いいんちょの誕生日

いいんちょの誕生日
著・k3
コメント:いいんちょ普及委員会一周年記念SSです。時期がすごくずれています。はじめ の方、あかりがヒロインみたいです。ごめんなさい。でも、委員長がヒロインなんです。 アニメも、ちゃんと誕生日入れてくれないとダメですよね、ホントは。では、どうぞ、お 楽しみください。K3でした。 いいんちょの誕生日! 製作日:99年5月16日(日)の夜 登場人物:保科智子こといいんちょ、藤田浩之、神岸あかり、佐藤雅史、マルチことHMX-12 設定:SS1のすぐあと、9月10日(もちろん委員長の誕生日である)の前の日の9日。

◆いいんちょの誕生日!◆

――キ〜ン、コ〜ン、カ〜ン、コ〜ン―― ああ、やっと、今日も授業が終わったぜ。まったく、なんでこんなつまんねえ授業、受け なきゃ、いけねえんだ?ああ、ホントのとこ、いっそ、学校やめたくなるぜ。 「何、考えてるの?浩之ちゃん。」 あかりが俺に話しかけてきた。この顔はなんか用があって、俺に遠慮している顔だな。 「おう、なんでもねえよ、あかり。それより、おまえこそなんか用か?」 「もう、浩之ちゃん。今日の帰り、つきあってくれって言ったのは、浩之ちゃんでしょ。」 忘れてた。今日はあかりに頼みごとがあって、買い物、付き合わせるつもりだったんだっ け。 「わりい、わりい。すっかり忘れてた。」 「で、用事って何?」 委員長が横にいるこの状態では言えない。委員長、聞き耳立ててるなあ。 「まあ、あとで話してやる。」 「う、うん。」 あかりは少し不安そうにしていたが、俺は押しきった。横では委員長が不満そうにしてい る。ごめんよ、委員長。どうしても、今は言えねえわけがあるんだ。 「それで、浩之ちゃん。用事って何?」 帰り道、あかりが、俺にまた、聞いてくる。まあ、正直に話すか。 「実はな、明日がな、委員長の誕生日だ。」 「あ、そうなんだ。」 「それで、なんか誕生日プレゼント買ってやろうと思ったんだが、俺のセンスでは、不安だ。 そこで、おまえに選ばせるつもりなわけだ。」 あかりは驚き、 「え、私が選ぶの?でも、いいのかな?私で。」 「まあ、大丈夫だろ?俺の知ってる奴の中では一番センス、いいんじゃねえか?」 「そ、そうかな?でも、志保のほうがいろいろ知ってると思うよ。」 俺は手を顔の前で左右に振り、 「だめだめ。あいつは情報だけだから。あいつと選ぶと、情報の海に飲み込まれて、溺れて 日が暮れるぞ。」 あかりはくすくす笑い、 「そうかもね。志保は、いろいろ知ってるけど、一緒に買い物すると、あれもイイこれもイ イって言って、結局、買わないんだよ。」 「そうだろ?」 「うん。あ、ひろゆきちゃん、ちょっと、このお店によってみようよ。」 「ん、あ、ああ…」 ―カラン、カラン― 「いらっしゃいませ。」 その店はかわいい小物が結構置いてある、女子に人気の店だ。見るからにファンシーとい った感じで、とても俺のような野郎のいるとこではない。店中の視線が俺に向けられた。 俺がこの店で浮いていることは、明らかだ。…なんかもう、出たくなってきた。 「ねえ、浩之ちゃん、かわいいクマが置いてあるよ。」 「あ、ああ。」 俺にお構いなしに、店の一番奥のほうに入ったあかりは、クマのぬいぐるみを見つけてい た。あいつホント、クマが好きだな。 「あかり、今日はおまえのほしいもの探しにきたんじゃねえぞ。」 「あ、ごめん、浩之ちゃん。でも、かわいかったから、つい。」 「まあ、いいから、なんか委員長が喜びそうなもの探せ。」 「うん。」 店中を廻ってみると、やたら、なんでもあるって感じだ。ぬいぐるみも、クマから、イヌ、 ネコ、はては、ムシのやつまで、なんでもそろってやがる。あかりが、クマのぬいぐるみ を発見するたびに止まってしまうので、なかなか進まない。目をきらきらさせて、クマを 見てる。 しかし、あかりも、部屋に、もうずいぶんたくさん、クマグッズがあるはずだが、まだほ しいのか?よくあきねえなあ? 「浩之ちゃん、これなんかどうかな?」 あかりは、クマばかり見ていたわけではなく、一応、プレゼントも探していたらしい。大 きなイヌのぬいぐるみを抱えていた。 「なんで、こんなに大きなイヌのぬいぐるみなんだ?」 「あ、でも、これ、ボスに似てない?」 「そうだな。」 俺が昔飼っていた、イヌのボスに少し、そいつは似ていた。 いいかもな。なかなか、いい顔してるし。でも、まあ、もう少し見てからにするか。 「あかり、もう少し、廻ってから、決めんぞ。」 「あ、うん。そうだね、もっといいのがあるかもしれないしね。」 店のちょうどさっきと反対の一番奥に、アクセサリーの類が置いてあった。女子高生が、 何人かいる。 「浩之ちゃん、これなんかどうかな?」 あかりは、葉っぱの形をした、銀色の細工のついた、ネックレスを持っていた。 委員長に似合いそうだな。 「どうなんだ、こういうのをもらうと喜ぶものなのか?」 あかりに聞くと、 「う〜ん、私は、こっちの方がいいけど…」 あかりはそう言って、クマのピンズを持っていた。 「でも、保科さんにはこれが似合いそうだなっと思って。」 そう言って、また、葉っぱの方を見せてきた。 「そうだな。これいくらだ…まあ、これくらいなら、大丈夫か。」 「そう?じゃあ、これにする?」 俺は少し考えた。これを委員長がつけたら…いいかもしんない。 「よし、これにすんぞ、あかり。」 「あ、うん。」 あかりから、それを受け取り、 「あかり、今日付き合ってもらった礼に、そっちも買ってやるから渡せ。」 あかりは、クマのピンズと俺の顔を交互に見て、 「え、これ?ホント。ありがとう、浩之ちゃん。」 「ああ。」 あかりは非常にうれしそうだった。 包装も完璧、リボンもつけ、メッセージカードも、もらった。そこで書くとあかりに見ら れて恥ずかしいので、あとで書くことにした。 「浩之ちゃん、ホントにありがとう。」 「ああ、俺のほうこそ、感謝だ。」 あかりは、クマのピンズをすでに、制服の襟につけていた。 「このクマ、大事にするね。」 「ああ、大事にしろよ。」 あかりは突然思いついたように、俺の事を見て、 「そういえば、誕生日会はしないの?」 「誕生日会?考えもしなかったな。」 「ねえ、私ケーキ作るから、浩之ちゃんちでやらない?」 俺は、誕生日会をされて、少し困って、少しうれしそうな委員長を想像して、 「そうだな、イイな、それ。よし、雅史とかも呼んで、盛大にやるか。」 「うん。」 よしよし、イベントまで決まったぞ。明日は盛大に委員長を祝ってやるぞ。待ってろよ。 「ああ、いいよ。練習終わった後になるから、少し遅くなるかもしれないけど。」 「そうか、必ず来いよ。」 「わかったよ。」 雅史から、承諾を取って、あとはっと、 「お〜い、マルチ!」 「あ、浩之さん!おはようございます。どうしたんですか?」 「ちょっと、おまえに用があってな。」 マルチは嬉しそうにしながら、 「はい!なんでも言ってください。浩之さんのお役に立てることでしたら、どんなことで も。」 「そうか。じゃあ、今日委員長の誕生日会があるんだが、おまえも、委員長を祝ってやって くれないか?」 マルチは、笑顔を浮かべて、 「あ、委員長さんのお誕生日会ですか。はい…あ、でも、開発室の方にお聞きしないと、大 丈夫かどうかわかりません。」 「んじゃ、聞いて、大丈夫そうだったら、来いよ。」 「あ、はい。後で、電話して、聞いて、大丈夫でしたら、浩之さんの教室まで言いに行きま す。」 「おう、待ってるぞ。」 「はい!」 マルチの承諾もまあ、取れた。 あとは委員長本人だな。 「なんやて、誕生日会?!そないなもん、なんでしんといかんの!」 「ま、みんなにもう言っちゃったし、これで、メインゲストが来なかったら、みんな悲しむ ぜ。」 「ひ、卑怯やわ。うち、まだ、なんも言うとらへんのに。」 「なんだ、不満なのか?」 「不満や。」 「何が?」 委員長はしどろもどろになり、 「い、いや、そのや…実は…その…」 「なんだよ、はっきりしろよ。それとも、俺とだけがよかったとか言うのか?」 委員長は、少し戸惑ったあと、うなずいた。 「なんだ、そうなのか。まあ、誕生日会が始まるまでは、俺と委員長だけだぜ。」 「そうなん?それやったら、まあ、ええわ。」 俺は笑いながら、 「委員長もげんきんだな。」 「そんなん…当たり前や…」 ――ガチャッ―― 「わ〜、これどうしたん?」 居間はすでに委員長のために飾り付けされている。昨日、あかりといっしょにしたものだ。 「いいだろ、昨日のうちにやっといたんだ。どうせ、俺しか住んでねえしな。」 「そうなん?ありがとう。」 委員長は恥ずかしそうに下を向いていた。 あ、そうだ、 「委員長、ちょっと待ってろよ。」 「え、あ、うん。」 ――バタバタ―― 委員長を居間に待たせて、俺の部屋に上がる。 「えっと、プレゼントは確か…」 おっ、あった、あった。机の上から、その細長い包みを持って、俺はまた下に降りる。 ――バタバタ―― 「委員長、ちょっと目、つぶれ。」 「え、なんなん?どうしたん?」 「いいから。」 「あ、うん。」 強引に目をつぶらした委員長の手をとった。 「なんなん?ちょっと、藤田君?」 不安そうにする委員長の手にプレゼントを載せ、俺は、 「ハッピィバースディ!委員長!」 「あ、ありがとう、藤田君。」 恥ずかしくてうれしい、委員長。この顔がいいんだ、この顔が。 「これ、開けてもええ。」 包みを見ながら委員長が言ったので、 「おう、開けてみろよ。あんまり高いもんじゃねえけどな。」 ――ピリピリ―― 委員長が、その包みを少しずつ、開いていく。 ――パカッ―― 「わあ…ええわ、これ。ありがとう、藤田君。」 「さっそく付けてみてくれよ、な。」 「うん。」 委員長は箱から、葉っぱのネックレスを取り出し、髪を少し持ち上げて、付けようとした。 「うまくいかんわ。藤田君手伝ってえな。」 「あ、ああ。」 俺は委員長の後ろに廻ると、ネックレスの留め金を持ち、首の後ろに手を回した。カチッ と小さな音がして、留め金がつながった。 「どうや?似合うん?」 「お、おう、最高だぜ、委員長。」 「そう?かがみは…?」 そう言って、委員長は居間の壁にある鏡に前に行った。 「ええ感じや。うち、ごっつう気にいったわ。ありがとう、藤田君。」 「そうか、俺もうれしいぜ。」 「でも、これ、どこで買うたん?」 委員長は怪訝そうな顔をして言った。 「あ、それか。商店街の入り口の近くに最近できた…」 「あの店なん?よくあんなんとこ、入れたわ。」 「恥ずかしいとは思ったけど、あかりが入るって言うから、しょうがなくな。」 「あ、じゃあ、昨日、神岸さんといったんわ、そのためやったん?」 「まあな。いきなり渡した方が感動が大きいだろ?」 委員長は少し不満そうにしながら、 「そうやけど、神岸さんといっしょ、っていうのが気にいらんわ。」 「悪かったよ、委員長。でも、今日のケーキ、あかりが作ってくるんだぜ。」 「え、そうなん?」 「食いすぎて太るなよ。」 「そんなん食わんわ。」 と言ってから、俺に、 「でも、今日はありがとう。」 「ああ。」 ――ピ〜ンポ〜ン―― 「お、誰かが来たぞ。」 「浩之ちゃ〜ん、ドア開けて〜。ケーキ持ってるから、開けられないの。」 「どんなでかいケーキ作ってきたんだか…あかり、待ってろ。委員長、一緒に行こうぜ。」 「うん、いっしょや。」 完 スタッフルーム K3:いいんちょ普及委員会1周年おめでとうございます。 マルチ(以下・ま):おめでとうございますぅ。委員長さんの誕生日もおめでとうございます ぅ。 委員長(以下・い):ありがとう、みんな。 K3:いや〜、僕なんて、まだ、普及委員会に入って1ヶ月しか経ってないけど、たまたま、 一周年に間に合ったね。 あかり(以下・あ):そうだね、でも、SS6で言っていた、悲しい保科さんのお話はどうなっ たの? K3:ぎくっ。いや、そのあれは…まあ、いいじゃないですか、とりあえず。 い:また、なんも考えんと、書いたんやろ。 K3:なに言ってんですか。一応、考えてますよ。僕のSS1は、9月から始まって、SS4、 6と、つなぎになってます。しかし、実は明らかに、委員長の誕生日がここの間に入っ ていたことに気がついたんです。 い:いつ気い、ついたんや。 K3:いや、その、今日なんですけど… い:めちゃくちゃ、遅いやん。 あ:あ、でも、気づいただけマシかもね。 K3:あかりちゃんも、ひどいこと言いますね。 ま:あ、そう言えば、浩之さんがこの前、K3さんは、トリ頭だからな、って言ってました けど、どう言う意味なんですか? い:三歩歩くとさっきまでのこと忘れるってことや。 K3:ひどいですね。これでも、僕は大学生なんですよ。 あ:でも、名前も言えないような大学なんでしょ? K3:名前が言えないんじゃなくて、言っても、誰もわかってくれないの! ま:そうなんですか?その大学って大根踊りとかしていたり、駅伝に出てたりするんじゃ ないんですか? K3:…そう言う奴がいるから言いたくないんだよ。あの大学とは違うの。 ま:そうだったんですか。今までそうだと思ってました。 K3:くそ!マルチもか。 い:しゃあないわ、あんたが大学に行けるってことだけでもありがたいと思わんと、外道 のくせに大学いっとるんやから。 K3:別に、外道と大学は関係ないじゃないですか。 あ:そういえば、今度はどんなお話お書くの? K3:もちろん決まっていない。 い:えらそうに言うな!それよりも、神岸さんのほうが、うちより、出てる量、多いやろ。 K3:え、そうですか?あかりちゃんが、1ページ2ページ3ページ…委員長が、半分、1 半、2半…ホントですね。このまま、あかりファンクラブに送っちゃいましょうか? あ:あ、でも、それはまずいいんじゃない? K3:なんで?いいじゃん、別に。 い:浮気度が上がって、ランクも落とされるで。このまえまで、NNがバージョンが古くて、 Ea1がEに見えとったん、ホントに落ちたんかと思ったで。 K3:ホントに僕もそう思いましたよ。それもMIDIも見えないんですよ。抹殺されたのか と… い:そやったら、うちの話書きや。 K3:でも、次はマルチでしょう。 い:なんでや! ま:うれしいいですぅ。 あ:あっじゃ、皆さんまた。 い:勝手にしめんといて! 僕のページの方でも続くのかな?

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