左:照空灯座Gの中央部、右:照空灯座Gの南東の出っ張り
左:照空灯座Gの二重土塁、右:同左
照空灯座Gは二重の円形土塁になっている。北九州(遠賀川
以東)と下関では見ない形状であるが、広島で照空灯座が残っ
ている茶臼山と似島では同様の二重の円形土塁である。形状
から推察するに、ここに配備されていたのは車輪付きの照空灯
ではなく固定式の照空灯を内側の円形土塁内に埋め込んでいた
のではないかと思われる。茶臼山と似島では内側の円形土塁の
内張りがコンクリートだが、新山では内張りが無い。
二重円形土塁の寸法は、内側の円形土塁の内径が約3.5m、
外側の円形土塁の内径が約10mである。
照空灯座Gの南東には出っ張りがあり、そこから東にケーブル用の溝が出ている。
広島に居た照空部隊が配備された北九州の遠賀川以西の照空陣地も、終戦間際に広島に配属された照空部隊が配備されていた大阪周辺の照空陣地も、どちらも未探索だが、それらの照空灯座が二重円形土塁かどうかによって、終戦間際の広島の照空陣地の配備状況を知ることができるだろう。