James Patrick Hogan

<巨人たちの星>

星を継ぐものINHERIST THE STARS197787.3.29
月面調査隊が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。すぐさま地球の研究室で綿密な調査が行われた結果、驚くべき事実が明らかになった。死体はどの月面基地の所属でもなく、世界のいかなる人間でもない。ほとんど現代人と同じ生物であるにもかかわらず、五万年以上も前に死んでいたのだ。謎は謎を呼び、一つの疑問が解決すると、何倍もの疑問が生まれてくる。やがて木星の衛星ガニメデで地球のものではない宇宙船の残骸が発見されたが…。

ガニメデの優しい巨人THE GENTLE GIANTS OF GANYMEDE197887.4.3
木星最大の衛星ガニメデで発見された二千五百万年前の宇宙船。その正体を突き止めるべく総力をあげて調査中の木星探査隊に向かって、宇宙の一角から未確認物体が急速に接近してきた。隊員たちが緊張して見守るうち、ほんの五マイル先まで近づいたそれは、小型の飛行隊をくり出して探査隊の宇宙船とドッキング。やがて中から姿を現わしたのは、二千五百万年前に出発し、相対論的時差のため現代のガニメデに戻ってきたガニメアンたちだった。前作「星を継ぐもの」の続編として数々の謎が明快に解明される!

巨人たちの星GIANTS' STAR198187.4.18
冥王星の彼方から〈巨人たちの星〉のガニメアンの通信が再び届きはじめた。地球を知っているガニメアンとは接触していないにもかかわらず、相手は地球人の言葉のみならず、データ伝送コードを知りつくしている。ということは、この地球という惑星そのものが、どこかから監視されているに違いない…それも、もうかなり以前から…!五万年前月面で死んだ男たちの謎、月が地球の衛星になった謎、ミネルヴァを離れたガニメアンたちの謎など、からまったすべての謎の糸玉が、みごとに解きほぐされる。ホーガン入魂の三部作、ここに堂々完結!

内なる宇宙[上]ENTOVERSE199193.12.4
架空戦争に破れたジェヴレンの社会は倦怠の極にあった。いくつもの新興宗教が生まれ、人々はジェヴェックスというコンピュータによって作られる架空社会が与えてくれる快楽に酔いしれていた。そんな社会に秩序をもたらすため、おなじみのメンバー─ハント博士、ダンチェッカー教授たち─が惑星ジェヴレンに乗り込むこととなった。

内なる宇宙[下]ENTOVERSE199193.12.4
ジェヴレンに乗り込んだハント博士らは、ある日突然人格が他者のものとすり変わってしまう人物が、ジェヴレン社会に頻出していることを知った。アヤトラと名づけられた彼らは、人格変換のために狂ってしまうこともあったが、たいていは新興宗教の活動家となっている。その人格変換の正体を探るうち、ハントは新しい人格がストレスのせいで異常をきたした精神のもたらすものではなく、まったく別の宇宙から、コンピュータ・ネットワークを通じて送り込まれてきていることを発見した。われわれの想像を超えた新しい宇宙がどこかに存在している。その宇宙の正体とは何か?新しい宇宙からの侵略を、ハントたちは止めることができるのだろうか?

<その他>

創世記機械THE GENESIS MACHINE197887.3.12
若き天才科学者クリフォードは、政府機関で統一場理論の研究を進めるうち、画期的な成果をあげた。物質、電磁気力、そして重力の本質を見事に解き明かしたのだ。この理論を応用すれば、宇宙のエネルギーを自由に操り、利用することができる。使い方によれば究極の兵器ともなり得るのだ。そこに目をつけた軍部は、ともすると反抗的なクリフォードを辞職に追いやり、独自に研究を始めた。彼は私的研究機関に移り、細々と自分の研究を続けていたのだが…。

未来の二つの顔THE TWO FACES OF TOMORROW197986.7.12
レイモンド・ダイアー博士はニューヨーク市立大学で人工知能の研究をしていたが、月面の工事現場で起きた重大な事件のために、その研究の中断を申し渡された。コンピューターが誤った判断を下したため、五人の人間が危うく殺されるところだったのだ。人工知能研究の重要性を信ずるダイアーは、コンピューター管理システムの安全性を確かめるべく、宇宙空間に植民地として建造された巨大宇宙ステーションにおける壮大な規模のシミュレーションを提案した…。

未来からのホットラインTHRICE UPON A TIME198086.10.25
アメリカ西海岸で技術コンサルタント事務所を開いているマードック・ロスは、スコットランドの古城に住む引退したノーベル賞物理学者の祖父に招聘され、友人のリーとともにイギリスへ向かった。祖父が政府の助けもなく独力でタイム・マシンを完成させたというのである。半信半疑のまま地下研究室へおりたロスの前には、DEC社の大型コンピューターをはじめ、数知れぬ電子機器がもつれ合った電線でつなぎ合わされていた…。

断絶への航海VOYAGE FROM YESTERYEAR198286.12.24
地球の半分を壊滅させた第三次世界大戦の傷もようやく癒えた2040年、アルファ・ケンタウリから通信が入った─大戦直前に出発した移民船〈クヮン・イン〉が植民に適した惑星を発見、豊富な資源を利用して理想郷の建設を開始したというのだ。この朗報をうけて〈メイフラワー二世〉号が建造され、新天地を求める人々を乗せて惑星ケイロンをめざし旅立った。だが、20年の長旅の果てに一行を待ちうけていたのは、地球とはあまりにも異質な、想像を絶する奇妙なケイロン人社会だった!

造物主の掟CODE OF THE LIFEMAKER198386.11.10
およそ百万年の昔、異星の自動工場宇宙船がはからずも新星爆発を起こした星をかすめ過ぎた。その影響で電子回路に損傷を受けた宇宙船は、航空図にも載っていない衛星に自動工場を建設した。時は移って21世紀初頭、地球から放たれた無人探査機は、土星最大の衛星タイタンに着陸し、驚くべき映像を送ってきた。それは、異星船の機械が発達、進化したロボット生物の世界だった。さっそく調査のため有人宇宙船が赴くことになった、各人、各組織、各国の思惑を乗せて…。

プロテウス・オペレーション[上]THE PROTEUS OPERATION198587.10.24
1974年、世界はかつてない暗黒時代を迎えていた。第二次大戦で圧倒的勝利をおさめたナチス・ドイツが、ヨーロッパはおろか、アジアやアフリカ、さらには南アメリカまで支配していたのだ。ナチスの魔手は次第にアメリカ合衆国へと伸び、ふたたび戦争が起こるのは必至だった。そのアメリカに唯一残された最後の希望が《プロテウス作戦》だ─過去の世界に選りすぐりの工作隊を送り込み、歴史の進路をねじ曲げて、いち早くナチスの野望を叩きつぶすのだ!かくして《プロテウス部隊》は勇躍時間の流れに飛びこんだが…

プロテウス・オペレーション[下]THE PROTEUS OPERATION198587.10.24
1939年の世界に無事たどりついた《プロテウス部隊》だったが、その前途には暗雲がたれこめていた。アメリカは不況に悩み、ヨーロッパ諸国は、領土拡大の野心に燃えるナチスを見くびって、なんの対応もできないありさまだったのである。《部隊》はまず政界の第一線を退いたチャーチル議員に協力を要請、さらにアインシュタインをはじめとする当代一級の科学者たちと接触して新兵器の開発をいそぐが、ナチスを裏であやつる謎の存在が、次第にその姿をあらわしつつあった…

終局のエニグマ[上]ENDGAME ENIGMA198789.5.25
ロシア革命百年の年、ソビエトは直計1マイルを越える巨大な円環体を、地球をめぐる軌道上に作り上げた。一万二千人以上の人間が住むこの宇宙島の名は〈ワレンティナ・テレシコワ〉ソ連政府当局は、これこそ彼らの宇宙計画の平和的目標の象徴であり、マルクス体制が達成する世界の見本であると主張した。しかし、合衆国の国防総省の見方は違っていた。〈テレシコワ〉には強力なX線レーザーが積み込まれているに違いない。平和目的どころか、これこそ究極の攻撃兵器なのだ。この謎を解くため、ふたりのエージェントが送り込まれたが…。

終局のエニグマ[下]ENDGAME ENIGMA198789.5.25
監視の目をくぐって監房を抜け出したマッケインたちは、〈テレシコワ〉内部の偵察に乗り出した。西側の秘密情報筋から指示された目標を、ひとつひとつ調べていく。だが、そこにはマイクロ波発射機もなければX線レーザー・ミサイルのランチャーもなかった。では、〈テレシコワ〉はソ連のいうとおりに平和目的のスペース・コロニーなのだろうか?しかし、マッケインたちは、それでもどこか心にひっかかるものを感じていた。このコロニーはどこかが狂っている。息づまるサスペンス。あっと驚くどんでん返し。ホーガンが用意した最後の謎とは?

ミラーメイズ[上]THE MIRROR MAZE198891.11.11
西暦2000年。従来の社会システムは破綻をきたし始めていた。政府の保護という名の束縛のために、人々は勤労意欲を失い、企業の非能率化がはなはだしかったのだ。そこに華々しく登場したのが護憲党である。すべてを各々の自主性ににまかせ、政府は最小限度の干渉をするにとどめるという、この党の主張は、またたく間にアメリカ市民の心をつかみ、ついには既成政党を抑えて大統領を送り出すまでになった。おさまらないのは旧体制における権力者たちだ。このまま看過すれば、権力基盤が雲散霧消してしまうと恐れた彼らは、同じ悩みをかかえるソビエトと手を結び、新しい大統領を失脚させるための謀略戦を展開、大規模な陰謀が巡らされた。一歩間違えば世界の終末が訪れるような…。

ミラーメイズ[下]THE MIRROR MAZE198891.11.11
西暦2000年。従来の社会システムは破綻をきたし始めていた。政府の保護という名の束縛のために、人々は勤労意欲を失い、企業の非能率化がはなはだしかったのだ。そこに華々しく登場したのが護憲党である。すべてを各々の自主性ににまかせ、政府は最小限度の干渉をするにとどめるという、この党の主張は、またたく間にアメリカ市民の心をつかみ、ついには既成政党を抑えて大統領を送り出すまでになった。おさまらないのは旧体制における権力者たちだ。このまま看過すれば、権力基盤が雲散霧消してしまうと恐れた彼らは、同じ悩みをかかえるソビエトと手を結び、新しい大統領を失脚させるための謀略戦を展開、大規模な陰謀が巡らされた。一歩間違えば世界の終末が訪れるような…。

マルチプレックス・マン[上]THE MULTIPLEX MAN199295.1.28
目覚めたとき、ジャロウは七ヶ月間の記憶を失っていた。知人たちのもとを訪ねるが、誰ひとり彼のことを知らないという。それどころか、ジャロウは五ヶ月前に死亡し、みな葬式に出席したというのだ。では、このわたしはいったい誰なのか?一介の中学教師だった男を巻き込んだ奇怪な出来事。身近に残された手がかりをたぐっていくうち浮かび上がったのは、まさに彼自身がキイとなる驚くべき計画だった!宇宙にまで生活圏が広がり、世界構造が再編された近未来を舞台に本格派が描くハードSFサスペンス

マルチプレックス・マン[下]THE MULTIPLEX MAN199295.1.28
人類社会を根底から変貌させてしまう、ひとつの発明─対象は人間そのもの。それは軍部による極秘プロジェクトとして、大統領にも報告されないまま完成されており、実用化の決定を待つばかりだった。だが、この計画の中心人物である天才科学者が謎の失踪を遂げていた。究極の特殊工作員は、彼を追いつめるべく世界の壁を越えて狩りを始める。一方、計画を察知した宇宙圏側の反対勢力が、この計画を黙って見過ごすはずがなかった…二重三重に仕掛けられた罠また罠!

時間泥棒OUT OF TIME199395.12.23
ニューヨークで、ある日突如として時間の流れがおかしくなりはじめた。時計がどんどん遅れていくのだ。しかも場所ごとに少しずつ遅れかたが違う。その結果、周波数も影響をうけ、通信もままならない。著名な物理学者が言うには、「この世界と交差する他次元のエイリアンが、我々の時間を少しずつ盗み取っているのです」!?エイリアンだか何だか知らないが、とにかく時間がたりなくなっていくのは本当だ。でも、いったいどんな手が打てるというのだ?議論は果てしなくつづく。だがやがて時間のみならず物質にまで異常事態が生じはじめ…。

インフィニティ・リミテッド[上]THE INFINITY GAMBIT199197.1.27
空軍特殊部隊を辞し、作家という肩書きの裏で、今なおフリーの諜報活動を続けるバーナード・ファロン。同時に舞い込んだ二件の依頼も、当初は第三世界にありがちな小競り合いとしか、彼の目には映らなかった。内戦のさなかにある独裁政府が傭兵部隊の編成を依頼すれば、対する共和戦線は敵の動向を探ってくれという。ところがそこへ、数年ぶりに旧知の大佐が現れた。我々の国際組織〈インフィニティ・リミテッド〉のために、どちらの依頼も引き受けてほしいと。

インフィニティ・リミテッド[下]THE INFINITY GAMBIT199197.1.27
いかなる国家にも政治機構にも、どんな主義や信条にも忠誠を誓うことなく、自由な個人主義を標榜する民間組織〈インフィニティ・リミテッド〉。彼らが支持するという共和戦線側にまわったファロンは、二重スパイになりすまし、幾多の危機をかいくぐり、政府中枢部への潜入を続ける。だが、組織にとって、真に標的と定める敵は誰なのか?国家権力の背後にまで手を伸ばすことになるのか?緊迫感みなぎる未曾有の国際謀略サスペンス。


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