第1話「トラブルモーニング」





バタバタバタバタバタ


りむ:うきゃ〜〜〜!寝坊したぁ〜〜〜!

なこ:おはよう、りむ。

りむ:おはようじゃないよぅおねえちゃん!どうしてこんな時間まで起こしてくれなかったの〜!?

なこ:起こしたわよ何度も。でもりむったら起きないんですもの。
     その上に目覚し時計窓の外に棄てちゃってるし。

りむ:うっ・・・・。


      言われて見れば庭の方にジリリリリと騒音を発しつづける物体が。
      ・・・って気付いたんなら拾えよなこ・・・。近所迷惑だろ。

なこ:ほら、いいから朝ご飯食べちゃいなさい。トースト焼いといたから。

りむ:うん、いただきまーす!(バクバクバクムシャムシャムシャ)

なこ:(もくもくもくもく)。

りむ:(べりべり)←ゆでたまごむいてる
      (パクパク)う”っ!?

なこ:(もくもくもくもく)。

りむ:(じたばたじたばた)←喉に詰まらせたらしい

なこ:(もくもくもくもく)。

りむ:(ごきゅごきゅごきゅ!)ぷはぁ〜〜〜〜。

なこ:(もくもくもくもく)。

りむ:(ごくん)・・・っと。おし!ごちそうさまっ!

なこ:(もくもくもくもく)。

りむ:・・・ねえおねえちゃん。

なこ:ん?

りむ:おねえちゃんも寝坊したの?

なこ:そんなことないわよ。
      ちゃんと6時に起きてシャワーも浴びて、その後りむも起こしに行ったもの。

りむ:でももう8時15分だよ?

なこ:・・・・・・・・・え?

りむ:・・・・・・・・・


なこ:は、はにゃーっ!?

りむ:ずっと食ってたんか〜い!!

      そんなこんなでようやく登校の二人である。
      ちなみに二人とも(特になこ)こう見えて運動神経は良い。
      普通に走ればその辺の遅刻常習犯と同じ時間に家を出ても間に合うのだが・・・。

  たったったったったった


りむ:この調子で走ればなんとか間に合うねッ!

なこ:ほうね(もぐもぐ)←まだ食ってる。

りむ:もう、おねえちゃんはもっと速く食べる様にしないとダメだよッ!

なこ:・・・・・・・・・。

  たったったったったった

りむ:聞いてる?おねえちゃん。

なこ:・・・・・・・・・。

  たったったったったった

      はて?なこの返事が無い。
      脚力は二人とも大して違わないから差が開く事は無いハズだが?


なこ:はーい、みんな走っちゃだめよー。


りむ:はわ〜〜〜〜〜〜っ!!

      小学校低学年の集団登校は一大コロニーなのでその移動時間は
     腰の曲がったおばあさんに匹敵する。



りむ:あ”あ”っ!すごいタイムロスしちゃったよぅ!
      おねえちゃん!マジやばいって!

なこ:・・・・・・・・・。

   
猫の声:にゃー

りむ:(ビクッ)まさか・・・。

      大当たりである。

なこ:きゃ〜っ!かわいい〜〜〜!
   見て見てりむ!この子猫かわいい!


りむ:おねえちゃぁぁぁぁん!!(半泣き)




      数多くの艱難辛苦を乗り越えてついに学校までたどり着いた二人!
     しかし。

   き〜んこ〜んか〜んこ〜ん・・・・

りむ:うわあああん!間に合わないよ〜〜〜〜っ!
    また遅刻だあ!おねえちゃんのせいだよッ!

      自分の寝坊は棚に上げているりむである。


なこ:大丈夫よりむ。
      この壁を越えちゃいましょ。

りむ:へっ!?

なこ:この壁の向こうは体育館横だから、正門まで走るより速いわよ。

りむ:えっ!?ちょっとおねえちゃん!?

なこ:よいしょっと。





りむ:・・・おねえちゃんて時々大胆っていうか・・・想像つかない事するなあ・・・。



りむ:ふぅぅぅ!間に合ったぁぁぁ!
     良かったあ。今日遅刻だとトイレ掃除1週間の刑だったんだあ。

なこ:・・・・でもりむ、いいの?

りむ:えっ?なにが?

なこ:ここは三弦堂学園よ?

りむ:・・・・・・・・・。

なこ:・・・・・・・・・。


      りむの学校は三絃堂学園の姉妹校ICUパシフィック・ジュニアハイスクールである。

りむ:しまったぁぁぁぁぁぁ!!


      りむ、トイレ掃除1週間の刑確定。