Gregory Benford

夜の大海の中で IN THE OCEAN OF NIGHT 1977 早川 87.5.24
ナイジェルは渦巻く塵の中、ついに空飛ぶ山塊を発見した。イカルス─1997年に突如ガスと塵の煙を吐きだし、その逸出する彗星状の運動量のために軌道が変わって、その一部が地球に衝突する可能性が生じるまでは、忘れ去られていた小惑星1566番。彼はこの小惑星を破壊するために、NASAから派遣されてきたのだ。ナイジェルは計画どおり着陸船でイカルスに接近し、地表に降りたった。だが、調査を進める彼の前に、やがて驚くべき異形の風景が…!?

星々の海をこえて ACROSS THE SEA OF SUNS 1984 早川 87.7.2
ランサー号は急ごしらえの宇宙船だった。宇宙植民地のひとつとして改造された小惑星を国際宇宙局が接収、その内部にさらに多くの部屋と核融合噴射をつつみこめるデュラリス推力発生室をつけ加えたのだ。その目的は、宇宙からの謎の通信の発信源と思われるBD+36度2147番星を探査すること。8。1光年はなれた赤色矮星めざし亞光速で飛ぶこのランサー号には、かつて〈周辺の海〉で発見された異星のコンピュータと接触した経験を持つナイジェルも同乗していたのだが…

大いなる天上の河[上] GREAT SKY RIVER 1987 早川 89.1.21
広大な宇宙へ向かって人類はようやく進出しはじめていた。だが、有機生命を敵視する機械文明との遭遇が、人類の運命を大きく変えてしまった。有機生命の抹殺をもくろむ機械文明により、地球と人類は徐々に破滅の道へと追いやられていく…それでも人類は生き延びていた。銀河中心にある年老いた恒星をめぐる惑星スノーグレイド。メカと呼ばれる機械生命の惑星改造のため、寒冷化と砂漠化が進められているこの惑星で、人類は戦いつづけていたのだ!

大いなる天上の河[下] GREAT SKY RIVER 1987 早川 89.1.21
定住の地〈城塞〉を機械生命のメカに破壊されて流浪の民となった人類は、メカに見つからぬよう逃げ回るだけの存在になりはてている。だが、そのメカに対抗すべく人類は自らの体を機械化していた。あらゆるデータを網膜に直接投影したり、電波を臭気として感じることもできる。死亡直後の脳髄から情報を取り出し、それをチップの形で生き残った者の体に埋め込み、死者との会話も可能になっているのだ。圧倒的な力を持ち、人類を虫けら同然にみなす機械生命のメカに戦いを挑む人々の姿を、ネビュラ賞受賞作家が迫力ある筆致で描く傑作長編

光の潮流[上] TIDES OF LIGHT 1989 早川 90.7.24
はるかな未来、有機生命の抹殺をもくろむ機械生命メカの仮借ない攻撃に、惑星スノーグレイドの人類は滅亡寸前にまで追いつめられていた。ビショップ族のキリーンとその仲間は、メカの襲撃に窮地に立たされながら、古代地球人の遺産である宇宙船〈アルゴ〉を発見し、スノーグレイド脱出に成功、新たな故郷を求めて旅立った。そしていま、彼らの前に居住の可能性を示す惑星が現れた。メカのものらしいステーションを避けて惑星に着陸しようとしたキリーンたちだったが、突如〈アルゴ〉が制御不能におちいりステーションに向かいはじめた…!?

光の潮流[下] TIDES OF LIGHT 1989 早川 90.7.24
ステーションはやはり、メカのものだった。メカの統御するシステムによる攻撃を受けたキリーンたちは反撃に転じ、ステーションからの脱出に成功した。しかし、それもつかの間、惑星をめざさんと意気上がる一行の前に、驚くべき報告が入った。どこからともなく現れた巨大な光のリングが、惑星を切り裂きはじめたのだ!人類の知識と想像力をはるかに越えた謎にキリーンたちは立ち向かうことになるが…

荒れ狂う深淵 FURIOUS GULF 1994 早川 95.11.25
機械生命メカの執拗な攻撃を受け宇宙船アルゴに乗り組んだ人類は銀河系の真の中心─イーターと呼ばれる巨大なブラックホールへと追いやられていた。だがまさにそのとき、星がひとつ、イーターにより引き裂かれた!その想像を絶するエネルギーは、開闢モメントを引き起こす。脱出への一縷の望みをたくし、宇宙船アルゴはブラックホールを包むエルゴ空間へ、荒れ狂う深淵へと突入していったが…

輝く永遠への航海[上] SAILING BRIGHT ETERNITY 1995 早川 97.7.5
機械生命に追われ銀河中心のブラックホールを包む領域に進入した人類の末裔、ビショップ族。その一員トビーは仲間とはぐれ、時空を素材に作られたエスティ空間に迷い込んだ。さまよう彼の前に出現したのはナイジェルと名乗る謎の男。この男こそが人類として初めて機械生命と接触し、以来三万年余も人類を見守ってきたのだ。機械生命に打ち克つ鍵を求め、トビーはナイジェルと共に知識の源〈銀河系図書館〉に赴くが……!?

輝く永遠への航海[下] SAILING BRIGHT ETERNITY 1995 早川 97.7.5
一方、ビショップ族の長キリーンも、息子トビーの行方を探してエスティ空間を放浪していた。その途上、彼はマンティスと呼ばれる機械生命と遭遇した。マンティスによれば、どうやら機械生命は、キリーンの父を筆頭にした三世代のビショップ族の遺伝子に隠された情報を欲しているらしい。実はその情報こそ機械生命を破滅に導く切り札だった……宇宙物理学の最新理論を元に未来宇宙の姿を鮮烈に描く壮大なシリーズ、堂々完結

アレフの彼方 AGAINST INFINITY 1983 早川 87.7.26
見渡すかぎりの氷とアンモニアの川、希薄な大気しか持たぬ荒涼の地─太陽系で最大の衛星ガニメデに、今や人類は植民地を築いていた。遺伝子工学や、核融合の技術により、ガニメデの地球化も着々とすすめられている。だが、そこにアレフがいた。はるかなる過去に異星の文明が残したといわれるロボットとも生物ともつかぬ謎の存在。その動きを止めようとする人々の存在も知らぬげに、アレフはセツルメントを破壊し、人や動物を踏みつぶしていく…過酷なガニメデの自然を背景に、アレフを追跡する人々の苦闘を、堅実な筆致と息もつかせぬ展開で鮮やかに描く傑作ハードSF

木星プロジェクト JUPITER PROJECT 1980 早川 88.8.25
太陽系最大の惑星─木星。神秘に満ちたこの巨大惑星に、はたして生命は存在するのか?この問題の究明こそ、地球を遥かに離れ、木星軌道上をめぐる観測ステーションで暮らす人々にとって、最重要の課題だった。木星をとりまくメタンやアンモニアの大気の奥深くまで、いくつもの探査機が投入された。だが生命はもちろん、その存在を暗示する証拠すら、なにひとつ発見されなかった。ついに地球の国際宇宙局は、経済的な理由からプロジェクトの中止を決定したが…

タイムスケープ[上] TIMESCAPE 1980 早川 88.6.27
1988年、世界は破滅に向かって突き進んでいた。慢性的な異常気象、食糧難、エネルギー危機…北アフリカでは旱魃で住民が次々に餓死していく。そして南アフリカ沖で発生した赤潮は、地球規模での大災厄の前触れだった。だが、すべては1960年代以降に使われはじめた農薬などの化学物質による環境汚染が原因なのだ。過去を変えぬかぎり、世界は救われない─そこでケンブリッジの物理学者ジョン・レンフォードは、光よりも速い粒子タキオンを使って過去へ通信を送ろうと考えたが !?

タイムスケープ[下] TIMESCAPE 1980 早川 88.6.27
1962年、カリフォルニアは平和だった。抜けるような青空の下、道には椰子の木が立ち並び、ラジオからはビーチ・ボーイズの曲が流れる。海の向こうで激化するヴェトナム戦争も知らぬげに、波打ち際では若者がサーフィンに興じている。だが、カリフォルニア大学の物理学者ゴードン・バーンスタインは、核磁気共鳴実験に混入する雑音に悩まされていた。もちろん、それがゴードンの人生を、さらには世界の運命までも一変させる鍵であるとは知るはずもなかった…ついに雑音の謎を解明したゴードンを待つ驚くべき真実とは?

時空と大河のほとり IN ALIEN FLESH 1986 早川 90.1.22
人類文明発祥の地、エジプト。いまなお古代文明の残り香が漂うこの土地に、エイリアンは興味を示した。やがて彼らの壮大なプランが実行に移されたとき、エジプトは天地創造以来の大激変に見舞われた…新たな神話の誕生を描く表題作。ひたすら加速しつつ大宇宙を飛びゆく宇宙船の物語「相対論的効果」。冷凍睡眠で未来社会に甦り、ジョン・レノンだといつわってスターの座を狙った男の悲喜劇「ドゥーイング・レノン」など、現代ハードSFの旗手のバラエティ豊かな傑作中短編を一同に結集したベンフォード・ユニバースへのガイドブック登場!

収録作品:ガラスの上の血/異星人の体内に/時の破片/リディーマー号/ボット泥棒/相対論的効果/近づく真昼/嵐のメキシコ湾へ/白い生き物/ミー/デイズ/時空と大河のほとり/写真/ドゥーイング・レノン

時の迷宮[上] ARTIFACT 1985 早川 90.11.29
ギリシアで紀元前15世紀のミュケナイ文明の遺跡を発掘していたボストン大学の美人考古学者クレア・アンダースンは、同僚のジョージとともに驚くべきものを見つけた。これまでミュケナイ文明の遺跡から出土したこともない遺跡が、古代の王が埋葬されている墳墓に隠されていたのだ。それは、黒い石灰石でできた縦横一メートルの立方体だった。その側面には琥珀でできた長さ十センチほどの角が埋め込まれていた。これは三ヶ月にわたる発掘作業で最大の発見だった。だがこの苦労のすべてを水の泡にする事件がクレアたちを待ち受けていたのだ…!

時の迷宮[下] ARTIFACT 1985 早川 90.11.29
アメリカとの共同発掘のギリシア側の責任者であるアレクサンドロス・コントス大佐は、突然アメリカの学者たちに二週間以内に調査隊を解散し、発掘現場から立ち去るよう要求した。しかも、コントス大佐は発掘続行の見返りにクレアにいかがわしい申し出までしてきたのだ。考古学史上前代未聞の出土品の調査をどうしても続けたかったクレアは、ついにとんでもない計画を実行に移したが…!?恐るべき怪物を封じ込めた古代の遺物をめぐるアメリカ・ギリシアの争いを、科学者作家ベンフォードが息もつかせぬ展開と壮大なスケールで描く傑作冒険SF

彗星の核へ[上] HEART OF THE COMET 1986 早川 88.2.7
2061年、エドマンド・ハレー号は、近日点通過の後再び太陽系外へと向かうハレー彗星核とのランデブーに成功した。調査隊400人のメンバーは、これから彗星に乗って、約80年に及ぶ調査研究の旅にでるのだ!地下における居住・研究施設の建設、旅のほとんどを隊員が眠って過ごすためのスリープ・スロット、及び軌道制御用ランチャーの設置…やるべき仕事は山のようにあった。だが、ほとんどの隊員が眠りにつき、第一当直が万事順調にスタートしたと思われたまさにその時、恐るべき災厄が隊員たちを襲った…(David Brinとの共著)

彗星の核へ[下] HEART OF THE COMET 1986 早川 88.2.7
2092年、ハレー彗星調査隊は絶滅の危機に瀕していた。遺伝子改造を受けた新人類である“バーセル"とそうでない人類“オーソ"間の対立による調査隊の分裂、彗星土着生物による疫病のために次々と斃れていく隊員たち、地球に帰還するためには是非とも必要な軌道制御用〈小突き〉ランチャー建設の遅れ…しかも、彗星生物に汚染された調査隊の帰還を望まない地球政府は、密かにハレー彗星破壊のための陰謀をめぐらしていたのである!(David Brinとの共著)

もし星が神ならば IF THE STARS ARE GODS 1977 早川 88.12.22
2017年、太陽系に突如として、巨大な恒星間宇宙船が飛来した。人類の長年の夢だった地球外知性との交流が、ついに幕を開けたのだ!異星テクノロジーを入手すれば、銀河系へ雄飛することも不可能ではない。かくして、火星探検で勇名をはせ、今は天文学会の重鎮となっているブラッドリイ・レナルズが、公式使節として異星船に赴いた。だが、キリンに似た異星人はテクノロジーについては口をつぐみ、ただ太陽に関する情報がほしいと謎めいた言葉を繰り返すばかりだった…(Gordon Eklundとの共著)

シヴァ神降臨[上] SHIVA DESCENDING 1980 早川 90.5.30
天文学者が驚くべき観測を報告した─それは巨大な流星体群が地球に接近しているというものだった。軌道計算によれば、衝突は避けようがない。インド神話の破壊神からシヴァと名付けられたこの天体には、さらにやっかいな性質が発見された。流星群の核をなす巨大隕石は多量の鉄を含んだ硬質の球だったのだ。科学者たちはミサイル攻撃によるシヴァの破壊を検討したが、不可能と判明。ならば、せめて核弾頭で軌道を変えることはできないか?高度な技術を要する作戦遂行のため、選りすぐりの宇宙飛行士によるプロジェクト・チームが編成された…(William Rotslerとの共著)

シヴァ神降臨[下] SHIVA DESCENDING 1980 早川 90.5.30
激突すれば人類の滅亡は必至の巨大流星群。ついに、そのかけらが各地に多大な被害を与えはじめた。降り注ぐ隕石によりクリーヴランド、チュニスが壊滅。チリ、日本、カリフォルニアは地震にみまわれ、ホノルルは大津波に沈んだ。さらには、恐慌におちいった民衆の暴動が各地で相次ぎ、要人が暗殺され、シヴァ迎撃をはばまんとする運命論的宗教団体の妨害行動まで始まった。指導者たちの苦悩をよそに、運命の瞬間は刻一刻と迫っていた…(William Rotslerとの共著)


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