麻生俊平

<ザンヤルマの剣士>

ザンヤルマの剣士 1993 富士見 98. 5.10
 鵬翔学院高校に通う矢神遼は、ある日、奇妙な紳士から、波形の鞘に収められた短剣を押しつけられた。
 『この剣は、抜くことができた人間に強大な力を与えてくれる……』
 謎の言葉を残し、紳士は去る。
 一見、どうやっても抜けそうにない形状をしたその剣を、なぜか遼はあっさりと抜くことができた。
 しかし、その日を境に、遼の周辺ではバラバラ殺人事件が連続して発生する。しかも、被害者は遼に不快な思いをさせた人物ばかりであった!
 『僕は無意識のうちに殺人を犯してしまったのか?』
 いま、遼の運命は大きく変わろうとしていた……
 ファンタジア大賞出身の新鋭が贈る、書き下ろしサスペンス伝奇アクション!!

オーキスの救世主 1994 富士見 98. 8.23
 心の扉を開く――これを実践し、人々にひろめる、“オーキス・ムーブメント”という活動があった。
 矢神遼は中学時代の同級生に誘われ、このイベントに参加する。重大な秘密を持っている遼は、激しく心を揺さぶられた。
 重大な秘密――世界を破滅に導くこともできるほどの力を秘めたザンヤルマの剣を所有していること……。
 それゆえ、苦悩し、何かに心の救いを求める遼の目に、この活動は非常に魅力的に映った。
 しかし、異常なまでの盛り上がりをみせたこのイベントには、やはり超古代文明の遺産が絡んでいたのだ!
 戦慄のサスペンス伝奇アクション書き下ろし第三弾!

フェアリースノウの狩人 1995 富士見 95. 7.13
 『ジングルベル』や『赤鼻のトナカイ』がBGMとなる季節。歳末商戦で賑わう街で、〈ザンヤルマの剣士〉矢神遼はイェマドの〈遺産管理人〉裏次郎に遭遇した。─現人類の愚かさを証明せんがため、ひとびとに超古代文明の遺産を分け与え、世に混乱と破壊をもたらす危険な人物。そして、遼に〈剣〉を与えた張本人でもある。
 今では完全な敵対関係にある二人。遼の身体に緊張がはしる。……だが、裏次郎の態度は、いつもの傲慢で冷笑的なものではなかった。
 「実は相談事というか、少し面倒なことが持ち上がってな──」そのとき、異変は起こった!──
 書き下ろし伝奇アクション・シリーズ、白熱の第五弾!

放課後の剣士 1995 富士見 95. 9.21
 超古代文明の遺産〈ザンヤルマの剣〉を手に、人知れず凄絶な戦いを続ける少年矢神遼。だが、遼の戦う相手は、世界征服を企む悪の秘密結社などではない。弱く傷つきやすいひとの心と闘っているのだ。
 超古代文明〈イェマド〉の科学技術の結晶である“遺産”を手にした人間はその魔法のような力に見せられ、周囲を巻き込みつつ、破滅への道をたどりはじめる。自身も深く傷つきながら、遼は今日も〈剣〉を振るう。破滅へと向かうひとびとを救うために……。
 月刊ドラゴンマガジンに掲載され、長編シリーズの元となった短編『ザンヤルマの剣士』他2話と書き下ろし3話を収録。好評伝奇アクションシリーズのサイド・ストーリー短編集。

収録作品:ザンヤルマの剣士(パイロット版)/闇への招待者/あざやかな記憶/行くあてのない子守り歌/封じられた刻を求めて/それでも、いつか……

イリーガルの孤影 1996 富士見 96. 3. 2
 TOGO産業──表向きは特に目立つところのない普通の商社だが、その実態は利潤追求のためには非合法手段をも辞さない不気味な企業である。さらにTOGOが特異な組織であるのは、裏次郎から譲り受けた“遺産”を活用し利益を上げていることだった!
 前回の事件でTOGOの存在を知った〈ザンヤルマの剣士〉矢神遼は、彼らとの対決を決意する。しかし、遼とともに遺産を巡る闘いを続けてきた氷澄は、TOGO工作員との戦闘で守護神を奪われ、行方をくらませた。そして、遼の良きパートナーである万里絵も戦闘技術の再訓練のためアメリカに渡る─
 ひとり残された遼はどう闘うのか?
 書き下ろし伝奇アクション・シリーズ、激烈の第六弾!

モノクロームの残映 1997 富士見 97. 1.30
 〈ザンヤルマの剣士〉矢神遼は、行方不明だった氷澄丈太郎との再会を果たした。しかしそれは仲間ではなく敵――TOGO産業の手先としてであった。とまどう遼は氷澄に敗れ、TOGO産業の研究所に拉致されてしまう。
 一方、遼のパートナーである麻霞万里絵は、彼の力となるべくアメリカでサバイバルの技術に磨きをかけて帰国した。遼がとらわれの身となったことを悟り、彼女は遼の奪回を決意する。
 ――あたしがバックアップしてあげる。思う存分やりなさい、遼。
 TOGO産業が鵬翔学院に送り込んだ工作員、美山果林をマークすることで突破口を探る万里絵。遺産相続人である果林を相手に、彼女はいかなる戦いを仕掛けるのか、そして遼を救出することはできるか?
 緊張のサスペンス伝奇アクション、書き下ろし第七弾!

ファイナルの密使 1997 富士見 97. 8.21
 使うほどにすさまじいまでの能力を見せつける〈ザンヤルマの剣〉に所有者である矢神遼は戦慄を覚える。超古代文明〈イェマド〉の“遺産”の暴走を止めるためとはいえ、世界を破滅に導きかねないほどの力を振るい続けていいのか。
 ――彼になら相談できるかもしれない。迷う遼はかつて剣の使い方をアドバイスしてくれた、もうひとりの〈ザンヤルマの剣士〉を捜しはじめる。
 やがて遼の目の前に敵として現れた少年。だがそれは、求めていた相手ではなく“三人目”の剣士だった。何故遼を狙うのか、そして遼は同等の力を持つ遺産を相手にどう戦うのか!?
 驚愕のサスペンス伝奇アクション、書き下ろし第八弾!

イェマドの後継者 1997 富士見 97.12.18
 “イェマドの遺産”の所有者たちを闇に葬り去っていく管財人特務部隊、通称FINAL。彼らの情報網は、ついに最大のターゲットである〈ザンヤルマの剣〉の所在を掴んだ――。
 迫りくる共通の敵を相手に、お互いを〈剣士〉として認めた矢神遼と佐波木敬。だが、心強い仲間との出会いも束の間、FINALの擁するもう一人の〈剣士〉、ジェネラルが彼らに襲いかかる。
 解放され激突する最強の“遺産”の力。だがそれは、かつて超古代文明イェマドを破滅に導いたものではないのか?
 風雲急を告げるサスペンス伝奇アクション。衝撃の最終巻!!

<ミュートスノート戦記>

戦士の掟は炎で刻め 1998 富士見 98. 5.23
 銃声が轟き、自分の右腕が弾ける。穂村響はそれが致命傷であることを確信していた。だが次の瞬間、銃弾がもたらしたものをはるかに超える痛みが全身をかけめぐる……。
 ――これはいったいなんなんだ!? 途方もない苦痛が退いたとき、鏡にうつる異形の獣に驚愕する響。しかし人ならぬ姿への変貌により響の感覚は研ぎ澄まされ、身体からは力があふれてきた。鮮やかな色彩を帯びる世界、そしてすべてを引き裂く自分のパワーに戸惑いながらも、響はその拳をふるう。
 戦いの末に少年の中に生まれるのは、戦士の精神か獣の野生か!?
 書き下ろし新シリーズ、鮮烈の幕開け!

道標なき戦野の咆哮 1998 富士見 98. 9.27
 夜の街を駆けぬける少女。いや、ビルからビルへと軽やかに跳び移るシルエットはしなやかな獣だ。
 猫、虎か?新手の《人間兵器》か!?
 とある事故により自らに埋め込まれた“超高品位兵器・アルファ”の能力を解放した穂村響。人ならぬ姿のまま月夜を彷徨う彼は、とあるビルの屋上で偶然にも《同胞》と遭遇する。
 ぐるぐるぐるるるるるるぅ るぅ……。
 そこで天空に向けて放たれた、少女の叫び。その甘美な歌声は確かに“アルファ”の精神を呼んでいた――。
 美しくも気高い《同胞》との出会いは少年をどこへ連れていくのか。
 書き下ろし超伝奇シリーズ第二弾!!

疾風果つる戦場 1999 富士見 99. 3.18
 楠見博士がついに帰国する!!
 真由子から報せを受けた響たちは、予想される人間兵器商会《ZAMZA》の襲撃に備えるべく作戦を開始した。
 かつて謎の少女ディーシーが残した、楠見博士が超兵器ミュートスノートのすべての鍵を握る、という一言。もし真実ならば、自分の身体を異形の獣へと変化させるその《能力》の正体を掴むことができるはずだ――。
 少女の言葉に希望を託して疾走る響。そのディーシーもまた、壮絶な決意を胸に楠見邸に向かっていた。
 書き下ろし超伝奇シリーズ第三弾!!

戦鬼は雪嶺を翔ける 1999 富士見 99. 9.21
 (僕がやったことはなんだったんだ)
 確かに、ZAMZA日本支部は壊滅した。だが、その代償はあまりに大きい。親友と姉を失い、愛する麻由子の父親も子の手で殺してしまった……。今の自分に一体何が残されているというのか。
 都庁の屋上で雪と風と絶望に包まれ、ひたすら死が訪れるのを待ち続ける響。
 だが、彼のもとに向かっていたのは死神ではなかった。ZAMZAの特殊精鋭部隊《FUNG》、黒い強化服に身を包んだ謎の巨漢《ダガー》、そして死んだはずの聖也たちの姿も……。
 運命は再び響を戦いの場に引きずり出そうというのか――。
 極限状態での正義を、友情を、そして愛を描くニュー伝奇ロマン第四巻!!

<その他>

若葉色の訪問者 1999 角川 99. 3.28
親許を離れ、東北の新設校に通う宏也は、転校してきた少女、霧子を見て驚いた。彼女は、一年前に行方不明になった彼の幼なじみにそっくりだったのだ。やがて学校内や町中で謎の暴力事件が目立ちはじめる。事件の加害者は、宏也のように外部から新しくきた住人らしい。否応なく事件に巻き込まれていく彼は、その陰で人知れず行動する霧子の姿が気になりはじめる。スニーカー文庫初登場作家の贈る、新世代ジュブナイル小説!

無理は承知で私立探偵 2000 角川 00. 3.30
『私立探偵は職業じゃない、生き方だ』
ごく普通の公立校、七篠高校に普通ではない生徒が一人。空き教室に事務机と携帯電話を持ち込んで事務所と称し、学生服の上からトレンチコートを羽織り、ソフト帽を被った彼は、自称“私立探偵”。学園の平和を守る現代の騎士たる彼のもとに、今日も依頼が来る――のか?
学園ハードボイルド・コメディ登場!!


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