遊園地炎上

遊園地炎上
著・とち
あの初詣の日、以来、
大神はんを始め、花組の隊員たちは各自特訓をはじめたワケやけど、
ウチとすみれはん、アイリスはまだ銀座、帝撃本部におった。
みんなが留守の時に降魔が現れたら…どうなるんやろな?
頼りの霊子甲冑「光武」も無いっちゅうのに…
あ、その件に関してはオフレコなんやけど…ここだけの話、
いま現在、花やしき支部で新型霊子甲冑を整備中なんや…
ちょっと前までは予算不足に泣いて生産ラインがストップしてるらしいが
今はちゃんと進んでるいう話を聞いている。

さて、銀座帝撃本部に残ったウチら3人は、舞台があるわけでもなく、
アイリスは、遊んでるか昼寝してるかのどっちか、
すみれはんはアイリスと一緒に遊んどる、でも夜中とか急にいなくなるねん、
最近すみれはん、変なんや…まさか、男が出来たとかっ?
それやったら、それでえぇというか、なんというか…
ま、ウチは米田はんの特命でいろいろな実験したり、発明品作ったりで大忙しやっ、
ウチにとっての特訓みたいなもんやな。
あぁ、あと、光武の運用データをまとめて花やしき支部に持っていかな…
昨日の夜やっとまとめあがったんや……
ほな、今日は久しぶりに花やしきにでも行こうかな。

 「ばたんっ」

 「あら、紅蘭、今日ははやいですわねぇ。」
 「紅蘭おはよー」
 「すみれはん、アイリス、おはようさん」
 「紅蘭っ、どこかにお出掛けするのぉ?」
 「うん、ちょっと浅草まで行ってこよかなっ思ってるんやけどな」
 「あら、奇遇ですわね、わたくしとアイリスも浅草へお出掛けしようかと思ってましたのよ」
 「ねぇ、すみれぇ、アイリス、遊園地行きたいよぉ、花やしき支部って遊園地なんでしょ?」
 「たまには一般大衆の娯楽施設を見学するのも悪くはないですわね」
 「だったら、紅蘭も一緒に行こうよぉ」
……。まぁ、確かに花やしきには行くんやけど、ウチは特に遊園地に用事はないねん…
ウチは遊びに行くっちゅうわけやないんやけどなぁ……
 「ほらぁ、行こうよぉ紅蘭〜」
 「あぁ! その用紙をひっぱたら…ひっぱったらアカンて…」
 「アイリス、電車に乗りたい、メトロに乗りたい。」

結局、ウチとすみれはん、アイリスは三人で浅草に向かうっちゅうことになった。
いつもは楽しいメトロやけど、今日は、すみれはんとアイリスの視線が気になる。
 「そのリスト、いったいなんなんですの?」
 「遊園地行くのに〜、邪魔だよ〜」
なんなんですの? 言われたって、これは軍の機密文書なみのデータや、
いくら同じ花組の隊員いうても、簡単には教えるわけにはいかへんし、
あ、前回、大神はんには最初に教えてもうたけど…、ま、えぇか…
 『浅草〜、浅草〜、お降りの際、お手回り品にお忘れ物の無いようお願い致します〜』
浅草到着のアナウンスや、ウチはリストを抱え直しダッシュの準備をする。
 「紅蘭〜、はやく遊園地行きたいの?」
って、それはアイリス、自分のことやないの?
 「おかしいですわね、紅蘭、何を隠してるのかしら?」
 「そ、それは…」
 「初詣の時も、一人で抜け駆けしようとしてましたわね」
 「そうだよ、アイリスもお兄ちゃんと二人ではつもうで行きたかったんだよ」
 「それと、これとは無関係なんやけど…」
 「いいえ、怪しいですわ、今度は二人っきりで密会………」
 「……すみれぇ、みっかいって、なに?」
よっしゃ、隙ありっ!!
 「ほな、ウチは用事があるから、またな〜」(スタタタタタタタっ)
まったく、ウチは遊びにきたんやないっちゅうに、
なんで新型霊子甲冑をここまで隠さなアカンのか、ウチにはわからん。
わからんけど、米田はんには秘密にしとくよう言われたからなぁ…

 「………というワケです。霊力伝送速度がもう少し向上すれば……」
 「確かにデータ上ではそのようだな…」
 「はいっ」
 「ん、ということらしいが、どうかね?」
 「はぁ、いいたい事はわかるのですが…予算の関係上…厳しいかもしれません…」
 「そやけどっ……そうですけど、」
 「うぅむ、予算については、いろいろと当てがあるのだが…」
 「承諾の返事が来ていないのだよ…」
 「この機関が変わるだけで性能が格段に飛躍するのは確かなんです。」
花やしき支部会議室では
ウチの持ち込んだリストを見ながら頭を突き合わせ、
技術仕官たちがうんうんと唸っている…
一番の問題は費用がかかるということ…新型はほとんど完成間近なんや…
 「(コンコンッ)失礼します…」
 「ん、会議中だぞ、後にしたまえっ」
若い士官が会議室に入ってきた…多分、大神はんと同じくらいの年代やろ、
先輩士官に一喝され恐縮はしたものの、先輩士官の耳もとで何か囁いたようだ。
 「しかし……(ごにょごにょごにょ)」
 「なに、そうなのか? なんでもっと早く言わないんだっ!!」
 「は、すみませんっ!!」
なんか無茶苦茶やな〜、でも、なんかあったんやろか?
 「何があったのかね?」(ざわざわざわ…)
会議室の中が騒がしくなった、まぁ誰だって何があったのか知りたいわな、
 「は、予算について、新しい報告が入りました。」

 「会議、大変だったらしいねぇ」
 「ふぅ、これで、神武の動きはなめらかになるでぇ、」
 「ごくろうさん、でも、どっからなんだい、その予算援助の話」
 「あぁ、ようわからんけど、ま、えぇやないの」
整備点検中の真新しい霊子甲冑「神武」を前に、仲のいい整備兵が話掛けてきた。
花やしき支部にいたころは、この格納庫をどれだけ走り回ったことか…
 「あ、そうや、ウチここでのんびりしてる場合と違うんやった…」
 「もう、銀座に帰るのかい? 相変わらず忙しいねぇ花組は…」
 「ま、いまごろ、上の遊園地で遊んでる隊員もいるんやろうけどな…」
そうやった、はよう本部帰ってウチの研究の続きをしないとアカンっ。
あれから数時間がたっているんやけど、すみれはんとアイリス、まだ遊んでるんやろか?

やっぱり日曜日だけあって遊園地は賑わっとった。
ウチには関係ないけどな、はよう帰って研究の続きせなアカンからなぁ。
この人ごみのどこかにすみれはんとアイリスがいるんやろなぁ。
 『迷子のお知らせを致します。銀座からお越しの、神崎すみれ様、李紅蘭様』
ぶっ、なんや、なんや? アイリス、迷子になったんかいな?
 『お連れのアイリス様が事務局でお待ちになっております。』
あはははははっ、メッチャ恥ずかしいなぁ、ってそれどころやないでぇ、
 「うそ、神崎すみれ…李紅蘭…って、帝劇の?」
 「来てるのかしら?」
 「まさか、遊園地に?」
 「あ、オレ、アイリスちゃんのサイン欲しいなぁ」
ほら、見てみぃ、パニックになるで、これっ…、と、とにかく、事務局へ急ごかっ
 「あら、紅蘭っ!」
う、見つかってもうた、ま、ここらでこんな格好してるのウチくらいやしな…
 「すんません、いまウチ、急いでるんでサインとかは後にして…ってアレ?」
 「何をしてるんですの、急ぎますわよっ」
 「すみれはんっ!!」
 「ファンが群がってきますわよっ!!」
いまこそ、光速の帝撃の本領発揮やで、すみれはんとウチは事務局へと走ったんやけど、
 「遅かったですわね…」
事務局にはアイリスファンが群がっとる、裏口にまわるしかあらへんなぁ…

 「えへへへへ〜、やっぱり来てたんだ、紅蘭っ♪」
 「まったく、なにやっとるんや? すみれはんっ、アイリスひとりにして…」
 「アイリス、おとなしく待ってなさいっていったでしょ?」
会話になっとらんやんか…、
に、してもや、なんですみれはん、ウチの近くにいたんやろ?
まさか本当に大神はんと密会する思うて尾行してたんやろか?
遊園地で大神はんと…えぇなぁ…、えぇかもなぁ……、そういうのも……
 「なに赤くなってるの? 紅蘭、お熱でもあるの? アイリスが直してあげるよ」
 「あ、いや、全力で走ったんで、ちょっと疲れただけや…」
 「それにしても、どうすれば、この一般大衆を巻くことができるのか…」
 「そんなの簡単だよ、アイリスがしゅんかんいどうでぇ〜」
なるほど、それがえぇかもなぁ〜、
 「う、うぁぁぁ〜」
 「やばいっ、はやくっ!!」
ん、なんや、さっきまで事務局の前に群がっていたファンが
蜘蛛の子を散らすように逃げていったで…
 『びー、びー、びー、びー』
 『砲撃ポイント付近から総員退避、敵接近中!!』
花やしきの各ポイントの地面が割れて砲台がせり上がってきたっ
陸軍の兵士たちが手に銃剣をもって走り回っている…敵? 降魔?
固定砲台が一斉に火を噴くっ。(どっごぉぉぉぉん〜〜)
砂煙が舞い上がり、遊園地のあちらこちらこら火の手があがる…
しかし、砂煙の中から降魔がゆっくりと歩み出てきた。
アカン、このまま、このままやったらアカンっ!!
兵士達はひるまずに銃を一斉射撃する、
しかし、効いている様子はない…
そりゃ、そうやろ、翔鯨丸の艦砲射撃を受けても死にはしない奴らやっ
 「ま、まずいですわ」
 「光武ないよぉ、どうするの、すみれ、紅蘭」
 「大神はんも、さくらはんも、マリアはんも、カンナはんも、いないときに…」
事務局の窓から外を見てみる、確かに降魔が、1体、こっちに向こうてきてる。
ここが花やしき支部だと知っとるんやろか?
 「とにかく、ここはわたくしが…」
すみれはん、どこから取り出したか分からないナギナタを構え、外へでようとしとる。
 「アカン、アカンて、光武でさえ、まともに戦って勝てない相手やで…」
 「紅蘭、アイリスをお願いしますわ、もし、わたくしに何かありましたら…」
 「アカンてっ!!」
 「花やしき支部の格納庫に新型霊子甲冑がありますわ。」
 「…っ!!」
 「神崎重工、おじいさまとおじいさまのお知り会いの方々から援助をいただいております。」
 「……っ!!!」
 「先ほど見てきたところ、8割方出来てるようですし…」
 「………っ!!!!」
 「すみれぇ、新型霊子甲冑ってなぁにぃ?」
 「……すみれはん、…なんで『神武』のこと、……しってはるんや?」
 「? 紅蘭こそ、なんで『神武』のことを……?」
 「(二人で)あぁぁぁぁぁっ!! もしかしてっ!!」
 「あのリストは神武のための運用データだったんですのっ?」
 「夜な夜な出歩いてるのは、その為だったんやなっ?」
 「ねぇ、ねぇ、紅蘭、うんようでーたって何?」
すみれはんと顔を見合わせる…なるほど、そういうことやったんか……
水臭いなぁ、すみれはん、ちゃんと話してくれてもえぇのに…
 「水臭いですわ紅蘭、ちゃんと話してくだされば、わたくし…」
 「なんか、アイリスだけ仲間外れみたいで、つまんな〜い」
 「(コンコンコンっ)失礼します。」
だれかが、事務局のドアをノックしたようや、ん、さっきの若い技術士官や
 「ここに帝国華撃団花組の方がいると聞いたんですが…」
 「いかにも、わたくし、花組のトップスター、神崎す…」
 「すみません、わたしたちの武器ではとても歯がたたないんです。」
 「……降魔やな?」
 「ちょっと、あなた、わたくしがセリフを言ってるときに…」
 「花組のアイドル、アイリスで〜す。」
 「ア、アイリスっ! ま、いいですわ、もう一度、花組のトップス…」
 「しかしな、ウチらもいま光武も無いし、神武は運用試験もしとらん状態や…」
 「紅蘭…、も、もう一度ぉ、花組トップスター、神崎すみれですわ」
 「…………………。(一同)」
 「やっとすっきりしましたわ。」
ま、それはさておき、大きな問題や、どうやって降魔を倒すか…
帝国華撃団花組、大ピンチやでぇぇっ!!
 「やはり、神武を動かすしかないようやな…」
 「そうですわね…」
 「しかし、それも…」
 「え? どういうことや?」
 「はい、完全に動作するのはいま、大神機とマリア機だけなんです。」
 「なんやて? ウチさっき見てきたとき、ウチのも、すみれはんのも、あったで」
 「はぁ、紅蘭さんのデータを反映させるために、いったん搭乗席を取り外したもので…」
 「それではわたくしの神武は?」
 「はい、霊力伝送機関の予算が出たとのことで、霊力伝送機関、外しておりまして…」
 「ねぇ、アイリスのは〜?」
 「それが、全然出来てません…」
 「ぶぅ、いっつもアイリスは後回しなんだからぁ〜」
 「しょうがないんや、アイリスの移動には特殊な霊力伝送機関つけないとアカンから…」
 「アイリスのだけ、特別なの? アイリスのだけ? だったら許してあげるぅ」
 「でも、このままでは退治できませんわ、やはり、わたしが…」
すみれはんがまたナギナタを手に出て行こうとしとる、無理や、
生身の体で戦ったら、すみれはんが…
あ、そうや、ウチ、こんな時のために作っておいたもんがあるんや、
 「すみれはん、ちょっと待ってぇや、いい武器があるでぇ」
 「爆発は遠慮させていただきますわ」
 「ちょっと、すんませんけど、、あれ…」
 「はい、回転木馬ですか? 動かせますよ」

 「紅蘭、メリーゴーランドで遊ぶの?」
 「遊ぶんやない、戦うんやっ!」
 「冗談言ってる場合じゃありませんことよ」
 「えぇから、ウチにま〜かしときっ、はよう木馬に乗るんやっ」
 「ちょ、ちょっと紅蘭、わたくし怒りますわよっ」
 「だ〜いじょ〜ぶやっ、悪いようにはせぇへんから♪」
 「連邦の木馬から連邦の白い奴が発進するとかいう冗談は通じませんことよ」
 「………?」
 「あら、この高等な冗談が分からないようでは、まだまだですわ」
 「木馬? ホワイ●ベース?」
 「知ってましたの? 残念ですわっ」
文句ぶぅぶぅ言っとらんで、はよう乗ってほしいわ、
かといって、アイリスみたいに遊ぶのと勘違いしとるのも困るけどなぁ、
とにかく、これなら勝機はあるでぇ、
 「すんませんけど、回転木馬、動かしてください」
 「わかりました…」
 「よっしゃ、ほな、馬の口に左手を入れるんや」
 「こ、こうですの?」
 「わ〜い、わ〜い、おもしろいねぇ」
 「次に舌を親指と人差し指でつまんで、引っ張るんやっ!!」
 「これ、何か意味あるのかしら?」
 「びよ〜ん、びよ〜ん、ひっぱったよ」
 『指紋検出調査中…照合、帝国華撃団花組、イリス・シャトーブリアンを確認、動作調査正常、正常起動…』
 『指紋検出調査中…照合、帝国華撃団花組、神崎すみれを確認、動作調査正常、正常起動…』
 『指紋検出調査中…照合、帝国華撃団花組、李紅蘭を確認、動作調査正常、正常起動…』
 「なんなんですの? これ?」
木馬の目が開き、馬の手綱が外れて背中から操縦桿が出てる、
後ろ足のつけねから銃身が飛び出してくる。
 「操縦桿を前に倒せば前にすすむ、斜めに倒せば斜めに走る、簡単やろ?」
 「走るだけでは勝てませんわ…」
 「操縦桿の先端にボタンがついとるやろ? 右を押すと足からせりだしてる霊子ライフルや」
 「紅蘭〜、左はなんなのぉ〜?」
 「目から機関銃が打てるんや、どや、ウチの簡易霊子機動兵器『もくばくん』 すごいやろ?」
 「わ〜い、わ〜い」
 「よっしゃ、敵を倒すでぇっ、敵はどっちにいったんや?」
 「はい、格納庫に向かってる模様です…」
 「わかりました、いきますわよっ!!」(パッカパッカパッカ…)
 「敵の狙いは『神武』っちゅうことか?」(パッカパッカパッカ…)
 「おもしろ〜い」(パッカパッカパッカ…)

 「そこまでやっ!!」
 「(紅蘭、アイリス)帝国華撃団、参上っ!!」
 「………紅蘭、一言いってもいいかしら?」
 「なんや? すみれはん」
 「これ、あまり格好が、よろしくないですわ…」
 「た、たしかに、格好は、アホらしいわなぁ……」
 「えぇ? おもしろいよ〜、アイリス気にちゃったぁ〜」
 「……。この際、格好は気にしてられへん……」
 「そ、そうですわね……それじゃあ、改めて…」
 
 「そこまでやっ!!」
 「夢のある日曜の遊園地を〜」
 「乱す悪は許せませんわ!!」
 「ウチの可愛い『神武』には、指一本触れさせへんでぇ!!」
 「(3人で)帝国華撃団、参上っ!!」
 「グギギギギっ……グギ?………クスッ(笑)」
 「(プチっ)あぁぁ、トップスターのわたくしを笑いましたわねぇぇぇ!!」
 「(プチっ)あぁぁ、ウチの発明を、ウチの傑作を笑うたなぁぁぁぁぁ!!」
 「面白いのにねぇ〜『もくばくん』♪」
 「(ブチブチっ)わたくしだって、こんなのに乗るなんて思ってませんでしたわ!!」
 「(ブチブチっ)この傑作機の恐ろしさ、その身に叩き込んでやるわぁ!!」
 「(名前も無い、紅蘭とすみれの合体技?)ちゅど〜ん」
 「あぁ、アイリス何もやってないのに〜」
 「勝利のポーズっ、決めっ!!」

 「長官、なかなか、あの3人、やりますね」
 「そうだな、あやめ君、これで大神が帰ってくるまで、なんとかなりそうだなぁ」
 「そうですね」

−−翌日−−

 「紅蘭っ!! 大変ですわっ!!」
 「あ、おはよ〜さん、すみれはん、昨日はお疲れ様ですぅ。」
 「呑気なもんですわね、この新聞、みてくださらない?」
 「…………。」
 
 『『んく馬木』器兵新 !!たっだ当本は噂の発開器兵新 !戦奮撃帝』
 (※注 読む向きは ← )
 
 「…………。」
 「大変なのはこの後ですわっ!」
 「なになに?」
 「あぁ、アイリス達が『もくばくん』に乗ってる写真だぁ〜」
 「……い、いつのまに撮られたんやろ?」
 「………こんな、こんな格好を皆さんに見られるなんて…」
 「ウチら、もう、舞台には立てへんかもしれへんなぁ………」
 「えぇ? 可愛いよ、すみれも、紅蘭も〜」
 「と、とにかく、これは、これから先、極秘ということで……」
 「そうやな………帝撃のXファイルやな……」

 こうして、大神(当時、少尉)が本部に帰ってくるまでの花組の活躍は
 闇に葬り去られることになった……。
 「な、なんなんですの、なんで毎日のように降魔が現れるんですの?」
 「あぁ、これやったら、もっと格好えぇの作っておけばよかったわ」
 「おもしろいねぇ〜、『もくばくん』♪」

- 次回予告 -
ようやく出来上がったウチ専用の飛行機っ♪
さっそく大神はんを乗せて、目指すは中国やっ!!
 「う、は、腹が痛いっ!!」
大神はん、ま、まさか? 腸チフス(笑)か?
うわぁぁ、リアル『つばさ』状態やないかぁ!!
次回、サクラ大戦、紅蘭SS
 「「「大神はん、みてみぃ、あれが北京の灯やっ!」」」
太正桜に浪漫の嵐っ!!


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