伊賀甲賀遠征 1日目

平成27年9月20日〜22日



滝川城の防獣柵




 これまでも9月の三連休に度々遠征に出ていたが、その都度、夏とあまり変わらぬ気温と湿度、大量の薮蚊と生茂る樹木に痛めつけられていた。
 しかし、今回は山中・藪中の比率が多い上に、スズメバチやマムシにまで出くわす羽目になった。おまけに冬なら突破可能な場所も、この時期での攻略は難しく、撤退せざるをえなかったところも多かった。改めて遠征に適した時期というものを考えさせられた。

 一方で伊賀・甲賀の里山城館は、他では余り見られない構造で、冬なら非常に楽しめたのではないだろうか。



甲賀地域の城郭については以下の書籍を:
 「甲賀市史 第7巻」
 「近江の山城ベスト50を歩く」サンライズ出版
 「日本城郭体系 滋賀県」

伊賀地域の城郭については以下の書籍を:
 「日本城郭体系 三重県」
 「三重の山城ベスト50を歩く」サンライズ出版

その他、以下のWebサイトを参考にしました:
 城郭放浪記
 近江の城郭探訪
 お城の旅日記





全体地図(GoogleMapをベースに作成)





○9月20日

 最近の特亜・台湾・東南アジアからの観光客の増加に加えて五連休と言うこともあり、朝一の新幹線の座席を取ることができなかった。その為、前日に名古屋入りし、支部長の家に泊めてもらっていた。その為、名古屋から快速で米原へ、そして米原でKさんと合流し、レンタカーを予約している草津駅へと向かった。
 ところが、米原から草津までの鈍行ですらかなりの人ごみで、果たしてこれから向かう伊賀・甲賀周辺もえらいことになっているのではないかと心配したが、この乗客は草津で行われているジャズだか何かのお祭りへと向かう客であり、草津駅の南東側は至って普通であった。

 駅前でレンタカーの手続き。日産のモコ、というか中身はスズキのワゴンR。ノンターボの普通の軽だったが、以前の浜松遠征の際の軽とは比べ物にならないくらいに良く走ってくれた。


国道1号線を東へと向かい、途中から県道4号線へと入り、甲南町方面へ。





甲南町方面地図(GoogleMapをベースに作成)






市原U城



遺構ほぼ無し。





望月城


左:東面にある虎口、右:同左北東にある掘


左:虎口付近から西を、右:北西を


左:土塁南東角から北を、右:西面の土塁上から北西角を


左:西面の土塁上から南東方向を、右:東麓から



主郭の東下の段に社があり、そこまで道がある。
伊賀・甲賀で良く見られる「山の上に方形土塁の館」の典型であり、東側に虎口が開けられ、西側の尾根との繋がりの間に堀切が設けられている。





望月支城


左:南面にある虎口?、右:内部、西側


左:内部、北側、右:内部、東側


左:土塁、右:土塁



道路脇から道っぽいものが出ている。直登しても何とかなる。
こちらも山上方形土塁だが、土塁は低く、内部が広い。本来の虎口は東面だが、南側にも土塁に出入口のようなものがある。堀っぽいものもあるが、凹凸は少ない。





村雨城


左:主郭内部を西の虎口から、右:西の虎口を内部から


左:主郭を南西から、右:西の虎口上から南東方向を


左:主郭北下の掘切、右:寺前城との境目にある堀切



村雨城の西麓にある入口に、城名の入った杭が建っている。寺前城もここからしか入れないようである。車を停められるようなスペースはほぼ無い。今回は田んぼの脇に無理やり停めた。
主郭周辺はメリハリも効いていて良いが、草類が多くて写真の写り栄えが悪い。




寺前城


左:主郭、右:同左


左:主郭北西にある虎口、右:主郭の北西下にある掘らしき窪み



村雨城の北端から、そのまま北へ。東下の池の畔に案内看板が建っている事から、池を回っている遊歩道から入るのが正しい進入路かも知れない。
主郭ははっきりしているものの、藪になっていて写真を見ても地形がわかりにくい。





服部城


左:この奥から右上へ登る、右:この上


左:主郭を西から、右:主郭の東下



ここも車を停められるスペースが皆無に近い。
一周してみたが、藪になっていて西下からしか入れない。ただ入っても藪で、この季節だと土塁には登れたものではない。





竹中城


左:南西隅から堀と土塁、右:同左続き



南から回り込むしかないが、民家の敷地かどうかグレーな所を通らないと接近が難しい。ただ取り付いても写真のように藪で、冬ならともかく夏に行く場所ではない。





新宮城


左:主郭の東下の郭、右:主郭南東の虎口


左:主郭内部、右:主郭の土塁内面


左:主郭を南西下から、右:同左反対方向、堀切



比較明確な方形土塁の主郭を中心に、北東へ郭が連なっている。また主郭の南西下に堀切があり、山と切り離されている。
ただ、ここもだが羊歯が多くて写真が判り辛い。





新宮支城


左:主郭北側の堀切を東下から、右:北側の堀切を北東下から


左:西側の虎口を東下から、右:同左を主郭内部から


左:主郭内部、南東隅、右:南西隅


左:主郭内部、西面、右:北面


左:主郭南側の堀切を北上から、右:主郭西面の土塁上から南西隅を


左:主郭西面の土塁上から主郭内部を、右:北面の土塁上から主郭内部を


左:主郭北側の堀切を南上から、右:北東隅から主郭内部



こちらの方が「支」であるが、土塁が高く明確に方形で、また南北にそれぞれ堀切がある。




甲南町地区を離れて、甲賀町地区へと移動する。






甲賀町方面地図(GoogleMapをベースに作成)






補陀楽城


左:北西から北東側の土塁を、右:同左を北から


左:北東側の土塁の南東端、右:南東側の土塁を北東から



補陀楽寺の敷地が補陀楽城であり、北東側と南東側に土塁が残っている。





竹林城


左:南側の土塁を南東から、右:同左を東から


左:北側の土塁を西から、右:東側の落差



慶徳寺の敷地が竹林城である。南側と北側に土塁が一部残っている。





鳥居城


左:南東から、右:南面を西から


左:内部、右:西側の土塁


左:南側の土塁、右:



周辺に車を停められるようなスペースは存在しないので、竹林城とセットで見に行くべき。
藪になっているが中には入れる。北側の土塁やその北下の堀は見に行く気力すら起きなかった。





篠山城


左:東面を北東下から、右:東側の虎口


左:内部、右:西側の虎口を内から


左:西側の虎口を西から、右:同左横の水掘



南面の土塁が削られているが、他三方向は良く残っている。また西面には水掘もある。





奥殿城


左:北面の土塁を西から、右:東から



北側と東側に土塁が残っている。





垂井城


左:東西郭間の堀を南から、右:東郭の西面の土塁


左:東西郭間の堀を東から、右:西郭東側の土塁を南西から


左:東郭を南から、右:西郭の南面の土塁の残欠



元々は東西に2つの単郭が並んでいたようだが、宅地開発で部分的にしか残っていない。東西郭間の堀の部分は面白い。




滝川城


左:滝川城を北から、右:滝川西城


左:入口は東側、右:内部


左:南にある池、右:北側の土塁



車を西に停めてしまったため、西面から取り付いたのだが、獣除けの金網が張り巡らされており進入は面倒である。東側から道が整備されているが、夏期は草が多くて道が判り難い。
方形の敷地の南北の2面にしか土塁が無い。

滝川西城は入口が見当たらなかった。冬なら直登も簡単そうである。





油日館


左:石碑、右:土塁


左:土塁の北の堀、右:同左



油日神社の敷地の南西端の竹やぶの中に、土塁と堀が少しだけ残っている。





木内城


左:南から、右:土塁南西側


左:土塁北側、右:土塁、どこか



1周土塁が回っている。北側だけは土塁が2重になっていた…と思う。





龍泉寺城


左:土塁を南から、右:同左アップ


左:北から、右:土塁の北端を東から



龍泉寺の敷地が龍泉寺城である。
寺の西側に土塁が残っている。





大原城


左:東から、右:南東隅の虎口


左:南東隅の虎口、右:同左から北を


左:東面の堀と土塁、右:北面の堀



民家の敷地だが、日中は忍者屋敷として公開されているらしいのだが、17時過ぎだったために確認もできなかった。







日も暮れたので、今夜の宿泊地である伊賀上野まで移動。


周辺にまともな飲み屋が無く、ホテル1階の料理屋で夕食にしたのだが、東京並みの量と価格で疲れがどっと出てしまう。2000円のコースにしておけば被害も少なく済んだようだが。
早々に切り上げて、弊店間際のスーパーでツマミを買って、部屋で飲み直して寝る。





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