滝川羊

<神々の砂漠>

風の白猿神 1995 富士見 95. 1.23
 人類と〈機械知性〉とが死闘を繰り広げた〈聖戦〉から百年。地球の三分の一を覆う砂漠の中に、その少年はいた。古城宴。九年前、謎の壊滅をとげた東京シティの生き残り。現在は“大槻キャラバン”の一員として戦闘空母“箱船”に乗り込んでいる。
 彼は今、仲間の少年たちとともに船を離れ、聖戦時の遺跡の発掘をしていた。作業用アームの先が何か硬いものに当たる。丸いシルエット。“神格匡体”だ!
 人の想像力を現実の力にかえ、神話の神々を地上に顕現させる究極の兵器──。
 宴たちは期待と畏れに躍る胸を圧え、慎重にその白い匡体を掘り出していく。それが白猿神ハヌマーン、そして謎を秘めた少女シータとの出会いだった……。
 吹き抜ける風は熱く乾き、雷鳴は波乱を告げて轟く。少年よ、今こそ旅立ちだ!
 選考委員大絶賛のSF冒険ロマン。第六回ファンタジア長編小説大賞受賞作!!


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