝過ごしたのは隆起も同じだったらしい
 とそこに・・・
 「あ!!大神さんに紅蘭」
 神武に乗った花組にメンバーが来た
 「魔躁機兵は?」
 とマリアが聞いた
 「やあ皆」
 「おっそいで〜、もう終わったがな」
 「隊長、そちらの方は?」
 マリアが隆起の事を聞く
 「本日帝国華撃団に配属になりました、木立隆起です、よろしくおねがいします」
 自己紹介をして敬礼をする隆起
 「あ、あなたがですか、ところで魔躁機兵は?」
 「俺が倒しましたが・・・・やばかったですかね?」
 少し失敗したような顔をする隆起だったが
 「いえいえそんな、被害も最小限で収まったみたいですので助かりました。」
 「まあ相手はたいした事ないみたいでしたし・・・」
 謙遜気味の隆起に大神が
 「いくら脇侍でも生身で倒すなんてすごいじゃないか、謙遜することないよ」
 褒める大神
 「はあ・・・」
 「そんなことより隆起はんがやってもうたけどアレやろか」
 紅蘭が言った
 「アレ?」
 隆起には何がなんだかわからない
 「それじゃあいくよ、勝利のポーズ・・・」
 「決め!!」
 お決まりのきめポーズ
 「ええ?」
 隆起は何も出来なかった
 「これからは気をつけてくださいね」
 とさくら、隆起はとりあえず納得しといた

  さて、所変わって大帝国劇場
 支配人室
 「いや〜よくやってくれたな、助かったぜ」
 「いえ、自分は当たり前のことをしただけであります」
 着任のあいさつ隆起はきていた
 「そう謙遜すんな、まあなにはともあれだ、今日から花組の一員だ、しっかりやってくれ」
 「はい!」
 そういって隆起は米田に敬礼をする
 「あ、それとな・・・」
 米田が呼び止める
 「はい?」
 「おめぇ・・・演技とかできるか?」
 「出来ない事はないと思いますが?なぜでしょう?」
 なぜ演技の話がここで出ると思う隆起だった
 「いやな、歌劇団としてだけどな、男役をやらせるのも気がひけてな、大神じゃ役不足なんだよな」
 「はあ・・・」
 だからって俺にすんなよと言う感じの隆起
 「ま、とりあえずがんばってくれ」
 「はい!失礼します」
 ガチャ・・・バタン

 廊下にて・・・
 
 「あ、隆起さん」
 声をかけてきたのはさくらだった
 「あ、えっと・・・」
 名前も知らない隆起、それだけにとまどった
 「あ、そういえば名前知りませんでしたね、わたし、真宮寺さくらです」
 「さくらさんですか、良いお名前ですね」
 「ありがとうございます、これから隆起さんの歓迎会をするんです」
 どうやら隆起の歓迎会をするということになったらしい
 「そうですか、わざわざすいません」
 「それでは楽屋の方に案内しますね」
 とそこに・・・
 「おうおう隆起、手が早いな、大神が妬くぞ」
 支配人室から出てきた米田がからかう
 「ち・・ちがいますよ、さくらさんが僕の歓迎会やるからって呼びに来てくれたんですよ」
 慌てて答える隆起だったがそこには陸軍中尉の面影は微塵もなかった
 「冗談だ冗談、俺もいっていいか?」
 「あ、はいどうぞどうせなら由里さんたちも呼んで皆で」

 それで楽屋にて・・・
 それぞれの名前を教えてもらってからのこと
 「よっしゃ、えんかいくん2号の出番や!!」
 と紅蘭がどこから出したのかえんかいくん2号を出した
 「!!!!?」花組&風組+米田はいっせいに後ずさり
 「???」
 何も知らない隆起
 「中尉、はやく逃げてください!」
 すみれからの忠告
 「??」
 何がなんだか解らない隆起・・・
 「いくでースイッチオーン!
 ポチ
 ・・・・・・
 「あれ?爆発しない・・・」
 「たすかりましたわ・・・」
 

 ドッカーーーン!!
 えんかいくん2号見事大爆発!!
 「やっぱり・・・・」
 「ゲホ・・・」
 「大丈夫ですか?中尉?」
 「平気です・・・このくらい・・・」
 「あっちゃ〜失敗や、隆起はんすいませんなぁ」
 「気にしないで下さい」
 まあこんなことはいつもの事、それでも紅蘭が皿回しなどで盛り上げている
 「ところで隆兄ちゃん」
 アイリスが話しかけてきた。
 「隆兄ちゃんって恋人いるの?」
 唐突な質問におもわず
 「ゲホ!!」
 飲んでいたジュースを吹き出す隆起
 「アイリス!だめでしょそんな失礼な事聞いちゃ」
 さくらが叱る
 「いいですよ別に、前にいたんだけどね8年前くらいに」
 「え?どうしたんですか?」
 さくらが聞く
 「死んだんですよ」
 さらりと言っちゃう隆起
 「え?」
 その場にいた全員が言葉を失う
 「降魔にやられましてね、俺はその場に居たんですけど丸腰でなにもできなくて・・・」
 「そうだったんだ、ごめんね、隆兄ちゃん」
 さすがのアイリスも少し罪悪感を感じている
 「気にしなくていいよ、もうだいぶ前の話だから」
 「そういえばさ、隆起くん」
 「はい?」
 「君が上野公園で見せた技、あれって?」
 大神は思いだした。1撃で脇侍を燃やし尽くしたあの技
 「あ、俺の流派なんですよ、俺のひいひいひいじいちゃんくらいが始めてで」
 「それにしても脇侍を1撃でって」
 「あ、霊力使うんですよ、霊力で火ゴーってだしてそれをまた霊力でぶっぱなしてで」
 「とりあえず・・・めちゃくちゃ霊力使うんじゃないの?」
 「そうでもないですよ〜霊子甲冑動かすくらいでおさまりますし」
 さらりとすごい事を言ってる隆起
 「まあ何はともあれ、これからよろしく頼むよ隆起くん
 「はい」
 「ほな、そろそろお開きにしよか」
 紅蘭の一言でそれぞれ片付けに入る、隆起はみんなに手伝わなくてもいいと言われたが
 「女の人ばかり働かせるのは気分よくないんで」
 といってテーブルなどの片付けを手伝っていた

 夜、隆起の部屋(大神の部屋の隣)
 「さてと・・・日記でもつけてねるかな〜」
 そういって隆起は日記をつけはじめた。内容は
 
 帝国華撃団1日目、上野公園で魔躁兵器と戦闘、1機だったから難なく勝利
 女性ばかりと聞いていたがそのとおりだった。とても緊張した。
 それにしても魔躁兵器を操ってた奴はどこのだれだ?」
次回予告
  次回予告
 ども、隆起です。
 帝撃に配属になって数日が立ちました。みなさん良い人助かってます
 そんなある日、深川に魔躁兵器が現れたとの事、はたして敵の正体は!?

  次回、出撃!

  太正桜に浪漫の嵐! 
 ってこの台詞俺いっていいのかなぁ・・・