委員長と呼ばないで!

委員長と呼ばないで!
著・七梨
「お〜い、委員長〜。」 俺は学校から帰る途中に、委員長を見かけた。 「なんや〜藤田君。」 「一緒に帰ろうぜ。委員長どうせ一人なんだろ?」 「うん、ええよ。」ニコっとほほえむ。 委員長と二人で帰る。 「委員長さ〜いっつも一人だよなー。まあ俺とはいつもこんな風にいるけどさ。」 「なんや〜私に他の人とも仲良くしろちゅうことか?」 「まあ、そんなとこかな。」 「ほんまおせっかいなやっちゃな〜。まあそこがいいとこやねんけどな。」 「俺の友達のあかりとかレミィとか紹介してやるよ。みんないい奴だぜ。まあ志保は やかましいからやめた方がいいかもしれないけどな。」 「藤田君・・・、私な前は神戸に帰るから友達つくらんとおったやろ。今はな藤田君 となるべく一緒にいたいから・・・。二人っきりでいたいから・・・。」 「大丈夫だって、俺はどこにもいかねーしいつも一緒にいるよ。 それにさ委員長には、もっとなんていうか楽しんでほしい!」 「それってどういう意味?」 「いやさー俺といる時は、笑いかけてくれる。でもよーまだ学校を楽しんでるよーに は見えねーからさ・・・。」 「しゃあないんとちゃうか、いままでずっとそやったし。すぐに変われって言う方が 無理や。」 「だからさ友達をつくってみようぜ。そうすりゃあ徐々に変われるって! 今みたいなままだと、変われるもんも変われねーだろ?」 「うん、そやな。変われるもんも変わられへんよな。」 「そうだよ。」 「藤田君たまにはいい事言うな〜。」 「たまにははねーだろ〜、俺はいつもいい事言ってるよ。」 「そやな、ふふふっ。」委員長が少し笑う。 「そうそう、その顔を学校でも見せてほしーんだよ。」 「わかった、藤田君がそんなに言うんならがんばって変わってみるわ。」 「おう!協力するぜ!」 「さっそくやけど藤田君!私を呼ぶ時、と、『智子』って呼んでほしいんや・・ ・。」 頬を赤らめて言う。 「えっ?」 「夏に海行った時にも言うたやろ。委員長って呼ぶのはやめてって・・・。せめて二 人で一緒にいる時ぐらいは、『智子』って呼んでほしいんや・・・。」 軽い沈黙。そして俺は 「わかったぜ委員長、いやっ智子・・・。」 「・・・なんや今思たらめっちゃ恥ずかしいやん。」 「じゃあやめるか?」 「いや私が変わるためにもやめんといて・・・。」 「じゃあ学校でも『智子』だな。」 「あ〜ん藤田君それは・・・せめて学校では、『保科さん』程度にしといて〜 や〜。」 「智子、智子・・・。」 「あ〜ん藤田君めっちゃいじわるや〜。」 そんな事を言いながら俺は、委員長もとい智子を駅まで送っていった。 君ならすぐに変われるさ〜と思いながら・・・。 完

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