著・七梨
藤田く〜ん。
藤田くんてば〜、ったく〜。
藤田く〜〜ん!「わ〜〜ああっ。」
やっと起きた。
題:私のどこが好き?
ドン、ガラガラ・・・。「いててっ・・・。」
「だ、大丈夫か藤田くん。」「大丈夫大丈夫、ててっ。でなんか用か。」
「用かはないやろ。一緒に帰ろって言うたやん。そやのに寝てもうてるんやもん。
待ってんと帰ろっかって思ったわ。」
「でも、待っててくれたんだろ。サンキューな智子。」
「あっうん、許したる。さっ帰ろ。」
帰り道・・・
「・・・でな、今日もうちに、付き合ってほしいって人来てな・・・藤田くん?」
「あっわりい。どこまで話してたっけ。」
「付き合ってほしい人が、うちに来たまでや。」
「へ〜智子、美人だもんな。」
「いややわ〜藤田くんまで・・・。その人達が言うにはな、
『保科さん前よりなんていうかやさしいくなっていてそれで・・・。
そんな君を見ていて、好きになった。付き合って下さい。
とかな、保科さん好きです!』
って直に言う人もおったわ。」「でっそいつらへの返事はどうしたんだよ。」
「何聞くねんいややわ〜、私には藤田くんがおるんやから
返事なんて決まってるやろ!当然断るわ。」
「しっかしその言ってきた奴等、今頃になって何を言ってるんだろうな。」
「そういやあ、藤田くんなんで私を好きになったん?」
「何を突然・・・。」「お願い、聞きたいんや・・・。」
「俺がお前を好きになったのは、付き合う前のお前っていっつも一人でいただろ。」
「うん、そうやったな〜。」
「でなそんな一人でいっつもいて、寂しくないんだろうかと思うようになって」
「そやな〜あの時ほんまは、寂しかったんや。」
「お節介焼きだからな俺、そういうの見てると声を掛けずにはいられなかったんだよな〜。
で話をしてるうちに、仲良くなったんだよな。」
「そやったな〜・・・ってうちのどこが好きになったんか言うてないやん!」
「・・・ま、まあいいじゃねーか。」
「そんなんよくあらへんわ〜。」
「はははっ・・・。途中でヤックよって行こうぜ。と・も・こ!
(ほんとはあまり自分でも分からないんだ。お節介をしてるうちに、
笑ってくれるようになり、仲良くなったから・・・。
でも今俺が、智子を好きな気持ちは嘘じゃないし、これからだって・・・。)」
そんな事を考えながら、俺は走って行く。
「それを言うなら、ヤクドや〜!って待ってえや〜藤田く〜ん。」
追いかけてくる智子・・・。
そうさ理由なんてどうでもいい!俺は、智子が好きだ!
その気持ちを大切にしたい・・・これからも。
(う〜ん、でも俺も気になるな。智子が俺を好きになった理由を・・・)
完
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