<銀河帝国興亡史> |
ファウンデーション | FOUNDATION | 1951 | 早川 | 92.4.18 |
第一銀河帝国は、何世紀にもわたって少しずつ、だが確実に頽廃と崩壊を続けていた。しかし、その事実を完全に理解している人間は、帝国の生んだ最後の天才科学者─ハリ・セルダンただ一人であった!彼は自ら完成させた心理歴史学を用いて、帝国の滅亡と、その後に続く三万年の暗黒時代を予言したのだ。だが人類にとって救いがないわけではなかった。滅亡へと向かう巨大な慣性を、ほんの少しでも偏向できれば─かくて暗黒時代をただの千年に短縮するため、セルダンはふたつの"ファウンデーション"を設立したのだが…。巨匠が壮大なスケールで描く宇宙叙事詩! |
ファウンデーション対帝国 | FOUNDATION AND EMPIRE | 1952 | 早川 | 92.4.18 |
天才科学者ハリ・セルダンによって辺境の惑星ターミナスに、第二銀河帝国樹立のための種子として"ファウンデーション"が設立されてから二百年が経過した。はじめは百科事典編纂者の小さな共同社会として発足したファウンデーションだったが、まず周囲の野蛮化した諸惑星を併合し、ついで帝国から離脱した将軍たちを打ち破り着々とその版図を拡大していった。だが、次に彼らの前に現われたのは、怖るべき敵─死につつあるとはいえいまだ全宇宙の人口と富の四分の三を支配している帝国の最後の狂暴な攻撃であった! |
第二ファウンデーション | SECOND FOUNDATION | 1953 | 早川 | 92.4.18 |
設立後300年にして、第一ファウンデーションは瓦解してしまった。ハリ・セルダンが予見できなかったもの─ただ一個の人間、超能力を持つ突然変異体ミュールの圧倒的な力と対決し、破れさったのである。だが、まだセルダンによって設置されたもう一つのファウンデーション、謎につつまれた第二ファウンデーションが残されていた。ミュールにとってはその銀河系征服を完遂するために、またファウンデーションの生き残りにとってはそれを阻止するために、両者による第二ファウンデーションの探索が開始されたのだ! |
ファウンデーションの彼方へ | FOUNDATION'S EDGE | 1982 | 早川 | 92.4.18 |
第一銀河帝国の末期、天才科学者ハリ・セルダンは、自ら完成させた心理歴史学を用いて、帝国の滅亡を予言した。彼によれば、このままではその廃虚から第二帝国が勃興するまでに人類は3000年に及ぶ暗黒時代を耐え忍ばねばならないという。だが、救いがないわけではなかった。この滅亡へと向かう巨大な慣性の流れを、ほんの少しでも偏向させることさえできれば、暗黒時代をただの1000年に短縮することができるのだ!かくてセルダンは“ファウンデーション"と呼ばれる科学者のコロニーを二つ設立した。自然科学を専門に扱う第一ファウンデーションと、心理歴史学および精神科学関係の科学者の世界である第二ファウンデーションとを。そして、500年の時が流れた…。いまや、第一ファウンデーションはその力の絶頂にあるかに見えた。まず野蛮な状態に逆行した周辺惑星を支配下におき死にかけた帝国を打ち破り、恐るべきメンタル・パワーを持つミュールを、そして第二ファウンデーションをも打ち負かしてきた500年…。第一ファウンデーションは、第二帝国勃興に向けて、着実に歩み続けているかに見えた。だが、その見せかけを信じない男がひとりだけいたのである…。 |
ファウンデーションと地球 | FOUNDATION AND EARTH | 1986 | 早川 | 92.5.3 |
3カ月前、あの有能で世間知らずな学者ペロラットとともに、トレヴァイズはターミナスを発った。考古学者であるペロラットは遥かな昔に見失われた地球のありかを突き止めたいという情熱に駆られており、トレヴァイズは自分自身の真の目的─第二ファウンデーションの発見─を隠すために彼を利用したのだ。二人は地球を発見することはできなかった。だがそのかわりに、ゲイアを見いだしたのである。やがて、第一、第二両ファウンデーションとゲイアとの間で行われた壮絶な戦い…。そしていま、地球を探しているのは、かれ、トレヴァイズのほうであった。銀河系の未来の担い手としてゲイアを選んだ彼の選択は、果たして正しかったのか?その答えが地球にあると、彼の“直観力"が告げていたからだ。ペロラット、ブリスとともに旅立ったトレヴァイズは、まずコンポレロンへ、ついでオーロラ、ソラリアへと探索を続けていったが…。 |
ファウンデーションへの序曲 | PRELUDE TO FOUNDATION | 1988 | 早川 | 92.5.3 |
銀河帝国の首都トランターへ、惑星ヘリコンから一人の男がやってきた。男の名はハリ・セルダン。トランターでの数学の学会に出席するためだった。セルダンはその研究発表の中で、数学理論の応用により人類社会の未来を予知できる可能性を示した。無事に発表を終えたセルダンだったが、故郷への帰途につこうとする彼のもとに突然、帝国皇帝クレオン一世からの召喚の知らせが届いた。セルダンが心理歴史学と呼ぶこの理論の存在を知った皇帝は、これをうまく利用すれば、帝国に長く平和をもたらすことができると考えたのだ。だがもし帝国の転覆をはかる反対勢力に先に利用されれば、逆に帝国は崩壊の危機をむかえることになる。それを見越して皇帝は先手を打ち、セルダンを呼び寄せたのだが… |
ファウンデーションの誕生 | FORWARD THE FOUNDATION | 1993 | 早川 | 95.10.24 |
第一銀河帝国の崩壊を予見した科学者セルダンは、自ら発展させた心理歴史学を実用的な学問として完成させるために、帝国の主都惑星トランターに留まる決意をした。だが、その行く手には数々の難問が待ち受けていた。セルダンの友人で、心理歴史学を陰ながら保護する首相エトー・デマーゼルを失脚させようとする企み…凡庸だが平和主義者で、セルダンに好意的な皇帝クレオン一世の暗殺計画…いずれも、一つ間違えば帝国衰亡の速度を大幅に加速する事態になりかねず、セルダンは全力で問題に対処してゆく。だが皮肉にも、人民にとって不吉な予言を伝達するセルダン自身がトランター住民の怒りを買い、執拗な攻撃を受けることになってしまった!全人類の運命を担った男の波瀾万丈の半生を通じて、ファウンデーションの誕生と新たな秩序の確立に至る道筋を鮮烈に描き出す〈銀河帝国興亡史〉最終巻! |
<ロボットもの> |
われはロボット | I, ROBOT | 1950 | 早川 | 92.4.12 |
1996年に製造され、ウェストン家で八歳の少女グローリアの最愛の友となった子守り用ロボットのロビイ、第二次水星探検で活躍したSPD13号、テレパシイ能力を持つRB34号など…単なる機械にすぎなかったロボットから、人間そっくりの行動と考え方をする優秀なロボットまで、さまざまなロボットの開発史を、〈ロボット工学三原則〉の生みの親である巨匠アシモフが、ユーモアと論理を駆使して描き出す傑作短編集! 収録作品:ロビイ/堂々めぐり/われ思う、ゆえに/野うさぎを追って/うそつき/迷子のロボット/逃避/証拠/災厄のとき |
ロボットの時代 | THE REST OF ROBOTS | 1964 | 早川 | 98.7.11 |
月世界開発用に調整されたロボットが地球で行方不明となって始まる大騒動―「AL76号失踪す」ほか、地球から派遣されたロボットと木星人との奇妙な邂逅を描く「思わざる勝利」、人間より美男子の召使いロボットと女主人との間に芽生えた恋の顛末「お気に召すことうけあい」、お馴染みキャルヴィン博士が〈ロボット法三原則〉を用いて大活躍する「危険」「校正」など八篇収録。名作『われはロボット』の姉妹短編集登場 収録作品:AL76号失踪す/思わざる勝利/第一条/みんな集まれ/お気に召すことうけあい/危険/レニイ/校正 |
夜明けのロボット[上] | THE ROBOTS OF DAWN | 1983 | 早川 | 94.6.25 |
かつて銀河系へ進出した地球人の末裔が宇宙国家連合を形成し宇宙をわが者としている現在、地球は孤立し、宇宙進出もままならない。その地球に、宇宙国家連合の指導者格である惑星オーロラが助けを求めてきた。人間そっくりのヒューマンフォーム・ロボットの破壊事件がおこり、その捜査を刑事ベイリに依頼してきたのだ。ただ一人の容疑者はそのロボットの生みの親ファストルフ博士。ベイリはさっそくオーロラへ赴くが!? |
夜明けのロボット[下] | THE ROBOTS OF DAWN | 1983 | 早川 | 94.6.24 |
惑星オーロラで、ベイリはジスカルドとダニールという二人のロボットとともにロボット破壊事件に取り組むが、捜査は難航をきわめる。容疑をかけられたファストルフ博士は、オーロラきっての親地球家。その博士が失脚すれば、地球の宇宙進出を封じようとする過激論者が主導権を握り、銀河系での地球の立場が危うくなる。地球人80億人の命運がかかったこの事件をベイリは解明できるのか !? |
<その他> |
神々自身 | THE GODS THEMSELVES | 1972 | 早川 | 91.1.21 |
西暦2070年。研究室の試薬ビンを手にした化学者フレデリック・ハラムは驚愕した。タングステンが入っているはずのそのビンには、われわれの宇宙には存在しないプルトニウム186が入っていたのだ!それは〈平行宇宙〉からタングステンとの交換に送られてきたらしい─〈平行宇宙〉ではタングステン186が、我々の宇宙ではプルトニウム186が無公害でコストゼロのエネルギー源となる。かくて〈平行宇宙〉とのエネルギー源の交換がエレクトロン・ポンプを通して行われることとなった。だが、この取り引きには恐るべき罠が隠されていた!米SF界の巨匠が満を持して放つ最高傑作 |
ネメシス[上] | NEMESIS | 1989 | 早川 | 97.2.9 |
時は2220年。植民衛星ローターの天文学者ユージニアは、太陽からわずか2光年のところに未知の恒星を発見した。おりしも地球からの独立を望んでいたローターの指導者ピットは、秘密裏に太陽系脱出を計画。独自に開発したハイパー・アシスト駆動を利用して、衛星の住民ごと新世界へ旅立った。だが、人類の新たな故郷になるはずのこの星―ネメシスは、やがて太陽系に恐るべき打撃をもたらすことになる災厄の星だった! |
ネメシス[下] | NEMESIS | 1989 | 早川 | 97.2.9 |
平穏な軌道を描いていると思われたネメシスは、実は太陽に向かって直進しつづけていた!太陽系に達するのは5000年後だが、人類の避難はすぐにも始めねばならない。だがローターの独立に拘泥するピットは、この事実を地球に報告することを拒否。対立するユージニアとその娘をネメシス系の衛星エリスロに追放してしまう。しかし、そこには新たな驚異が……巨匠アシモフが未来史の設定を離れて描いた最後の本格宇宙SF! |
木星買います | BUY JUPITER AND OTHER STORIES | 1975 | 早川 | 92.4.20 |
銀河の彼方から地球を訪れた、人類よりはるかに高度な異星人は奇妙奇天烈な取り引きを申し出た─太陽系最大の惑星である木星を「買いたい」というのだ。はたして異星人の真意は?表題作ほか、光の彫刻家として名高い貴婦人が、なぜロボット技師を殺したかを描く「光の韻律」、雨を極度の嫌う奇妙な隣人の話「雨、雨、向こうへ行け」、小説を書く猿とSF作家の対決を描きだす「猿の指」などヴァラエティ豊かな珠玉の24短編を収録。さらに、作者一流のユーモアとエスプリに満ちた語り口で作品の舞台裏を披露する楽しいエッセイも交えて、巨匠アシモフ博覧会の開幕! 収録作品:ダーウィンの玉突き場/狩人の日/シャー・ギード・G/バトン・バトン/猿の指/エヴェレスト/休止/望郷/それぞれが開拓者/空白!/蜜蜂は気にかけない/ばか者ども/木星買います/父の彫像/雨、雨、向こうへ行け/創建者/地獄への流刑/問題の鍵/適切な研究課題/2430年/最大の資産/好敵手/チオチモリン、星へ行く/光の韻律 |
アシモフのミステリ世界 | ASIMOV'S MYSTERIES | 1968 | 早川 | 92.4.20 |
月面上で前代未聞の殺人事件が発生した。月世界自治領が建設されて50年、宇宙船の爆発や宇宙服の故障などによる事故で、凍死したり、窒息死したり、墜死した人間はいた。だが、交通手段の限られた月でわざわざ殺人を犯す者などいなかったのだ。しかも捜査当局には犯人の目星はついているにもかかわらず、その容疑者には崩すに崩せぬアリバイが…「歌う鐘」をはじめ、地球や月面、宇宙空間で起こる難事件を、自室から一歩も出ずに次々と解決する変人で旅行嫌いの地球外環境学者アース博士の活躍を描く連作短編やデビュー作の「真空漂流」を含む傑作SFミステリ13篇を収録 収録作品:歌う鐘/もの言う石/その名はバイルシュタイン/やがて明ける夜/金の卵を生むがちょう/死の塵/ヒルダぬきでマーズポートに/真空漂流/記念日/死亡記事/スター・ライト/鍵/反重力ビリヤード |
夜来たる | NIGHTFALL ONE | 1969 | 早川 | 92.4.20 |
二千年に一度の夜が訪れたとき、人々はどう反応するだろうか…六つの太陽に囲まれた惑星ラガッシュを舞台に、"夜"の到来がもたらすさまざまな人間模様を描き、アシモフの短編のなかでもベストの評価をかち得た、SF史上に名高い表題作はじめ理想的な植民惑星に見えたセイブルック星にひそむ恐るべき陥穽をスリリングに綴る「緑の斑点」、ほかの知的生命体と異なりなぜ地球人のみが不死ではないのかを研究する異星人がたどりついた皮肉な結論「ホステス」など、バリエーション豊かな短編の数々を、著者の軽妙な詞書きにのせて贈る、アシモフの面目躍如たる傑作短編集! 収録作品:夜来たる/緑の斑点/ホステス/人間培養中/C-シュート |
夜来たる(長編版) | NIGHTFALL | 1990 | 創元 | 98.7.11 |
六つの太陽が空をめぐる惑星。この世界では一瞬たりとも陽光の途絶えたことが泣く、人々は闇というものを知らずに文明を謳歌してきた。だが、若き天文学者が思いもよらぬ事実を察知した。この星に、二千年に一度の夜が来る。誰も体験したことのない恐るべき闇夜が!宗教団体が勃興し、ジャーナリストが嘲笑し、問題の一夜のためのシェルターが建造されるなか、着々とその時は迫る。(Robert Silverbergとの共著) |
カリストの脅威 | THE EARLY ASIMOV | 1971 | 早川 | 96.3.14 |
英国の出版社から「まだ短編集に収録されていない初期の短編があればぜひ出版したいのだが」との問い合わせがあった。いったんは断ったアシモフだったが、すぐに思い直した。それらの短編はそれほど悪い出来ではないし、歴史的な価値もあり、さらに自伝的な説明をちりばめれば、よりいっそう興味深いものになるに違いない! 収録作品:カリストの脅威/太陽をめぐるリング/一攫千金/時の流れ/恐ろしすぎて使えない武器/焔の修道士/混血児/秘密の感覚 |