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2001.12.18 作品テーマの事

新世紀版がどうも原作の料理の仕方がおかしい理由がなんとなくわかった。ような気がする。

新世紀版の原作の料理の仕方をみてると、科白の出入り・話の展開・・・原作は計算し尽くされているってコトがわかるね。
1番心を揺さぶるタイミングで必要な科白が必要なだけ、はいってる。話の無理や矛盾や変なところは原作にもいっぱいあるの。でもそんな瑣末なコトは揺さぶられた心の前には、意味をなさないの。致命的な矛盾も瑣末なコトにさせてしまう。
・・・石森先生はすごいな・・・

新旧TVも今の目で見るとそんなにすごいできではないんだよね。ホントは。作画・動画技術は格段に今の方がいいんだから。話だって昔は科学技術の知識の一般レベルでの浸透が今ほどではないから、他愛ない子供騙しがまかり通った時代だしね。
なのに心揺さぶるのはこっちなんだよね。
新世紀版のなにが足りないのか。それとも過剰なのか。原作そのままっていうのなら、今までのアニメ化のなかで1番忠実なんだよね。忠実過ぎて原作の持つ矛盾までそのまま持ちこんでるぐらいで。他のオリジナルキャラも妙に原作のテイストを掴んでる。
なのに。話の内容というか作品の持つ1番大事なコアの部分、そこを掴みきってない。スタッフは掴んでるのかもしれないがそれを視聴者にわからせられていない。表現できてないの。

それはきっと「009を描くこと」が目的になってるからじゃないかなあって思うんだけど。

旧TVは「反戦」がテーマだった。
反戦テーマのために「ひめゆりの塔」とか「原爆ドーム」とか「沖縄玉砕」「平和拳法」・・・まで描いちゃって、ちょっと過激な反戦撲滅キャンペーン状態(らしい)。
私は今だ未見だけど、そんな伝説まで残してるんだからよっぽどすごいんだろうなあ・・・と。
新TVは「人間臭く描こう」が現場での合言葉だったそう。
実際新TVはみんな基本的に感性が普通の人だった。そのくせ体は人類外で。その対比をこれでもかとばかりに描いてて、ちょっとしつこいぐらいだった。
当時視聴者だった小学生の私は真剣に「そんなこと気にしなくってもいいじゃん!」と彼らにいいたかったぐらいだ。普通ヒーローものをみてる子供はストレートにヒーローに憧れて同じようになりたいと思うもの。物語を見る上でヒーローに同化してストーリーを追いかける。私もそう。デンジピンク・桃井あきらさんに憧れて「デンジマンになる!」と口走ったモノだ(笑)
でも009だけは違った。彼らの苦悩をみて、ホントは00ナンバーの仲間になりたいけど、でも強い力は人を幸せにはしないしなにより彼らの願いとは相容れないから、安易に「サイボーグになる!」と口走ってはいけないらしいってコトはちゃんとわかってた。

さて、新世紀版。・・・テーマはなんだ?どーも散漫でよくわかんないんだけど。
それはつまり「009を書く」コトが目的で、「009を使って何かを書きたい」じゃないってコト?
そこがはっきりしないと、石森原作を消化も料理もできないと思うんだよね。そんなヨワ腰で立ち向かえるほど、石森章太郎は甘くない。しかしその1本筋が通ったど真ん中な部分をきちっと決めれば、石森原作は無限の抽斗をもってそのテーマを迎え入れてくれるだけの器量がどかーんとあるんだから。
安心してぶつかれ!

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