丹波但馬日帰りツアー

平成13年12月2日

若水城の発掘が行なわれていると言う話をMLで読み、発掘が終って道路にならない内にと見に行く事にする。ついでに一人でも落せそうな周辺の小城も落してくる事にする。


早起き失敗。午前8時半頃に漸く起きて、昨日買った粽と、出来そこないの蕎麦プリンをドレミを見ながら食べて、9時半頃家を出る。
国道175号線から国道427号線を北上して、まずは山垣町へ入る。



山垣城


左:二の丸の秘密基地、右:二重堀(真中のこんもりが中島)



足立氏の城。鎌倉時代からここに拠点を置いていたが、羽柴秀長に攻められて滅亡。
これと分かる小山の西側にある足立家の墓所の脇に登り口が有る。5分ほど登ると中央鞍部に出る。手入れの具合は良好で、近所の子供も遊びに来るのか、秘密基地のようなものが本丸下の郭に築かれて。いた。一人でも雨の日でも十分に落せそうな割には、中々のボリュームであった。


国道427号線をそのまま進み、遠坂峠を越えて粟屋の里へ。



若水城


左:発掘現場その1、右:北からの眺め



左:本丸脇から発掘現場、右:本丸脇の石垣



左:本丸南の虎口、右:本丸東の犬走(?)



詳細不明の謎の城だが、羽柴秀長が山垣を攻める際に作った陣城であると言われている。
自動車道を作るために城山の半分近くを削り取ってしまう為、兵庫県教育委員会が夏頃から発掘作業を行っていた。表土を取り除いた状態の城を拝む機会も滅多に無いので、これ幸いにと出かけて行ったのだが、工事中ということで立ち入り禁止の看板と索とが進入を拒んでいた。
無理に強行突破をしても良いのだが、もしもここで怪我でもしてしまうと、現場責任者に多大な迷惑をかける事になるので、城の裏手の掘削されていない部分から登る事にする。
ぐるりと東側に回りこむと、墓地の裏に竹林があり、そこから斜面に取り付いて上って行くと、北東部の郭部に出る。そのまま登って本丸へ出ると、見事に発掘された部分を見下ろす事が出来た。
ラッキー、と2,3枚写真を取っていると、発掘現場の向こう側から教育委員会のものと思われる見学者の一団がやってくるのに気が付く。勝手に登っているのが見つかると五月蝿いと、木立の中へと隠れる。やっている事はゲリラ並だ。
南北に細長い本丸と、その東西の両脇にある土塁付き郭と、本丸南に有る虎口と、その更に南の堀切と、発掘されていない部分でも見所はそれなりにあった。
時間も無いので、降り口を探していると、偶然本来の降り口を北東の郭群の端に発見。つづら折れの道を下って行くと、東側の墓所へと降りた。ただ、笹で覆われているので登る時には見つかり難いかもしれない。



柴城



左:本丸周辺(だったような)、右:縦堀


どこか



本来の国道427号線が遠坂トンネルと合流する辺りが柴の村落であるが、その村落にある国道の脇の小山が柴城である。
国道から脇道に入った辺りに有るお堂の脇に登り口があり、しばらく上っていくと小さな祠が有る。その裏手から北東東に100mほどの範囲に幾つかの郭が残っている。
保存状態も良い方で、あちらこちらに紅い布のついた杭が打ってある所を見ると、教育委員会の調査が入っているのかもしれない。竪堀もハッキリと残っており、先ほどの山垣城と同じく、小粒ながらぴりっとした城だった。



夜久野城



左:本丸の様子、右:虎口


入口脇の田中工務店、左の丘が城



城郭大系には「国道9号線脇、夜久野台地の南端の標高240mの高地、東南西の三方を険しい崖に囲まれており…」とかかれているのだが、それに見合う場所が地図上から読み取れない。ともかく大体の見当をつけて行ってみたのだが、地元観光案内の看板に、大体の場所が書かれているだけで、登り口の案内など一切無い。
それでも何とか見当をつけて行ってみると、ここにも赤い布付きの杭が。おしビンゴ、と登ってみたものの、ここは熊笹が一帯生い茂っていて、歩くのも困難であった。
それでも何とか歩ける東の端に沿って南下したが、東側の斜面はかなり急である。南端まで行ったものの、立ち木で眺めも悪く、かろうじて真下に国道9号線を見る事が出来ただけだった。
城の入り口付近に熊捕獲用の檻が置かれているのは不気味だった。



磯部氏館


左:全景、右:入口脇の井戸


どこか



夜久野城から国道9号線沿いに2キロほど、大内・野間の2つの村落に挟まれた小山である。南側に水を湛えた井戸があり、往時をしのばせる。
井戸の横から墓所に登り、更に上の墓所の更に上に郭がある。というか、この2つの墓所も郭跡かもしれない。
100m×50mほどの範囲に郭が広がっている。手入れは程々に良く、ここにも赤い布付きの杭が入っており、教育委員会の手が入っているのかもしれない。4mほどの土塁跡に、2m×2mほどの石塁跡、それに本丸西下に5本並んだ縦掘など、面白いものが多かった。細々した郭が入り乱れてややこしいので、出来れば図面を用意して来たいのだが、何処かで手に入らないのだろうか。
ともかく、ここも小粒でピリッと辛い、良い城であった。


午後4時も過ぎたので、和田山から国道312号線経由で南下。途中から播但自動車道に入り、姫路バイパスを東進して帰宅。行きは3時間半かかったのに帰りは2時間半。これなら初めからこのルートで行っておけば良かった。



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