全ての物質が電詞情報として変換され、再構築された都市DT(デトロイト)。そこはかつて大神を降誕に失敗し、一度記憶を封じられた都市である。
日本政府の特殊部隊班長の青江は、重犯罪者アルゴを追い、自らも犯罪者という身分を偽装してDTに入市する。だが、DTは神の信託を降ろす予言塔BABELの起動や、封じられた記憶の公開を間近に控えていた。
青江は、DTを治める十三亜神の一人であり、自分の後輩であった優緒と再会して捜査を進める。だが、アルゴは亜神の一人エダムザと共謀し、王城を占拠。過去DTを壊滅の危機に陥れた神の降臨を再び起こそうとしていた……。
都市シリーズ最新作、第8の都市登場!
[都市シリーズ 電詞都市DT 上巻/川上稔/電撃文庫 表紙裏より]
案の定、あっさりと読了。……下巻早く出せー。やはりこの人の書く戦闘シーンはかっこええですわ。伯林の最終巻もすごかったけど、今回も必殺の拳持つ青江君が魅せまくりですよ。ヒロインの優緒さんはちと活躍シーンがなかったので下巻に期待だ。まあ、理術師(プログラマ)なので、ヘイゼルみたいに純皇振り回して突入なんてのは無理じゃろうが。ところで優緒が長寿族ってのは、母親の血筋なんですかね。父親は単なる日本人みたいだし。
今回の敵役(アルゴじゃない方)は、都市シリーズには珍しく「全力でもって潰せや!」と言い切れるキャラでなんともはや。これまで読んだシリーズだと、ホントに悪いやつはいなかったしなぁ。……まあ、下巻になったら「実は……」って展開がないとは言い切れぬ。
ところでデトロイトはいわゆる電脳空間にあるわけですが、そのせいで中身の半分が脚本のごとく「セリフ+ト書き」になっていて最初びびりました。Bordmodeといって、感覚情報がすべて文字で表現されている……ぶっちゃけた話チャットを眺めてるような感じなんですな。残り半分はSightmodeという普通の状態なんですが……やはり、一番オーソドックスな形態の「伯林」から都市シリーズに入ったのは正解だったかもしれん。倫敦は本に封印された都市だし、巴里は(まだ読んでないけど)全編書簡形態で書いてあるみたいだし、いきなり入るにはきっつい実験的表現形式がわりと多いですぞ。……香港はまあ、普通だったか?
さっくりと読み終わって、口絵の高機能化状態優緒っちがいたく気に入ったので壁紙作成。元絵が小さすぎていつもの方法だとどうにもならんので、今回は輪郭線を全部ベジェ曲線でなぞりました。……めんどくさくて死にそうでしたヨ。あんな単純な絵でもこないに面倒だとはなぁ。でも、さすがにベクトルデータだと輪郭が綺麗ですわな。そんなわけで完成品はいつものように楓ちんの伝言フレームからどーぞ。