空山 防空砲台





米軍の航空写真(M1184-A-26、国土地理院)




舞鶴警備隊戦時日誌に添付されていた写真、高角砲と測距儀(昭和17年1月20日撮影)


舞鶴警備隊戦時日誌に添付されていた写真、96式150cm探照灯と弾庫(昭和17年1月20日撮影)


東舞鶴市の北、成生岬の手前の空山の山頂にも防空砲台があった。航空写真を見る限り砲台の北東側と北西側に2ヶ所の聴測所らしきものを具えている。昭和15年頃の防空砲台は聴測所をこのように配置しているが、市史のリストには射撃用電探2基となっており、もしも射撃用電探を聴測所と同じように配置しているのだとすれば、他に例が無い珍しいものとなる。確認するためにも山に入りたい。

米軍の引渡目録には、S24電探の数が0.5となっている。このリスト類は結構誤字脱字が多く、その都度元の文字を類推させられる羽目になっているのだが、今回のこれはわからない。1/2(2基ある内の1基のみ稼動?)とでもあったのを馬鹿正直に小数に直してしまったのだろうか?

また舞鶴警備隊の戦時日誌には空山砲台の写真が4枚ほど貼られており、砲台の当時の状況を知る貴重な手がかりになると思われる。中でも12.7cm連装高角砲には平らな防盾が付けられているが、これは雪国独特の雪避け仕様なのだろうか。



日付 舞鶴海軍警備隊戦時日誌及び引渡目録による記事
昭和16年12月 工事中 3月末完了予定
配員:1、9、21(准、下士官、兵)
昭和17年6月 工事中
昭和17年10月 9/21の豪雨で新兵舎倒壊
昭和17年11月 防空砲台
昭和19年2月 苗頭増設工事未着手
昭和19年3月 12.7cm高角砲用照準器・苗頭増設工事未着手
昭和19年4月 分散燃料庫完成、分散弾薬庫工事中
昭和19年8月 探照灯、発電機、変圧器、配電盤の地下への移設工事
昭和19年10月 配員:7、22、148(准、下士官、兵)
昭和19年12月 電探装備完了、官房艦機密6932号
昭和20年5月 13mm機銃
昭和20年6月 上申中の照射射撃専用電探を装備予定
6/20の対空戦闘、12.7cm6発射撃、残1494発
昭和20年?月 米軍第33師団の報告書(WOR46693 G-2 Periodic Report No.44、国会図書館):
12.7cm連装高角砲2、12.7cm高角砲通常弾1439
時限信管1300、88式瞬発信管200、伝火筒1439、電気火管?1500
12.7cm高角砲装填演習砲1、演習弾93
95式高射器1、4m高角測距儀1
1m測距儀1、観測鏡1、12cm高角双眼鏡2
13mm単装機銃8(3600)、弾薬箱4
S24型電探0.5(何故0.5?、2基あって1基故障とか?)、13号電探1
150cm探照灯(管制器)2、直流発電機2
97式聴音機2
交流発電機(付属品)1


(舞鶴市市史編纂だより):
12.7cm連装高角砲2基、95式陸用高射装置1基、
12.7cm高角砲演習装填砲1門、13mm単装機銃4門
12.7cm高角砲照準望遠鏡5基
20式4m高角測距儀(98式4m半?)、追尾式150センチ探照灯
13号電波探信儀1組、S24号電波探信儀2組



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