ひかわ玲子

<バセット英雄伝エルヴァーズ>

天空の神火 1989 富士見 89. 4.22
 セイトの住む村は、善神バセットを信じる隠れ教徒の村だった。  平和だった村を突如襲ったリャン帝国軍。村は焼き払われ、人々は殺しつくされた。かろうじて生き延びたセイトは帝国軍の狙いが村の秘宝〈エルヴァーズの剣〉であることを知り、不思議な記憶に導かれ、洞穴の中に眠る〈剣〉にたどりつく。  セイトが〈剣〉を抜きはなった時、彼は伝説の巨人エルヴァーズに変身していた!怒りにまかせて一帯を焼き亡ぼしたエルヴァーズ。彼を鎮められるのは、ひとりの少女の面影だけだった……。  壮大な舞台に少年の成長を描く、華麗なるファンタジー開幕。

灼熱の大地 1990 富士見 90. 6.22
 バセット教徒の牙城、ソロモーの砦は、リァン帝国軍の襲撃を受け、今まさに陥ちようとしていた。  だが、そこにセイトの姿を見出すことはできなかった――。  リケーラ王女ミラ救出に失敗したあせりから、セイトはムーン・ラザルスの策略にはまり、味方に危機を呼びよせてしまった。砦を追われ、ただひとり黒く変色した〈剣〉と自責の念を背負い、セイトは無明の荒野をさまよう。  故郷を失った人々。泣くことすらできぬ子供たち……。地獄絵図を見つめながら、セイトは破滅への道を歩む。  だが、やがて一筋の光明が……。  いままさに、真の“英雄”が生まれようとしていた!

紅蓮の巨人[上] 1991 富士見 91.12.23
 セイト率いるバセット教徒の部隊は、帝国軍との熾烈な戦いをくり広げながら進軍していた。目指すは帝都。ミラ王女が生け贄として捧げられる、リァン帝国百年祭が目前に迫っていた。  はやる気持ちを抑えながら進むセイト。だが彼の行手には、帝国の二人の美将軍、イアリーとアーレンの罠が待ち受けていた。進退きわまったセイトは窮地を脱するため、伝説の“エルヴァーズの剣”を抜く。  少年が初めて自らの意志で目覚めさせた巨人が導くのは平和への階段か?それとも破滅と混乱への道なのか!?今まさに運命の扉が開かれようとしていた!!

紅蓮の巨人[下] 1992 角川 92. 5.24
 バセット軍とリァン軍との戦いは熾烈を極めていた。自ら伝説の剣を捨てたセイトは、エルヴァーズの楯を握りしめ、ミルラーラの護符を胸に進軍する。  その頃、エール教徒の美しい町並みに、リァン帝国百年祭の幕開けを告げる鐘が鳴り響いていた。邪悪な神を祭る大神殿の火刑台に、ミラ姫のつながれる日が訪れたのだ。巨人エルヴァーズの力を手に入れるべく、ムーン・ラザルスは厳かに伝説の剣を抜いた!!はたしてミラ姫の運命は?奇跡は起きるのだろうか!?  華麗なるフィナーレ!!他『エルヴァーズ』サイド・ストーリー2篇を収録。

<三剣物語>

炎の剣 1990 角川 90. 8.24
 九つの大陸が気体に浮遊する世界。そこには伝説があり、太古の昔、神々によって三振りの剣─〈炎の剣〉〈水の剣〉〈大地の剣〉─が封印されたという。そして、いつの日か三振りの剣がそろう時、大地は定住の地をみつけることができる。  アムノリアの王子、セネリオは赤い髪をもつ〈炎の子〉として生まれた。資質を定めるため、聖なる島・ドームで、エルディラーン、ルオー〈大地の子〉、オルファリア〈水の子〉と共に暮らしていた。  しかし、三振りの剣復活を阻止すべく、アーゼンの魔王子、ウルディーンの魔の手が忍び寄る……  英雄叙事譚、三部作開幕!!

氷の剣 1991 角川 91. 2.21
 〈炎の精霊王〉から〈炎の剣〉を与えられたセネリオ。  しかし、アーゼンの攻撃は執拗にも迫り来る。しかも、戦線の先頭に立つ若き魔将軍は、ウルディーンによって洗脳された幼馴染みのルオーだった。心の葛藤に悩むセネリオであったが、アーゼンの魔都ラオネスクへと一人向かうことを決意する。  〈水の子〉オルファリアを救い〈氷の剣〉を手に入れるため、〈炎の子〉セネリオは今旅立つ!!  英雄叙事譚、待望の第二巻!!

大地の剣 1991 角川 91. 9.27
 氷の大陸から〈水の子〉オルファリアを救い、〈水と炎の剣〉を手に入れたセネリオ。  三剣の最後の剣〈大地の剣〉をみいだすには、〈大地の子〉ルオーの力が必要であった。しかし、そのルオーは、アーゼンの魔王子ウルディーンの手により洗脳され、魔都ラオネスクにいる。  ルオーを取り戻し、この世に全き変容をもたらすため、そして、ウルディーンを倒すためにセネリオとオルファリアは剣を掲げた!!  英雄叙事譚、感動の完結編!!

マーシリアのぬいぐるみ戦争 1994 角川 94. 3. 6
 満月の夜──アムノリア王宮のマーシリアの寝室で、ある出来事がおこった。マーシリアが窓辺に置いたぬいぐるみの〈トラ〉が、満月の光を浴びた途端、消えてしまったというのだ。一体、何故?どうやらこの事件には『満月の魔法』が関係しているらしい……。  〈トラ〉を取り戻すため、マーシリアの冒険が始まった!!  表題作の他『大地の沈黙』『光の言葉』を収録した、待望の外伝集、ついに登場!! 収録作品:マーシリアのぬいぐるみ戦争/大地の沈黙/光の言葉

<九大陸物語>

七つの杖 1997 角川 97. 8.30
遠い昔、大地が風に流されるまま、浮遊していた時代があった。その後、大地は精霊の加護を受け、あるべき場所へと定着した。しかし人は精霊からの恩恵を忘れ、世界を再び戦火で包み込もうとする。アーヴァン大陸の片隅にある僧院に身を寄せる少年亜羚はある日、『七つの〈知恵の杖〉』についての話を耳に入れた、「人が本当に平穏を望むなら〈七つの杖〉が必ず導いてくれる」と。精霊の子供たちの杖に導かれた旅が、いま始まる!

風の島 1998 角川 98.12.27
 巨鳥ラスリールに乗って大陸の様子を見に行ったアーヴァンの王子ハルヴィス。戻ってきた彼の表情は苦いものだった。アドラール・アガムス連合軍がアーヴァンに攻め込んだのだ!!戦火は確実に九大陸に広がり始めていた。亜羚やハルヴィスたち〈精霊の子〉は世界の様子を自分の目で確かめるため、それぞれの故国へと旅立つことを決意する。この暗黒の時代を救うため、二年後に再びこの僧院に集うことを誓って……。好調シリーズ第二弾!!

<龍の七部族>

風雲の七公子 1990 ソノラマ 90. 8.27
 遥かな過去、天から降り立った者=〈天上人〉の支配に服すか否かで分かれた人々は、長大な〈万里堰〉で互いを隔てて生きてきた。だが突如、〈天上人〉の新型兵器“銀竜”が〈堰〉を破り、支配を拒む〈龍の七部族〉のひとつ、晃家に攻め入る。晃家の城は滅び、公子デュオンは盲目の妹姫ルビアを連れて友邦へ落ち延びた。  〈堰〉を挟む世界の危うい均衡が、破られようとしていた――!

暁の攻防 1991 ソノラマ 91.10.30
 “銀竜”をもちいて、龍の七部族のひとつ、晃家の〈水方郭〉を陥とした荻軍は、なぜか一気の攻勢に出ず、雨期を前にして、荻軍と龍の公家禁軍との戦いは膠着状態に入った。〈万里堰〉に沿って局地戦を展開していた暁麒子アクセス、晃駿子デュオンは、曜象子クルツォや曹彪子ベルディーンらを陣営に招き、局面打開の方策を討議する。果たして、龍の七部族の連合なるか!?

碧星の娘 1996 ソノラマ 96. 3.23
 大四巡期が明け、ついに狄軍の大攻勢が始まった。〈龍の七部族〉は暁家、晃家、曜家、曹家の共同戦線でこれを迎え撃ち、晃駿子デュオンも自ら、今や狄軍の拠点となった晃家の砦〈水方郭〉奪還を目指す。一方、曜家の女カリンは碧き星=〈碧星〉よりこの〈龍の地〉を訪れた娘を救い、狄軍を操る〈天上人〉の恐るべき意図を知る!〈龍の地〉に生きる全ての人々の命運をかけ、七公子の戦いは新たな局面を迎えていた。――人気シリーズ、待望の再開!!

北の狼将軍 1997 ソノラマ 97. 8.25
〈水方郭〉を奪還し、〈木連郭〉を守り抜いて、ようやく具体的な姿を取り始めた七部族の統合だったが、その真の実現のためには、明狼子ヴェルカルスの説得が最大の急務として残されていた。明家の領土内の通わずの森で七人の公子が一堂に会し、歴史的な統合がついに成ったとき、あたかも歩調を揃えるかのように、荻軍=中央政府軍が暁家の〈炎方塁〉を標的に大反攻を開始した。

<女戦士エフェ&ジーラ>

グラフトンの三つの流星 1990 大陸書房 90.11.20
聖なる月“ゼルク”の光さす戦乱の大陸ハラーマを二人の女戦士が駆け抜けた――。エフェは落ちこぼれの魔術士。ジーラはムアール帝国の元姫君。二人はめいっぱい傭兵稼業を楽しんでいたが、ふとしたことから、グラフトン公国のキリアン王子を助けるハメに…。ヒロイックファンタジー開幕す!

妖精界の秘宝 1991 大陸書房 91. 1.23
エフェに声をかけた、二人の青年。一人はひたすら脳天気なヴァンサン公子。そして青いマントを着た魔道士ユーリックはエフェの幼なじみの青年であった。ジーラとヴァンサン公子の魂が入れ替わるという事件が起きた。元に戻すには、妖精界へ行くしかないと知り、一行は旅立つ、が!?

ムアール宮廷の陰謀 1991 大陸書房 91. 4.25
夢石の玉座を一目見ようとムアール宮廷に忍び込んだエフェは、庭園の樹上を散歩する不思議な少女に出会う。『外はおもしろい?』尋ねてきたのがジーラだった。この出会いがその後の二人の運命を変え、ムアール帝国にも大きな変化をもたらしていく――。女戦士の子供時代を描くシリーズ第三弾。

死海の勇者 1991 大陸書房 91. 7.25
二人の元を訪れた使者が運んできたものは、エフェとジーラの古い記憶を呼び覚ました。まだ旅を始めたばかりの頃、彼女たちを助けてくれた剣士がいた。その彼が女戦士を必要としているらしい。エックブルト大公国の西の果ての城へ向かう二人、だがまたしてもザーンの白い影が二人の前に……。

神々の聖堂 1991 大陸書房 91.10.26
“魔法の”絨毯はエフェとジーラをのせて大陸ザーンへと向かった。紫の植物相に包まれた聖域――それこそがザーンの地である。壮大な神々の聖堂で、二人に語られるザーン人の目的。そして「真実」。ジーラの中に流れ続けるオカレスク大帝の血は、ジーラにエフェに、ハラーマの地に何をもたらすのか。

オカレスク大帝の夢 1992 大陸書房 92. 1.24
二人の前に夢石の玉座があった。オカレスク大帝より連綿と続くムアール皇帝のみが統べる玉座が。星が流れ、ロディラ帝に最後の時が近づいた。エフェとジーラはディオを連れて、帝都オカレスティに帰還する。二人に、選択の時が迫っていた。ハラーマ大陸に新たな歴史が築かれるのだろうか…?

天命の邂逅 1994 講談社 94.10.15
 ジリオラは、第八十八代皇帝に即位したのも束の間、夢石の玉座を破壊して、オカレスク皇家との血縁を断ち切った。  しかし、帝国の権力を狙う執拗な追手は、娘ディオラを誘拐し、ジリオラを誘き出す。  一方、エフェラを魔道士として、紫の大陸ザーンへ連れ去ろうとする計画が進んでいた。  双子星として生まれた二人に、別離の時が!?  『双頭竜の伝説』を改題、二作に大幅加筆しての登場!!後編『星の行方』も近日刊行予定。

星の行方 1995 講談社 95. 7.22
 「どこまでも、一緒に行こう──ずっと」  エフェラは、そう約束してくれた親友ジリオラの手を拒んで、突然、姿を消した。  そして、いま、エフェラを身動ぎもさせずに捕らえる 、レディシオンの美しい黄金色の双眸の力は、何なのか……。  幼い日の運命の出会いから、旅を共に続けたエフェラとジリオラに、ついに訣別の日が!?  『双頭竜の伝説』を改題・大幅加筆した後編。“二人の女戦士シリーズ”感動の最終幕!!

<ハラーマ戦記>

青い髪のシリーン 1 1991 講談社 94. 3. 7
 ハラーマ大陸の女戦士であったエフェラの息子シリーンは、母親ゆずりの青い髪の美少年に成長していた。ダルーフォンの結界で囲まれた村を出た風を操る少年シリーンは、旅先で出会った金髪の少女ルシエラと共に、大陸の覇権をめぐる陰謀に巻き込まれていく!女戦士エフェラ&ジリオラシリーズ外伝三部作、登場!!

青い髪のシリーン 2 1992 講談社 94. 3.10
 ハラーマ大陸の覇権争いに巻きこまれたシリーンは、アゼンダ王国の狂王ミトレウス三世によって、捕らわれの身となった。魔道士ギルドから救出に駆けつけたユーリックは、そこで、山積みにされた髑髏を発見する。そしてエフェラは、幼い子供を生け贄にして〈闇の魔道〉を使う王と対決する!争乱の行方は如何に!?

青い髪のシリーン 3 1994 講談社 94. 4. 4
 シリーンの消息を追うエフェラとジリオラは、結界の綻びを抜け、暗黒の大陸ジャナへと侵入した。だが、二人がそこで見たものは、荒ぶる神を深い眠りから目覚めさせ、ハラーマの地を破壊しようとする企てだった。争乱の中、はたしてエフェラはシリーンと再開できる?そして、ユーリックとの愛の行方は!?書下ろし完結編!!

<真ハラーマ戦記>

グラヴィスの封印 1996 講談社 96. 7.27
 ムアール帝国辺境の地ロディーニの治安を守る地方郡司の跡取り娘のニーヴァ・ロジムは、ある嵐の寒い夜、山賊に襲われた二人の美しい姉弟を救い出した。  手ひどい陵辱を受け、気も狂わんばかりに思いつめていた二人を、慰めることしかできないロジム家の一同。ところが、翌朝目覚めると、ニーヴァ以外の人々の記憶から、姉弟が陵辱された事実のみが消えていたのだった……。  愛と策謀渦巻くミステリアス・ファンタジー開幕!!

黒銀の月乙女 1997 講談社 97. 2. 6
 大都会オカレスティから、ロディーニへと無事に戻って一月後、ニーヴァとルーファンは新たな災厄に見舞われる。  ルーファンに色目を使っていたフェルセン侯爵からの呼び出し。ロディーニの領地内で起こった魔物〈幻夢族〉の商隊襲撃……。  しかし極めつきは、ラルセン皇子によってもたらされた、年末年始の別宮招待であった。  思いもよらぬ誘いに、色めきたつロジム邸。が、ニーヴァとルーファンの胸中は……!?

漆黒の美神 1997 講談社 97.10. 7
 〈闇〉から逃れ、アルファレナ姫の城になかば拘束されていたニーヴァは、ようやく助けにきたグルクや、不思議の少年オーリンの力で、ルーファンたちがセロ島にいることを知る。  しかし、そのセロ島の牢獄は、〈闇〉が人を蝕むおぞましい場所だった。救助に現れたメレーラから、驚愕の事実を聞いたラルセン皇子、パーレル大公子、そしてルーファンの三人は、イリオンの衰弱ぶりを懸念するが……!?  ミステリアス・ファンタジー最終幕!!

<魔幻郷綺譚>

妖手の守護者 1993 角川 93. 2.24
 その夜、オーラトゥナの谷は、アヴェーラ帝国の軍勢による紅蓮の火焔で包まれていた。燃えさかる炎の中、五人の少年少女が谷を離れた。それぞれが、それぞれの方法で――。  五年後――アヴェーラ帝国の将軍の養女となり生きのびたマナ・ラーヴァは、養父のもとから去る決意を固めていた。数日前、彼女に届いた一通の手紙がきっかけとなった。ラトゥースの仲間に逢うために、そして、自らの爪から発せられる赤い光の秘密を求め、マナ・ラーヴァは荒野に向かい旅立つ!!  谷に秘められた“冥界の扉”とは?五人の“妖手の守護者”たちに背負わされた運命はいかに!?  英雄幻想譚、新シリーズ登場!!

暗黒の秘儀 1995 角川 95. 8.27
阿鼻叫喚の殺戮の嵐の中を生き延びた5人の少年少女は、成長と共にそれぞれ“妖手の守護者”としての能力を磨いた 。 青年となったトゥールとジュナーは、5人の力を結集してアヴェーラ帝国へ復讐することを企てる。一方、憎しみと確執の中で、小さな愛も芽生えていった。やがて帝国のレンヴァーン皇子とトゥールのすさまじい魔法合戦の末、捕らえられたトゥールを残し、4人は冥界の扉のある故郷の谷へと向かう……物語は佳境へ!

冥界の門 1996 角川 96. 7.29
捕らえられたトゥールに心を残しながら、マナ達4人は、ついに故郷オーラトゥナの谷に帰った。荒廃した谷に潜む彼らに、アヴェーラ帝国軍が迫る。マナは、軍を指揮するグィモン将軍と再会した。自分の命を救い、育ててくれたグィモンは、実の父母の仇でもある。マナの心は揺れる……やがて宿敵レンヴァーン王子が到着。そしてトゥールも。5人の“妖手の守護者”が揃ったとき、冥界の扉は開かれるのか?壮大な物語、感動の完結!!

<百星聖戦紀>

サラディガの妖星/ル・ルーの五乱星 1994 富士見 94. 7.23
 サラディガの王女エリ・ファーナは、せっぱ詰まっていた。イルディガル皇国の大貴族との結婚が、突如決まってしまったからである。相手は若くも美しくもないオヤジだ。富と権力を右手に握り、左手では国の内外を問わずあまたの美女を掴んで離さない好色漢、バルデアル公が彼女の伴侶として選ばれたのであった。「冗談じゃあないわよ」。ついにエリ・ファーナは家出を決行。だが、彼女の後からは幼なじみでお目付役の吟遊詩人リューシュが、姫の怒気を含んだ声さえどこ吹く風とついてきていた──。  はねっかえり姫ととぼけた吟遊詩人の珍道中。そして運命を司る星は、彼らの覚醒の時を待ち続けていた……。  人と人とが綾模様を織りなす壮大なるファンタジーロマン。新展開の第三弾!!

ルーンガルドの華 1995 富士見 95. 3.23
 我らが英雄ゴート・ジマー閣下のため、共に行動し、共に戦うことを誓う!  ファーレンズ、エスカー、マリオ、ラジュア──理想に燃える若き4人の騎士達を結びつけたものは、ある不思議な出来事だった。まばゆいばかりの光の中、星読みの巫女アーシュレイラ姫が語りかける。愛する者を、愛する国を救え、と。  破壊へと、混乱へと──。華やかな文化を誇るルーンガルド帝国のリューベリンゼ宮に、邪悪な魔術師アデラールストの誘う声が響き渡る。そして、闇にうごめく触手は、比類なき勇将ゴート・ジマーをからめとらんとしていた!  融け崩れ、臭いを放つ中身を、美しく堅固に見える殻で覆った腐った卵。ルーンガルドという名の大きな卵に、いま、最初の亀裂が走ったのだ!!

紅海の七星 1995 富士見 95.12.23
 中つ原ヴェーダの西北の果てには赤い色をした海がある。まるで、戦乱で幾度となく流された血に染められたかのような色のこの海を、人は紅海と呼ぶ──。  紅海に臨む港町カルギガル。ルーンガルドの英雄ゴート・ジマーと共に祖国を追われた騎士マリオとラジュアは、脱出のための船を手に入れようと、この活気あふれる町を訪れていた。少ない資金、ましてや帝国に追われる身の自分たちに活路は開かれるのか?不安を抱きながらも、ラジュアとマリオは悪評高きカルギル総督邸へと向かった。そこに運命の出会いが待つことを知るよしもなく。  たとえ社会が百星の戦士たちを分かっても、彼らは何度でもめぐり会う。時代の流れが紅海の不吉な朱を深めゆく中、新たなる世界を築き上がるために!!

ロイエーヌの風・女神ミルラの戦士 1997 富士見 97.12.18
 ルヴィラード・プレ将軍は、バルデアル公の奸計によって無実の罪に陥れられ、殺されるところを、山賊サファレルにからくも救い出された。しかし、〈イルディガルの双頭の鷹〉と異名をとる彼は、今やイルディガル皇国のお尋ね者になってしまった。  「まさか……、プレ家の嫡子である私が、山賊にまで身を堕とすことになろうとはな――」  そんなルヴィラードに、バルデアル公が放った討伐軍が迫る。追撃の手を逃れ、別の砦へと向かう途中、ルヴィラードは、虹色に輝く透明な二枚羽を持つ不思議な少女に出会った。この少女が、彼の今後に大きな影響を与えるのだった!  百人の英雄たちが駆けめぐり時代を紡ぐ、大好評のシリーズ第6弾!!

女神の涙 1998 富士見 98.11.20
 イルディガル皇国の皇都、ローゼン。金の髪の将軍率いる部隊が、民衆の歓呼の声を聞きながら行進していく。  〈イルディガルの双頭の鷹〉と異名をとる、アクアレード・フォデスト将軍が、故郷に帰還したのだ。  (とても凛々しくていらっしゃるのね、アクアレードさま――)  フェリアナは、涙で滲む若き将軍の姿をじっと物陰から見守る。アクアレードの奥方になるという彼女の夢は、バルデアル公により、無惨にも打ち砕かれてしまっていた!  会いたいが会えない!引き裂かれた二人に、さらなる魔の手が迫る――。  混乱の町でさまざまな思いが交錯し、英雄たちは時代を紡ぐ!!

<その他>

銀色のシャヌーン 1990 徳間書店 90.11.17
雷鳴とどろくハミール山脈の奥深く苦難の旅をつづける一行がいた。〈昼の国〉ファリソンの王女ファリナと弩の名手の黒龍、青い髪の青龍、朱鷺色の羽の鳥に変身する緋龍の屈強の三戦士たちだった。険しい峰、人跡を阻む黒い森……めざすは霊山ダ・ムーの宮殿。そこには、伝説の英雄、“銀色のシャヌーン”がいます。銀のマントに鎖帷子、銀の剣ソルリークを持つ無双の美剣士。だが、行く手には巨大な闇の敵とあらがえぬ運命が待ちかまえていた……ピュア・ファンタジーの新星が放つ、待望の書下ろし傑作!

竜の聖域 1992 富士見 92. 3.26
 イタリアのとある町の裏路地に、一人の美しい青年が出現した。青年は、彼とうりふたつの美しい娘の屍を見つけた。娘の屍は青年に告げた。我を殺せしは、竜王グレヴァーン、と……。  青年の名はレン族のラセリー。娘はその妹エーレン。この地球を創造した“神”の一族であった。  時は世紀末。といっても人々はふだんどおり暮らしていた。だが、人類の誰ひとり知らぬところ、はるか高次元の空間では、美しき神々が、各々の一族の存亡を賭け、はてなき闘いをくりひろげていた。  神に愛でられたため、図らずもその争いにまきこまれた高校生とそのガールフレンド。彼らが見た、華麗にも壮絶な闘いのゆくえは!?


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