愛宕山 防空砲台






米軍の航空写真(M879-173、国土地理院)




東舞鶴の市街地から北東にある海上自衛隊の舞鶴教育隊。その敷地の北東側に愛宕山があり、その山頂付近に愛宕山の防空砲台があったらしい。一応愛宕山山頂に何か施設のようなものが写ってはいるものの地図には寺マークが入っており、寺が写っている可能性もある。
またこの付近には松ヶ崎防空機銃砲台もあり、西側の160mの尾根付近のものはこれかもしれない。

米軍第33師団の引渡目録によると探照灯と聴音機も2基づつあったようで、そうなると昭和15年頃に建設された防空砲台によくある、防御の主方向の左右両側少し前に聴測所、という形になっていた可能性がある。その場合、愛宕山山頂に高角砲座と山頂から北側と東側に伸びる尾根上に聴測所があったか、もしくは愛宕山南西の160m高地の東西に伸びる尾根上に高角砲座と聴測所がならんでいたか、のどちらかになると思われる。
また同じリストにある13mm機銃3丁は、愛宕山の近くにある松ヶ崎防空機銃砲台のものかもしれない。


ただ、実際のところはようわからんので、実際に山に入ってみるしかない。愛宕山山頂には、中世には泉源寺城があったらしい。

泉源寺城を訪ねたWeb上の記録(城山賛歌)を読むと、山頂には砲座跡らしい窪地や、水槽もしくは砲側弾薬庫の残骸と思われるコンクリート片が散乱しているらしい。



日付 舞鶴海軍警備隊戦時日誌及び引渡目録による記事
昭和16年12月31日 配員:1、13、54(准、下士官、兵)
昭和17年6月 工事中
昭和17年11月 防空砲台
昭和19年4月 分散弾薬庫工事中
昭和19年8月 探照灯、発電機、変圧器、配電盤の地下への移設工事
昭和19年10月 配員:5、17、94(准、下士官、兵)
昭和19年12月 2/22約18機侵入、8発発射、戦果及び被害無し
昭和20年5月 8cmを12cm4門に換装工事中、官房機密1458号
13mm機銃
昭和20年6月 換装工事中
昭和20年?月 米軍第33師団の報告書(WOR46694 G-2 Periodic Report No.45、国会図書館)
12cm高角砲(付属品)4、12cm高角砲信管調合器4
12cm高角砲通常弾288、12cm装填演習弾4、12cm高角砲教育弾8
時限信管288、伝火筒388、撃発火管?(PercussionTube)330
高射器(付属品)1、射撃盤1
2m高角測距儀1、12cm高角双眼鏡1
96式150cm探照灯(管制器、付属品、カバー)2、直流発電機2
ヱ式聴音機(付属品)2
13mm単装機銃3(1040)
ディーゼル直流発電機1、直流発電機1


(舞鶴市市史編纂だより):
12cm高角砲4門、93式13mm単装機銃3門
96式150mm探照灯、ステレオ式2m高角測距儀
ヱ式空中聴測装置



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