第2話「誰がために腹は鳴る!?」
お昼休みと言えば、学園生活を送る少年少女達にとって一番の憩いの時である。
・・・と、同時に闘いの時間でもある。
クラスメート:あれ?なこ今日はお弁当持ってきてないの?
なこ:ええ、おかずの材料が切れてしまったもので今日はパンを買うことにしますわ。
クラスメート:ええ〜?なこ購買に行くの!?
だったら早く行った方がいいよ!
売り切れちゃうよ!
なこ:そうですわね。
それじゃ行って来ますね。
てふてふと購買部へやってきたなこ。
で、あるが。
生徒:おばちゃーん!タマゴサンド3つ!
生徒:俺ハムカツロールとビザパン!
生徒:コーヒー牛乳くださーい!
既にレアもののパンを一個でも多く獲得せんと戦意に燃える生徒達で購買部は戦場である。
生徒:やりい!ヤキソバパンまだ残って・・・・・・。
怪しい生徒:いただきケ!(サッ)
生徒:ああっ!なにすんだ!おれがさきに見つけたんだぞ!
怪しい生徒:うるさいケ!これでも食らうケ!(ぷおっ)
生徒:ぐはぁっ!か、身体がしびれる!。
中には怪しげな技を使ってまでパンを獲得しようとするヤツまでいる。
なこ:はにゃぁ〜〜〜・・・。
・・・あっ!わたしも早く買わないと!
購買の惨状に一瞬あっけにとられつつも、果敢にも人の壁の中に潜り込もうとするなこ!
しかし、タダでさえ普段からテンポのスローな彼女の事。
なこ:すいませぇん。ミックスサンドひとつ・・・。。
生徒:ミックスサンドくれーっ!
どん!
なこ:あっ!
案の定、あっさりはじき出されてしまう。
なこ:あのぅ、ミックスサン・・・。
生徒:どけどけっ!
どどん!
なこ:ああっ!
あ、あの・・・。
どどどん!
なこ:あああっ!
そうこうするうちに獲物を獲得した生徒は一人二人と去って行く。
そしてようやくなこも売り場の前までたどり付いたのだが。
なこ:はぅぅぅ・・・。げ、激辛カレーパンしか残ってない・・・。
購買のおばちゃん:買うかい?
なこ:・・・・・・・・・。
購買のパンはあきらめて学生食堂へ向かうなこであった。
なこ:ああ良かった。購買で時間取られちゃったからもうなにも残ってないかと思っちゃった。
学食のおばちゃん:今日のランチのラスト1セットだよ。
運が良かったね。
なこ注文はチキンライス、メンチカツ、和風サラダにデザートのバナナが付いたレディスセットである。
なこ:ふう。
それじゃいただきまー・・・。
ちゃむ:(じぃ〜〜〜〜〜〜)
なこ:(びくっ!)
いつの間にかなこの座ったテーブルの横にちゃむが現れて、物欲しそぉ〜〜〜〜に彼女のランチのトレーを見ている。
なこ:え・・・えっと・・・。
ちゃむ:(じぃ〜〜〜〜〜〜)
じゅる・・・。
なこ:・・・・・・。
もう今にもビームが出そうに食い入るような視線のちゃむの瞳に映っているのは・・・。
どうやらトレーの片隅に乗っかる黄色くて長い物体。
なこ:え・・・もしかして・・・バナナが欲しいの?
ちゃむ:(くわっ)
バナナほしい!バナナほしい!バナナほしい!
なこ:くすっ。
いいわよ食べても。
ちゃむ:やった!
(むしゃむしゃむしゃぱくぱく)
なこ:ああああっ!
ラ、ランチまで食べないでェ〜〜〜〜!!
ちゃむ:(ごくん)
ごちそうさまぁ〜!
すたたたたた・・・
なこ:は、はううう・・・わ、わたしのランチ・・・。
フィルムの早回しのようなスピードで、なこのランチはちゃむの胃袋へと消えた。
バナナと共に。
なこ:あのう・・・まだ残ってるメニューはありますかぁ?・・・ぐすん。
学食のおばちゃん:この時間じゃもうほとんど売れちゃったけどねぇ・・・。
ああ!まだ残ってるのがあったよ!
なこ:ホントですか!?
なにがあるんでしょうか?
学食のおばちゃん:激辛カレーライス。
なこ:・・・・・・・・・。
き〜んこ〜んか〜んこ〜ん・・・(昼休み終了)