著・七梨
登場人物:保科智子(委員長)、藤田浩之、ウエイトレス(?)
その日俺は昼に何を食うか迷っていた。
「う〜ぅ腹へった。今日はレストランで飯食うか。」
『しっかしなんか天気よくねーなー。 雨降るんじゃねえかー。』そうは思っていた
ものの
いざ持っていくとなると邪魔だ。『ま、いっか。』という事で傘は持っていかなかっ
た。
レストランに着いた。
「いらっしゃいませー。」ウエイトレスが言う。
俺は空いてる席えと案内され「ご注文は何になさいますか?」と聞かれたので
「ミートスパゲッティーと食後にコーラ。」を頼んだ。「かしこまりました。」と言
われて待っているとミートスパゲッティーがきた。
「ずるずるずる・・・・。」飯を食い終わる。食後のコーラも飲み終えたその時
「ゴロゴロ・・・ズッガーーーン!!ザーーー。」
「や、やばい降りやがった。」俺は急いで店を出るともう滝のような雨。
『どうする、雨宿りしてるか、濡れて帰るか。』そんなことを考えていると
「なにしてんねん藤田君?」聞きなれた声がした方向を見ると
「委員長じゃねーか。どうしたんだこんな所で?」俺は聞き返す形で答えてしまっ
た。
「うちは、たまには外で食事もええかなと思ってな、昼食の帰り。」と委員長は答え
た。
「俺もそうなんだよ。でもないざ帰ろうと思ったら雨が降りやがってな、今ここでど
うしようか考えてた所だ。」
「傘持ってこんかったん?」委員長が聞く。
「ああ、大丈夫だろうと思ってな。」
「あほやな〜今日の昼からの降水確率90%やったんやで。傘持って外出るん常識や
ろ。」
「な、なにーー!!」大声で言ってしまった。
「びっくりした〜。そんな大声出す事でもないやろ〜。さては天気予報見てへん
な〜。」
俺は見ているはずもない。起きたのすらついさっきだ。
「しゃあないな〜、傘、入ってく?」委員長は頬を赤らめて言った。考える必要もな
い。俺は「サンキュー!」と言って傘に入れてもらった。
帰っている途中、委員長は
「しっかし昼頃からもう天気悪なってたで。普通は傘持って出るのが当たり前や
ろ。」
「うっ、相変わらずきついぜ。その時はいけると思ったんだ。」
「しっかしな〜・・・。」
そんなこんな言い合っているうちに気がついた。彼女は俺が濡れないように、傘のス
ペースを広めに俺の方にやっていたのを・・・。彼女の右肩は少し雨に濡れていた。
「委員長濡れるぜ。」傘を彼女の方に倒す。
「・・・あ、ありがとう。」彼女は小声で言った。
「しっかし傘持ってこなくてよかったぜ。持ってこなかったおかげで委員長と相合傘
で帰れたんだからな。」
「あほやな〜。」委員長はまた恥ずかしそうに言った。
ほんとにラッキーな日だと、つくづく思いながら彼女と一緒に帰った。
完
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