<風の大陸>

邂逅編 1988 富士見 88.11.24
 滅びつつある大陸。荒涼たる砂漠を旅するひとりの若者がいた。頭巾からのぞくその顔は女と見まごう美貌。人を魅了してやまぬ紫と緑の瞳はどこか遠くを見つめていた。華奢なその身の裡に大いなる力を秘めた青年アウル・トバティーエ。
 何処へ、何をめざすのか、孤独な旅を続ける彼は、月の光の導きのまま、ひとりの男装の美少女と出会った……。
 「月刊ドラゴンマガジン」で絶賛を受けた『風邪の大陸』。その主人公三人、ティーエ、ラクシ、ボイス、それぞれの秘められた悲しい過去と三人の出会いを描き、壮麗なるロマンの開幕を告げる特別書き下ろし長編、待望の登場。

精霊の歌 1989 富士見 89. 4.22
 荒涼たる砂漠を旅する、三人の若者がいた─赤銅の少年ラクシ、鉄色の偉丈夫ボイス、そして白皙の美少年ティーエ。不思議な由縁に結ばれ旅をつぢける三人のゆくてには、次々に怪異な事件が待ちうけていた。
 呪いのかけられたオアシスの町、死者のために造られた都、地下に隠れ潜んだ都市──。
 砂漠に精霊の歌が聞こえる時、ティーエの“世界”を表わす紫と緑の瞳には、何が映しだされるのだろうか?
 大好評のファンタジーロマン、早くも第二部登場!

風雲の都市 1989 富士見 89.10.23
 ティーエ、ラクシ、ボイスの三人は、広大な砂漠を越え、ト・アデルにたどりついた。
 ラクシの生まれ故郷、かつてのイタール公国であるこの都市で、彼らはみずからの運命に直面する。
 イタール再興の陰謀に巻き込まれ、公女として生き方の選択を迫られるラクシ。“世界の相”を持つ者としてアドリエ王国の暦博士グラウルに狙われるティーエ。
 アドリエ王イルアデルとの宿命に結ばれた出会い──。
 破滅の予感の中、大陸の命運をかけた壮麗なドラマが幕を開ける。

宿命の都 1990 富士見 90. 4.23
大陸で三指に入る版図を有する、北の雄──アドリエ王国。人口十万を越える首都大アドリエ市に、オルボとジッタを加えたティーエたち一行は、歩を進めた。
 「この都で、私は“運命”と出会うのです」
 ケイローンの予言にしたがって都を行くティーエの姿を、水晶球の中に映し出す者──伝説の大魔術師ラグルド老。グラウルの師である彼の、遠隔魔術がティーエを襲う!そしてラクシたちに、黒影団の魔の手が忍び寄る!
 圧倒的な人気に応えて贈る、超ヒットシリーズ第4巻!!
 ──琥珀色の大陸を、蒼く壮麗なる疾風が吹きぬける……。

葛藤の都 1991 富士見 91. 5. 8
 アドリエを襲った地震は、大地ばかりでなく、人の世をも揺り動かした。
 〈世界〉を追い求めながら、地震に秘められた信実を探るグラウルとその師ラグルド。グラウル追い落しを狙い、策謀をめぐらす宰相バルド。
 そして、王の最愛の妹、マレシアーナ姫もまた、アドリエ王国の重鎮、ゼルフト元帥と接触していた……。
 イルアデルの宮廷に暗雲が迫る!
 一方、オルボら反アドリエ組織も活動の機会をうかがっていた。盟主に望まれたラクシの決断は!?ティーエと“運命”との出会いは?
 超人気シリーズ第五弾!!

双影の宮殿 1992 富士見 92. 4.26
 “世界の相を持つ者に告ぐ。仲間の命が気にかかるならば出頭せよ──アドリエ国王イルアデル”
 捕えたラクシを人質に、ティーエを虜にしようとするイルアデル。
 ティーエもまた、みずからの意志でラクシを救出すべく、行動を開始した。実の叔母であるトバ神殿の巫女王、システィリナにティーエは協力を求める。
 愛しい甥、そして世界の相を有するものとの出会いに、巫女王は歓喜する。だが同時に巫女王は、アドリエに波乱の予兆があること、その中心となるのがティーエであることを予見していた……。
 様々な人々の思いを飲み込みながら、運命の糸車は廻り続ける──。
 華麗なる幻想絵巻、待望の第6弾!!

祭礼前夜 1993 富士見 93. 3.13
 新イタール公国公女ラクシの身代わりとして、ティーエはアドリエ王宮の人質になっていた。
 ティーエとの心の邂逅を拒み続けるアドリエ王イルアデル。〈魂の双子〉たる自らの“能力”に目覚めないイルアデルを、ティーエはただ静かに見守っていた。だが、兄イルアデルを無きものにしようとする妹姫マレシアーナの策謀が、一人の奴隷の少女アナイアを非業の死に陥れる。それはまた、ティーエにとっても辛く悲しい一夜の始まりであった……。
 国を上げての祭典“海の大祭”を目前に、アドリエの王宮は波乱の予感に搖れ動く。
 ――超人気シリーズ、待望の第七巻!

天命の大地 1993 富士見 93.10.23
 大陸三大国家のひとつ、北方の覇者アドリエ王国。その首都大アドリエ市は、荘厳なる祭事“海の大祭”に沸いていた。
 かの国の若き王にして〈魂の双子〉であるイルアデルと共に、ティーエは王宮の祭列の中にあった。式典の最中、群衆で満ちた都市を地震によって引き起こされた大津波が襲う!混乱の中で、ティーエとイルアデルは〈世界の相〉が持つ力に目覚め、そして奇跡を成し得た!!
 ついに真の邂逅を果たし、天命を知りえた二人。だが無常なる運命の神は、残酷なまでに悲しい宿命を、大陸を導くものたちに担わせようとしていた……。
 ──哀なる嵐吹き荒れるアドリエ篇、堂々の終章。壮麗なる歴史幻想絵巻。
 空前の人気に応えて贈る第八巻!

天命の時 1994 富士見 94. 4.30
 妹姫マレシアーナの策謀により、若きアドリエに王イルアデルは、その短い生涯の幕を下ろした。
 “大陸を救う”という宿命を、ティーエと共に背負うはずだった〈魂の双子〉イルアデル。自らの半身ともいえる存在の死に、ティーエは心を固く閉ざし眠りについてしまう。
 ひたすらに“自己の消滅”を望む彼の心に、巫女王と魔術師ラグルドは生命を賭して語りかける──生きよ、愛する者たちのために……と。
 だがマレシアーナの毒牙は、予期せぬ早さで彼らに迫っていた!
 ティーエ、ボイス、ラクシ─三人の新たなる旅立ちを描く太陽帝国編、序章。超ヒットシリーズ、堂々の第九部!

太陽の都 1995 富士見 95. 4.22
 大陸でもっとも古い歴史を持ち、“闇を知らない都”と讃えられるアステ・カイデ。世界の中心とも言うべきこの都に、運命の人ティーエはいた。滅亡の危機に瀕した大陸を救う──自らに課せられたこの宿命をいかに成し遂げるか──この都でその方法を探ろうというのである。
 生活の糧を得るために占い師稼業を始めたティーエは、しかし、たちまち都の権力者の関心を引いてしまう。客の一人が“ロオヌの秘薬”を使って暗殺を企てていることをティーエは言い当てた。この客というのが、次期皇帝候補とも噂される第三侯バタナルの側近だったのである。そして、この一件をきっかけに、ティーエは思わぬ事件へと巻き込まれてゆく。
 紫緑の瞳に新たなる決意を灯して、運命の人ティーエの新たなる旅が始まる。超人気の大河ロマン、堂々第十部の登場。

月神殿 1995 富士見 95.10.23
 「闇を知らない都市」と世に謳われる華やかな都アステ・カイデにも、ヒタヒタと衰亡の足音が近づいていることをティーエは感じていた。権力の乱れ、邪教崇拝、天変地異。それを象徴するかのように夜空に凶々しく輝くエネリオンの星……。
 だが、この虚栄の都でティーエは清らかな少女レイトリンと劇的な出会いを果たす。輝くばかりの美貌と高潔な魂を待つレイトリンは、月神殿の巫女王であった。レイトリンの魂にティーエは自分と近いものを感じ、急速にひかれてゆくのだが……。
 超人気大河ロマン、いよいよ第11部、ティーエの魂の彷徨が始まる!!

太陽神殿 1996 富士見 96. 4.25
 巫女王レイトリンとティーエはついに相まみえた。2人が出会った瞬間、小鳥たちは歌をうたい、小動物は跳びはね、木々や草の花がいっせいに花開いた。ティーエの激しい歓びの心に周りが感応したのだ。
 黄金に輝く清らかな魂を持ち、その姿かたちも花のように美しいレイトリン。彼女に対するティーエの想いは、魂の近い人間に対する親しみだけなのか。それとも……。
 一方、ラクシも“水の貴公子”と呼ばれる六侯カリスウェンに惹かれていた。カリスウェンの事を思い、彼の一挙手一投足に胸をときめかすラクシ。その様は恋する乙女の姿にほかならなかった。それぞれ別の相手に惹かれるティーエとラクシ、2人の心はこのまま離れてしまうのだろうか。超人気大河ロマン、急展開を告げる第十二部!!

風雲 1996 富士見 96.10.30
 「私は血を流すかもしれない……夥しい血を」そう語るとカリスウェンは床に頽れ、意識を失った。その身体に触れたティーエの中に流れ込んできたイメージは、一面に流された血、そして死臭……。
 これはカリスウェンが過去に体験したことの記憶なのか。それとも未来に自分が成す事への恐れなのか。平和を愛し、静寂を愛する美貌の貴公子カリスウェンの内に秘めた野望とは何か。そして父皇帝との傷ましい過去の確執とは?謎に満ちたカリスウェンの心が今、明かされる……。超人気ドラマチック・ファンタジー、激動の第十三部!!

1997 富士見 97. 4.19
 「わたしを・・・抱いてください」
 ラクシの口から出た言葉は、相対したカリスウェンよりも、むしろラクシ自身を驚かせた。しかし、言葉と共にラクシのカリスウェンに対する思いも弾けた。もう、あと戻りはできない。ラクシはその身体をカリスウェンの腕の中に投げ出した・・・
 超人気のドラマチック・ファンタジーも、いよいよ第十四部。ラクシの大胆な行動が、今、さまざまな波紋を巻き起こす――。

奔流 1997 富士見 97.10.17
 「なんと美しい肌か……」
 キリの胸の上でナイフを動かしながら、マレブはつぶやいた。瞬間、音もなくひかれた刃にそって鮮血が浮かび上がる。
 「殺すなら、早く殺せ!!」
 強がるキリに傷を与えるたびに、マレブは恍惚の表情を浮かべる。これは、彼にとってほんのささやかな楽しみでしかなかった……
 ソグドム教徒によって拉致されたキリを必死に捜索するティーエやボイス。心労から病に倒れるカリスウェン。命を賭した新たなる戦いの幕が、いま開かれようとしていた!
 太陽帝国編もいよいよクライマックス、超人気大河ファンタジー待望の第十五弾!!

水晶 1998 富士見 98.10.23
 深遠なる闇が訪れ、霊・精霊が騒ぎはじめる。それは、呪術の支配する時間の訪れなのか!?古い会堂跡、瓦礫の中、対峙する2つの影――魔術師グラウルとソグドム教徒の祭司ガラヌー。
 「おまえの屍はカラスに喰らわす!!」
 響くガラヌーの叫び声。怨念を含んだ業風が吹き荒れ、瓦礫が舞い上がる。邪と闇の闘いが、いまはじまった……。
 ソグドム教徒ガラヌーは、グラウルへの私怨から、第六侯カリスウェンの弟キリを誘拐――事件は決戦の時を迎えた。苦闘の中、カリスウェンのうちに眠れる力が、いま大陸の歴史を動かす。大河ファンタジー第十六弾、物語は急転し新たな局面を迎える!

遺産 1999 富士見 99. 4.19
「帝の位はわたしには用のないものです」
 カリスウェンは目の前にいる実の父親、太陽帝国皇帝に唾き棄てた。大陸最大の国家、その全てを統べる位を息子に世襲させると、皇帝は轟と述べる。そのためには、自らの命も厭わぬと……。
「暗殺も構わぬ、同情はお前に集まり、そして帝位はお前の手中に収まる」
 しかし、この発言は、太陽帝国を支えてきた十侯制度の根幹を大いに揺るがす。
 皇宮についに持ち込まれる、“ロオヌの秘薬”。ティーエの呪術にさえ探知できない、怨の籠められた究極の毒薬に命を落とすのは、はたして皇帝なのか!?
 大河ファンタジー第十七弾。ティーエ、カリスウェンをも巻き込む太陽帝国における激烈なる政争がいま幕を開ける!

十侯 1999 富士見 99.10.20
「あれは、皇后が、わたしたちに、いや大陸に残してくれた遺産かもしれない」
 カリスウェンは、ティーエに静かに語りかけた。晴れやかな表情とともに。
 曇天の中、しめやかに行われる皇后の大喪儀。人々の、皇后を想う心が、ひとつにまとまり鮮やかな光の柱となり、天へかけ昇っていく。二人は、その暖かな奔流を見つめていた……。
 大陸を救う――大業を成すための微かな光明をそこに見いだすティーエ。しかし、その先には自らの命も賭さねばならない、道が待ち受けていうのだった……。
 大河ファンタジー第十八弾。政争と混沌の中、ティーエの心が少しずつ成長し、ひとつの形を描きはじめる!

<風の大陸 外伝>

レキサントラの自由戦士 1990 富士見 90.10.22
 砂漠を旅する三人の若者─ティーエ、ラクシ、ボイスは、一人の女戦士が行き倒れになっているのに出会った。
 まだ息がある。女戦士を背負って歩き出したボイスは、四年前に同じように背に負った、もう一人の女戦士のことを思い出していた。
 ──下町の安酒場で乱闘が起きていた。娘子軍兵士と酔った傭兵たちのケンカだ。双方が剣を抜くのを見て止めに入ったボイスは、一人の傭兵を突き刺しかけた女戦士の剣を叩き折った。
 それがボイスと美しき女戦士マンレイドとの出会いであった──。
 若き自由戦士の恋と冒険を描く待望の書き下ろし長編!

レキサントラの女戦士 1991 富士見 91.11.22
 自由戦士ボイスはマンレイドらレキサントラの女戦士たちとともに、旅の途次にあった。カルパシアの姫君ミュティレイナとその許婚者スリティスを、カルパシアまで無事に送り届けるのが彼らの任務だった。
 姫の奪取をねらうバンセルム側の襲撃は、しだいに激しさを増しながら、昼夜の別なくつづく。
 危難のなか、ボイスとマンレイド、スリティスとミュティレイナ、二組の男女は互いの魂を確かめあっていく……。
 だが──。旅の果てには、悲しくも意外な結末が待っていた!
 若き日のボイスの恋と冒険を描く渾身の長編書き下ろし、待望の完結編 !!

虹の時間 1992 富士見 92. 7.14
 ティーエは山を下りた。人間の世界に戻るために…。最初の目的地はハイセレの村。ケントウリ族を神と崇める素朴な人々の住む山里だ。だが、初めて出会った人々の思念は、ティーエをとまどわせ、恐怖させた。ティーエは逃げだし、森に隠れた。その夜、山は嵐に包まれた。
 そのころ……。
 イルアデルは決断を迫られていた。グラウルは囁く、あなたが生き残り、王位に就くには、他に途はないのだ、と──。父王暗殺。イルアデルの心は嵐の中の木々の梢のように揺れた。だが……。
 ティーエ、ラクシ、ボイス、そしてイルアデル。若者たちが出会い。その運命を絡み合わせる以前、それぞれの道を歩み始めたばかりの頃を描く、ファン待望の書き下ろし短編集。

収録作品:運命の第一歩/大河/影を背負う男

<風の大陸 氷の島>

黄金の夜叉 1993 富士見 93. 7.24
 氷の島。
 それは大陸の北東部に位置する辺境の大地。外洋交易の中継点である港町に、気品に満ちた一人の異邦人が降り立った。
 コルフィ・ターク──アドリエ王国の元将校である若者は、母国で傷ついた心をいやすため、あてどない旅路の途にあったのだ。そんな彼の視界に飛び込んできたのは、不思議な少女ティラと、彼女を通行人に売り飛ばそうとしていた美麗な青年アスリィだった……。
 氷の島を舞台に繰り広げられる、呪術と戦いに彩られた奇妙な冒険。新たな「風の大陸」世界を開く、ファン待望の新シリーズ!
 もう一つの旅がはじまった──。

災厄神の子 1994 富士見 94.12.18
 大陸と、東の大陸の間に位置する辺境の地──氷の島。
 アドリエ王国の元将校ターク、不思議な少女ティラ、そして残虐さと優しさの二面の顔を持った美麗な青年アスリィ。奇妙な縁に導かれ旅を続ける三人に、狼憑きのクルデルを加えた一行は、ティラの父親が住むというバルトラの町へ向かっていた。
 だが、彼らの行く手を阻む謎の傭兵、霊たち……。刺客たちの影には、氷の島固有の凶つ神─災厄神ギクラバにまつわる、恐るべき陰謀が隠されていた!
 古の大地を駆け抜ける、優しく猛き風たちの新たなる旅路──待望の新シリーズ第2弾!いまここに……。

雨の魔女 1998 富士見 98. 4.25
 国すらも滅ぼすといわれる、災厄の星のもとに生まれた少女ティラ。彼女は天鬼といわれる呪いを背負っていた。生け贄の儀式に捧げられる彼女を救おうと、金髪の美剣士アスリィは仲間とともに最北の地サジスカーナへと急ぐ。かつて刃を向けたある女に会うために……。
 ティラの呪いを解くことができるのは、その女だけ――名はラヌーサといった。吹雪を呼ぶ強大な魔力と永遠の命を持つ呪い師。人は畏怖の念を込め彼女を「雨の魔女」と呼んだ。
 血飛沫と霊が乱れ飛ぶ闘いの果てにアスリィたちはいかなる未来を掴むのか!? 大陸の北東、氷の島を舞台に繰り広げられる冒険譚、いよいよクライマックス!

<巡検使カルナー〈風の大陸・銀の時代〉>

星神の歌人 1990 角川 90.10. 5
時を遡ること紀元前一万年、超古代大陸アトランティス南東部の茫漠たる草原にゆっくりと、しかし着実に歩を進める一行があった。赤銅色の肌と漆黒の髪を持つ端正な青年がこの一行のリーダー、マルト・バレム・カルナー。傍らにはカルナーの従者バルゼと、遊民の孤児パウイが続いている。彼らはこの大陸の強国アステ・カイデ共和国の巡検使であった……
巡検使──それは遥か昔、共和国連合時代に活躍した職務であったが、群雄割拠のこの時代、そう〈銀の時代〉において他国を歴訪するなどということは、まさに“死”を意味するのであった。彼らは何処へ……
魔術と精霊に彩られた幻想叙事詩、待望の第一弾!!

闇神の民 1991 角川 91. 6.28
超古代大陸アトランティス──それはまだ、人と精霊が自由に語り合うことができた時代。その大陸の最強国アステ・カイデの美しき巡検使、マルト・バレム・カルナーは、従者バルゼ、遊民の子パウイ、そして女呪い師リザネクと共に、草原の王国サスカティウの今年の首都フルルドにいた。4年前、カルナーの兄を含む親善大使一行が皆殺しにされた事件の真相を調査するためである。しかし彼らの前に、その真相を隠蔽すべく次々と立ち開かる有力王子たち。そして、激しい攻防の末、カルナーがその背景に見たものは……!?
ファン待望の幻想叙事詩、堂々の第二弾!!

水神の王国 1991 角川 91.10.26
赤銅色の肌、漆黒の髪を持つ美しき巡検使カルナーが、故国アステ・カイデに戻ってきた。だが、それもつかの間、またも第六侯の策略から、王位継承に揺れるクーリニル王国の内情視察という過酷な任務を命じられた。高温多湿のデルタ地帯、水と森の王国で、カルナーを待つものは……!?大地と精霊の幻想叙事詩、待望の新シリーズ!!

水神の都 1992 角川 92. 7.31
大陸の強国アステ・カイデの巡検使として、王位継承に揺れるクーリニル王国に潜入した美しき青年カルナー。ここで彼が見たものは、東西ローダビアの黒い思惑渦巻く権謀術数の数々だった。そして、この策謀からカルナーは幼い王女を救いだしたが……!?
ファン待望の水神シリーズ第二弾、特別書き下ろし短編を加え、ここに開幕!!

水神の娘 1992 角川 92.10.30
高温多湿のデルタ広がるクーリニル王国で、王位継承に端を発した醜い権力争いの数々。アステ・カイデの巡検使、マルト・バレム・カルナーは、幼い王女ラセマをその策謀の中から救い出し、無事宰相の元に送り届けた。だが、今度は王女と引き替えにカルナーが囚われの身に……!?
人気絶頂、水神シリーズ完結編。

砂漠神の都市 1993 角川 93.11. 7
大陸第二の大河アンセルの中流に位置し、シェイテム香の交易で賑わう都市国家──ここキルステナン侯国が、大国アステ・カイデの巡検使カルナーの新たなる任地であった。長い船旅の末、到着したカルナーは、早々に熱気溢れる市場へ商人を装い視察に出かけたが……!?ファン待望の砂漠神シリーズ、堂々の開幕!

砂漠神の嘆き 1994 角川 94.11.20
パウイとフレニが何者かに攫われた──。巡検使カルナーの任地であるキルステナン公国では、国家予算の数十年分にも価するシェイテム香の原木を廻り、組合と改革派がしのぎを削っている。その争いに巻き込まれたカルナーは、霊使いと共にパウイ達の救出に向かうが……!?
待望の砂漠神シリーズ、堂々の第2弾!!

砂漠神の翳り 1995 角川 95.10.27
パウイは何処に連れ去られたのか?カルナーはパウイを救い出すため、大湿地帯へと向かう。そこはシェイエム香の原木の一大集積地であり、利権の渦巻く土地であった──。大湿地帯の入口ともいえるアンセル河上流の町で、カルナーは遂にパウイの手掛かりを掴んだ。が、そこにいたのはティベンと謎の呪い師であった……。
好調砂漠神シリーズ、待望の第3弾!!

砂漠神の苦難 1996 角川 96.10.28
香木売買の利権と欲望の渦巻くキルステナン公国。連れ去られたパウイの行方をようやく掴んだカルナーは、アグニー族の協力を得て、大湿地帯の奥地へと進む。だが、パウイとの再会を期したのも束の間、敵対するドーウェ族にリザネクが囚われてしまう……。ファン待望の砂漠神シリーズ第4弾、いよいよ開幕!

砂漠神の光輝 1997 角川 97.10.28
大族長ルカル・ウォートよりアクニー族の領土の通行を許されたカルナーは、パウイを救出すべく“死の沼”と呼ばれる沼地へ向かう。その場所でリザネクと再会を果たしたカルナーたちは、何者かに操られている使い魔に襲われる。「パウイを返してほしければ私のもとに来い」という霊の主人の伝言を受け、カルナーは一人、死霊蠢く結界の外に歩み出す。それが罠だと知りつつも……。果たしてカルナーたちの運命は!?砂漠神シリーズ、感動のフィナーレ!


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