破滅的な原発テロの教訓から、携帯情報端末による厳格な個人認証が課された近未来日本社会。土建会社社長の北畑は、奈良の弥生遺跡から謎の文字板を発見するが、なぜかそれは200年前のものと推定された。いっぽう痴呆症研究に従事する認知心理学者・秋山霧子は、人工知能の奇妙な挙動に困惑していた。2つの事象が交わったとき、人類の営為そのものを覆す驚愕の真実が明らかになる――それは新たなる破滅か、それとも？
［記憶汚染／林穣治／ハヤカワ文庫JA 裏表紙より］
この人のSFはわりと好きなので、ハヤカワから出ていたのを発見してさっそく読んでみた。前半の近未来ネットワーク社会の描写はすげぇおもしろかったのです。何があっても非公共エリア側の人間にはなりたくねぇ……。しかし、リャンの正体はいきなりすぎだ（笑）。あまりのことに、一瞬頭が真っ白に。確かに正体不明のミトコンドリア配列とかで伏線張ってあるのだが、予想だにしていなかった方向からの一撃ですよ。……しかしまあ、「百万年の船」ですでに読んだネタではあるんだよな。まあ、なんだかんだ言ってさっくり読み切ってしまったあたり、かなりおもしろかったらしいですヨ？
そんなこんなで今日はこれ読んだだけで一日オシマイ。